Catch Up
キャッチアップ

このコーナーは官能小説家の長月猛夫氏が一般の中高年男性から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味いただければ幸いです。 編集長
【父親を翻弄した財産目当ての女】山形県在住K・Kさん(52歳)
20年ほど前、ちょうど亡くなった親父が今のわたしと同じくらいのとき、若い女が家に転がり込んできた。一目で玄人女だとわかる風体で、化粧も厚く、安物の香水の匂いをプンプン振りまいていた。
親父は役場勤めの公務員で、まじめだけが取りえの男だった。その2年前に妻、つまりわたしの母親を亡くした寂しさも手伝ったのだろう、その女に入れあげ、とうとう結婚するとまでいい切った。
もちろん親戚中は猛反対。というのも、親父自身はしがない身分だったが、家はむかしからの素封家で本家筋にあたる。つまり、かなりの財産がある。
女は親父とは親子ほど歳が離れていて、年齢はわたしに近い。財産目当てであることは火を見るよりも明らかだ。
親父にもしものことがあれば、財産の半分は女のもの。万が一、子どもでもできようものなら、その子の分もふくめて4分の3が雌ギツネのところへわたってしまう。
親戚連中に遺産相続の権利はないが、本家の財産、とくに代々守ってきた土地が奪われてしまうのは我慢できない。それよりも、家系に傷がつく。
だから、すぐに籍を入れることはかなわなかったが、親父は同じ屋根の下で住まわせることにした。
女は家にきてからも家事ひとつするわけでもなく、日がな一日、ぶらぶらと暮らしていた。しかし女の色香に惑わされていた親父は、料理、洗濯、掃除まで全部自分でやっていた。
わたしは独身だったが、自分のことくらい自分でする。だが、女のパンツまでうれしそうに洗う親父を見るのは、どうにも腹にすえかねた。
「あんな女のどこがいいんだよ」
「青二才のお前にはわからん」
「オレだって30を越えてるんだ、女のよし悪しくらいわかる」
「それなら、さっさといいのを見つけて結婚しろ」
親父とわたしの意見は、いつも平行線をたどるだけだった。
親父がそれほどまでに入れ込んだ理由は、女といっしょに暮らしてみて次第にわかるようになってきた。
玄人然としていて、水商売がお似合いの女だったが、それだけに匂い立つような色気があった。意見をしにきた叔父たちも、彼女の前では借りてきたネコのようにおとなしくなる。つまり、女に翻弄されてしまうのだ。
白い素肌に柳のような腰つき。胸のふくらみは大きく、常に潤んだ目と唇をしている。声は鈴を転がすようにたおやかで、もしもわたしが別の機会で出会っていれば、親父のように惑わされてしまったかも知れない。
そして、その見た目どおり、あっちのほうもかなり達者だった。
旧家の屋敷なので、部屋と部屋はふすまと障子で隔てられただけの造りだ。ちょっとした物音なら筒抜けになる。
親父と女が寝ている部屋とわたしの部屋は、そんなに離れていない。つまり、夜毎の痴戯が手に取るようにわかる。
というのも、女の声はだれはばかることなく甲高く、それこそ屋敷中にひびきわたるほど叫び狂う。
あるとき、あまりに我慢ができなくて怒鳴り込もうと親父の部屋の前まで行ってはみたものの、障子に写る女の影とすすり泣く声を耳にして立ち止まってしまい、すき間から中をのぞき込んでしまった。
部屋の中で、寝間着の親父を組み伏して、女は馬乗りになって喘いでいた。親父の手を豊満な乳房に誘い、腰を振りながら悶えている。薄い明かりに浮かびあがる姿は、妖しく淫靡で、わたしはつばを飲んで見入ってしまった。
だから、わたしも確固たる態度で女を追い出すことはできず、それどころか女の痴態が目に焼きつき、悶々とした日を過ごすようになっていた。
そんなある日、親父は役場の旅行で留守にしていた。わたしは自分で食事を終え、部屋の中で転がっていた。
月の明るい秋の日。庭では季節の虫が鳴いていた。
ぼんやりと読みかけの本に目を通していたわたしの部屋を、突然女が訪ねてきた。わたしは驚きつつも平静を装い、寝転がったまま応対する。
「わたしのどこが不満なの?」
寝間着姿の女はわたしの側に横座りし、たずねてくる。
「どこが不満ていうよりも、あんたこそ、親父のどこがよくていっしょになろうとしてるんだ」
「お父さまはおやさしいし、それに……」
「財産だろ」
「え?」
「正直にいえよ。親父の財産が目当てなんだろ」
「そんな」
女は顔をそむけて唇をかんだ。
