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キャッチアップ
このコーナーは関西在住の女性ライター・法善寺灯子さんに関西のシニアの皆様の魅力を語っていただくものです。関西流の笑いと人情味溢れるシニアの生き様はきっとこの世知辛い浮世に一筋の光を与えてくれるでしょう。関西のオジ様とオバ様とお爺さまとお婆さまと、おとんとおかんのパワーが皆様の健康とご長寿の活力になることを切に願います。
編集長
【博覧強記「その名前、覚え間違い?」の巻】
関西に限ったことではないのだが、年齢を重ねるほど、物覚えが悪くなる。そして勘違いして覚え込む。これはもう致し方ないことである。
が、この覚え間違いが、聞いているほうを困惑の渦に巻き込むことも多々……。
ほんの一例だが、うちの母(81)の覚え間違いを紹介しよう。
●タレントの「そのまんま東」→「東のまんま」
多分、トーク番組「さんまのまんま」とゴッチャになってしまったのだろう。
●俳優の「デンゼル・ワシントン」→「デンジャラス・ワシントン」
この覚え間違いは意外に多く、知り合いの御母堂も同じ間違いをしていると聞いた。デンゼル・ワシントン、危険な男である。
●俳優の「新田真剣佑」→「新田松ケン」
「にったまつ・けん」と覚えているようだ。なにかの拍子で松平健と混ざってしまったのか。でもまあ、80オーバーの母が新田真剣佑の存在を認知しているだけでも上出来だろう。
●お笑い芸人「EXITの兼近」→「エグザイルの近松」
こうなるともう、それ誰ですねん別ユニットですがな状態である。
その他「佐藤健(さとうたける)→さとうけん」「向井理(むかいおさむ)→むかいり」「斎藤工(さいとうたくみ)→さいとうこう」「柄本佑(えもとたすく)→えもとみぎ」「水谷豊→水谷右京」など、「惜しい……」と唸りたくなるような覚え間違い・読み間違い・役名との混在が多発している。
昔なら口を酸っぱくして注意し、正しい名前を覚えさせただろう。が、最近は1回だけ指摘して笑いながら受け入れる、というおおらかな対応をしている。
ところがこの間、こんなことがあった。読書家の母に、吉川英治文学賞新人賞をNEWSの加藤シゲアキが獲ったことを教えようと
「今回のキッカワエイジ文学賞新人賞はNEWSの加藤君らしいよ」
と言うと
「は? キッカワ? ヨシカワだから! アンタまさか吉川晃司とゴッチャにしてるんちゃう? ライターの仕事しててキッカワとかあり得んから。勉強不足にもほどがあるわ、あー恥ずかしい。お母さん恥ずかしいわ!!」
とものすごい剣幕で怒られてしまったのだ。くっそー、なんか納得できん!
皆さんの周りのシニアにも、思わずツッコミたくなるような覚え間違いをしている方、いらっしゃるはず。こっちがニコニコと受け流していても、向こうはこっちの間違いに遠慮なくツッコんでくるから、注意しよう!
【法善寺灯子さんのプロフィール】
関西在住ライター。性別:女性。好物は串カツとお好み焼きのブタ玉。兵庫、大阪、京都、奈良、三重、滋賀などフットワーク軽く駆け回り、愛すべき関西の面白ネタを探す。
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