Catch Up
キャッチアップ
このコーナーは関西在住の女性ライター・法善寺灯子さんに関西のシニアの皆様の魅力を語っていただくものです。関西流の笑いと人情味溢れるシニアの生き様はきっとこの世知辛い浮世に一筋の光を与えてくれるでしょう。関西のオジ様とオバ様とお爺さまとお婆さまと、おとんとおかんのパワーが皆様の健康とご長寿の活力になることを切に願います。
編集長
【千両役者「関西弁のうまい女優さんは誰?」の巻】
さて、大阪はニュースでもご存じの方が多いと思うが、感染者数が爆発的に増加し、大変である。
私も仕事以外は家に閉じこもっている。そもそも趣味はないので、休日は動画やDVDで映画鑑賞くらいしかすることがない。
閉じこもってストレスが溜まっている分、スカッとした作品を求めてしまう。そこで、映画「極道の妻たち」を久々に鑑賞した。
いやー志麻姐さん、どんだけかっこいいのよ! 据わった目。貫禄の着物姿。そして、男も震えるような啖呵!
が、前から思っていたが、岩下志麻さんの関西弁はヘンだ。
いや、素晴らしいのは素晴らしいのである! 声の低さ、据わった目、貫禄の着物姿(2回目)。ただ、
「かぁ↑くぅ↓ごしいや!(覚悟しいや!)」
「すぅ↑じぃ↑をぅ通すためにぃ↓はぁ↑(筋を通すためには)」
イントネーションのアップダウンがバリバリに激し過ぎるというか。
まず一人称の「わてぇ」が気になるが、それは台詞なのでもうスルーするとして、とにかく姐さんのセリフ回しは、上がったり下がったり荒波の如し。聞いていて首がガックンガックンなる。
ナチュラルな関西弁という意味では、「極道の妻たちⅡ」の十朱幸代がむちゃくちゃうまい。迫力の面でこそ岩下志麻さんに負けるが、リアルな「関西の女」を感じる。
いや、二人を比べるつもりはない。それぞれが良いのだから。岩下志麻のあの大げさな関西弁があってこそ、映画は盛り上がる。じゅうぶん理解している。志麻さんが、これが関西弁と言うならもう、オールオッケー。大昔「極妻はかたせ梨乃を拝む映画」と豪語する父と口喧嘩になったことがあるほど、岩下志麻さんの姐御ぶりは好きなのだ。
うおおおお、なんで今さらヘンとか書いてしまったのか、私! 今猛烈に反省している。書いちゃったので最後まで書くが。
岩下志麻さんはあの役をしてから、新幹線に乗ると、その筋の人達が挨拶にくるそうな。役者冥利に尽きるとはこのことだろう。
ちなみに、方言を研究している方に「ドラマで一番関西弁が上手かった人は誰か」と聞いたら、
「てっきり大阪出身の人だと思ったら千葉県の人だった。あれはビックリした」
と、1996年放送の朝の連続テレビ小説「ふたりっ子」でヒロインを演じた、岩崎ひろみさんの名前を挙げていた。な、懐かしい……。
【法善寺灯子さんのプロフィール】
関西在住ライター。性別:女性。好物は串カツとお好み焼きのブタ玉。兵庫、大阪、京都、奈良、三重、滋賀などフットワーク軽く駆け回り、愛すべき関西の面白ネタを探す。
この記事の画像
関連キーワード
Linkage
関連記事
-
【関西シニア通信】第29回:盤根錯節「大阪ぎらいは難しい」…
-
【関西シニア通信】第28回:不満爆発「なぜTVでマナーの悪…
-
【関西シニア通信】第27回:自己完結「決まってるやん!」の巻
-
【関西シニア通信】第26回:勇気凛凛「死ぬこと以外はかすり…
-
【関西シニア通信】第25回:枝葉末節「煮卵戦争」の巻
-
【関西シニア通信】第24回:盛粧麗服「ヒョウ柄&パンチとい…
-
【関西シニア通信】第23回:大喝一声「ハゲ散らかすというパ…
-
【関西シニア通信】第22回:意気軒昂「泉州弁だよアホンダル…
-
【関西シニア通信】第21回:歌門来福「ワインレッドのオッサ…
-
【関西シニア通信】第20回:針小棒大「関西シニアの正月の価…
-
あの週刊大衆が完全バックアップした全国の優良店を紹介するサイト