「そんな顔したって無駄だ。いいこと教えてやろう。家は代々長男が全財産を受け継ぐことになってるんだ。つまり、いくら配偶者だといっても一銭たりとも受け取ることはできない」
「え!」
「先祖代々の言い伝えで、この家の長男は結婚したとき、その旨を記した遺言書を書かされるんだ。つまり、親父の書いた遺言書が家の金庫に眠っている」
ウソである。もし、親父の遺書が存在し、同様のことを書いていたとしても、法的には遺留分が認められる。けれど、この女に民法だの遺産相続などいっても理解はできない。そう思ったからこその虚言である。
女はまんまとわたしのウソに引っかかり、顔を青くしていた。
「ただ、ひとつだけ方法がある」
「な、なに?」
やはり女は親父の財産目当てだった。わたしの提案に目を輝かせてのぞき込む態度でわかる。
「あんたさえその気になってくれたら、オレが受け継いだ財産の半分をわけてあげてもいい。なんなら、親父に黙って遺言書を破り捨てることだってできる。なんたって、金庫のカギを持ってるのは親父とオレだけだ」
「で、でも」
「オレはさ、こんな田舎暮らしがイヤなんだ。都会に出て気ままに暮らしたい。けれど、全財産を受け取る代わりに、この家も相続しなきゃいけない。つまり、この土地に一生縛りつけられるわけだ。そんなのは我慢できない。カネをもらって、こことはおさらばだ。オレがこの年まで結婚しない理由はそこにある」
全部ウソである。結婚できないのは縁がないだけ。生まれ育ったこの村には愛着がある。いまさら都会に出てあくせく暮らすなんて真っ平だ。
けれど、女はわたしの言葉をいともたやすく信じた。そして、例の艶っぽい目をいっそう潤ませ、わたしに迫ってくる。
「で、わたしのどうしろというの?」
「わ、わかってる、くせに」
「ふふふ、いいわよ。あなたのいうこと、信じてあげる」
女はにじり寄り、わたしの太ももに手を置いた。そして、そのまま顔を近づけると、ひとみを閉じて唇を重ねてくる。
女はわたしの口を唇をこじ開け、舌を忍ばせてくる。ねっとりと互いの舌を絡ませ、歯ぐきの裏やほほの裏側をなぞる。
わたしは、それだけで自分が屹立するのを知った。
「ふふふ」
女は妖しく笑うと、横座りのまま寝間着の帯をといた。その下に下着はなく、形のいい乳房やくびれた腰がすぐにあらわになってしまう。
「わたしも、じつはこうしたかったの、あなたを初めて見た日から」
「ほ、本当か」
「うん、だって、お父さまはもう元気がなくて、ふにゃふにゃで頼りないの。あなたなら、強くて固くて長いのをわたしにくれるって思ったから」
女は全裸になりわたしの股間に手を伸ばす。そして、ずるずるとズボンを脱がし、パンツをおろすと、直立した息子を手に取り、股間に顔をうずめた。
「ああ……」
女の愛撫に、わたしは思わず声をあげてしまった。それほどに、女の技は巧みでツボを心得ていた。
先をくすぐり、カリ首をぬぐい、サオを舐る。そのままカポッとほお張ると、指でしごきながら首を上下させる。
塗り込められる唾液のなめらかさと蠢く舌のやわらかさ。温かいぬめりは、すぐにわたしを頂点に導こうとする。
「ふぅうん、んん、んふ、気持ちいい?」
「あ、ああ」
「ふふふ、まだイッちゃダメよ。ちゃんとわたしの中でイッて」
女はそういうと、しなをつくってわたしにまたがり、自分で納めた。口の中よりもなめらかな感触が、わたしをおおう。女はわたしの肩に手を置き、腰を揺らしはじめる。
「ああん、固い、大きい。あんあん、いい、やっぱり、若いほうがいい」
とろけてしまいそうな女の肌は、月の光を吸い込むように青白く光っていた。目の前では見事な盛りあがりを見せる乳肉がぷるぷる揺れ、わたしは思わずしゃぶりついてしまう。ふくんだ乳首は、遠いむかしに味わった砂糖菓子の味がした。
「ああん、そう、乳首、かんで。いやん、あん、いい、気持ちいい!」
女は親父のときと同じ声で悶え狂った。わたしは下から突きあげ、女の身体を貫き通す。すると、うねうねした女陰から水飴のような愛液がしたたり落ち、動きをいっそうスムーズにする。
それでも、女のとば口はわたしを離すまいと締めつけを強め、内部の肉襞も全体をおおいつくす。その圧力は強烈で、しかも奥へ奥へと吸い込んでいく。その感触はわたしがそれまで知っただれよりも心地よく、動きがなくても果ててしまいそうになるほどだ。
「あうん、もっと、もっと」
女はねだる。わたしは、負けてなるものかと女をあお向けに寝かせ、上からぶち込む。女の腹部が縮み、髪が乱れ、緑の畳にひろがる。
「やんあん、ああん、イク、イキそう、ああん、イクイク、もうダメ!」
女は絶頂を迎えた。それと同時に、わたしも精を吐き出す。気のいった女は荒い息を吐きながら、うっとりとした目でわたしを見つめた。
「よかった、お父さまとは大違い」
「あ、当たり前だろ」
「これでわたしたち、本当に他人じゃなくなったわね。これでわたしも家族になったのね」
籍が入っていないとはいえ親父の女、つまり義理の母親と媾合ったわけだ。女のほうにとってわたしは息子。
畜生にも劣る行為なのに何が家族だ、と軽蔑の念をいだきながら、わたしは庭に降りそそぐ月の光をながめていた。
それから女は、すきを見てわたしに迫ってくるようになった。親父と一戦交え、満足できないくすぶりを鎮めるかのように、わたしの部屋に忍んできた。また、親父が所用で留守のときは、屋敷の居間で堂々と交わりあった。
わたしもわたしで、ロウ細工のような肌と食いつけば離さないタコ壺のような女陰に夢中になった。
あるときは風呂場で、あるときは蔵の中で、あるときは納屋で、昼夜かまわず、気が向けば2人で忍び込み、身体を合わせるようになっていた。
わたしは女に身体に耽溺した。しかし、目的だけは見失うことがなかった。
そんなことを親父も薄々感じていたのだろう。ある日、村の寄り合いで出ていき、そのまま思わぬ時間に帰ってきた。
わたしは自分の部屋で女を弄くっていた。女の声はいつも通りに甲高く、帰ってきた親父の耳にすぐに届く。
「お、お前ら、なにしてるんだ!」
久しぶりに見る親父の憤怒の表情。あわてふためく女。けれど、わたしは平然としていた。
「見てのとおりだ。オレは親父の女を寝取ってやった」
「お、お前!」
「目をさませよ、親父! この女は義理の息子とも乳くり合う淫乱女なんだ。この女がいれば、家の財産はすぐに食いつぶされる。それでもいいのか。あの世とやらにいってご先祖さまにいいわけがつくのか。お袋に会わせる顔があるのか!」
その言葉に親父は黙り、それ以上に女は驚きを示す。
「どういうこと。あなた、いったい」
「これが目的なんだよ。お前みたいな淫売女にだれが気を入れるもんか。オレは親父の目をさましたかっただけだ。それだけだ」
女の顔は見る見る青ざめ、わたしをにらみ、親父を見た。
「違うの、違う。これは」
「いいわけはいい。聞きたくもない。さっさとここから出て行け!」
女は仕方なく身支度を整えると、その日のうちに家を出ていった。
その後わたしも結婚し、子どもをもうけ、親父はあの女のことなど忘れたようだった。
すべては丸く収まった。けれど、わたしは時々あの女のことを思い出す。
薄い闇にぼんやり浮かびあがる白い肌、なんともいえぬ艶然さ。そして、吸い込むような女陰の塩梅。
親父のため、家のためとはいえ、酷なことをしてしまったのではないかとも思う。そして、もし、わたしの前に同じような女が現れれば親父のように惑わされずにいられるだろうか。
その答えは見つからない。いや、見つけないほうがいいのかもしれない。
- 【選者紹介】
- 長月タケオ(ながつきたけお)
- 官能小説家。一般人の中高年男性への取材を通して市井の赤裸々な性のエピソードを紡ぐ。
- 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
- 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
- おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
- 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
- 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
- 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
- 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
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- 誘惑する女 熟女たちの悦楽 長月タケオ短編集
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