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このコーナーは官能小説家の長月猛夫氏が一般の中高年男性から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味いただければ幸いです。 編集長
【本気で惚れた風俗の女に騙される】埼玉県在住H・Kさん(55歳)
去年の秋に離婚した。理由はわたしの借金とリストラだった。
サラリーマンだったわたしは女房に隠れ、信販会社や消費者金融に500万円近い借金があった。解雇をいいわたされ、退職金が入ったので全部を返すことはできたが、女房にバレることとなった。そのうえ彼女も退職金をあてにしていたこともあり、すったもんだのあげく別れることとなった。
借金を返した残りは全部、慰謝料として持っていかれたが、失業保険もあるし、アルバイトも見つかった。
わたしは久しぶりの独身を楽しんでいた。けれど、やはり一人暮らしにはさびしさがつきまとう。だれもいない家に戻って一人で飯を食べ、掃除洗濯もこなさなければいけない。
かなり鬱屈した気分におちいっているとき、ふと電柱に貼られたビラが目に入った。そこには『美女、宅配します』と書かれていた。
わたしはさびしさをまぎらわせるために、デリバリーの女の子を試してみることにした。家に呼んでもいいのだが、一応、世間の目というものがある。クルマを飛ばしてラブホテルに入り、スポーツ新聞に掲載されている店に電話をかけてみた。
あらわれたのはユイという名の女の子だった。
そり返った長いまつ毛に、目尻のつりあがった大きなひとみ。鼻筋はまっすぐでハリがあり、少し大きい目の口は肉厚のある唇におおわれている。
秋も真っただ中というのに、ヘソがむき出しのシャツと、パンツが見えそうなほどずりおろしたジーンズ姿。髪の毛は縦巻きの茶髪で、甘い香水の匂いをプンプン漂わせている。
「わたしでよろしいですか?」
ほほ笑みを浮かべるユイを見て、わたしは大きくうなずいたのだった。
彼女を部屋に招き入れ、お互いがシャワーを浴び、ベッドに腰かけた。小首を傾げるユイを見つめ、わたしは緊張しながらも、かなりの興奮と幸運をおぼえていた。
白い肌に長い手脚をしたユイは、20歳だと答えた。スタイルはやせすぎず太すぎず、そして胸のふくらみは目を見張るほど盛りあがっている。
「サイズはどのくらいなの?」
「胸? G」
「すごいなぁ。うらやましがられるだろ」
「うん。でも、ジロジロ見られるから恥ずかしい」
軽い会話を交わしながら、雰囲気はどんどん盛りあがってくる。
「じゃあ、はじめよ」
ユイのその言葉で、わたしは彼女を抱きしめた。
長いキスをし、わたしはユイの服を脱がす。あらわれたのはハリがあり、艶やかな光沢を放つ素肌。
触れれば吸いつくようななめらかさがそなわっていて、ブラジャーをまくりあげると、プルンと揺れる乳房が露呈される。
「うん……」
わたしがわしづかみにして舌をはわせると、彼女ははやくも甘い声を漏らした。
「オッパイ、感じるの?」
「うん。オッパイだけじゃないよ。ユイ、感じ過ぎちゃって困るの」
はにかみながらユイはいう。わたしはその表情に愛しさをおぼえ、彼女を横たわらせてむしゃぶりつく。
輪郭が胸板からこぼれ落ちるほど実った乳房は、若いながらの固さをかすかに残していて、指の力を抜くと水を張った風船のように形を戻す。
小さな乳首は少しだけ盛りあがった乳輪の中央に位置し、どちらも桜色をしている。舌で転がすと、ユイは大きく身をよじって喘ぎ声をあげる。
「やん、ああん、そこ、感じちゃう」
わたしは全裸になり、ユイのパンティに手を忍ばせた。口を閉ざした淫裂をこじ開けると内部はしっとりと潤んでいる。
指を挿入しかき混ぜてみる。蜜はどんどんあふれ出し、関節を曲げて膣壁を探ると敏感なスポットに触れたのか、背中をそらしながら首を振る。
「やああん、そこ、ダメェ、やんやん、感じ過ぎちゃう!」
ユイが敏感であることは間違いなかった。
わたしは身体をずらしてパンティを脱がすと、股間に顔をうずめる。ゆるやかに口を開いた部分に顔面を押しつけ、舌を差し入れながら愛蜜をすする。
「あああん、そこ、やん、もう、ああああん、そんなのダメェ!」
わたしは体勢を入れ替え、ユイの顔面に一物をさらす。モノはすでに大きく固く屹立していて、ユイはそれをほお張っていく。
「ああ……」
今度はわたしが声を漏らしてしまう。
ユイは唇の奥にふくんだまま、舌をうごめかせて絡めてくる。そして、頭を振り、唾液を塗り込め、内頬の粘膜でこすりつける。
わたしはユイの顔にまたがったまま腰を振った。唇をヴァギナのようにあつかわれながらも、ユイは抜き取ろうとはしない。
「むううん、うんん、あん、ユイが、ユイがしてあげる」
いったん身体を離し、わたしはあお向けになった。ユイはベッドの上でひざまづき、脂の乗りきった身体を折り曲げ、ふたたびわたしにしゃぶりついてきた。
一物をつまんで先を手のひらでさすり、サオを舐る。そのまま陰嚢を探り、睾丸をひとつずつ咥える。
視線はずっとわたしに向けられ、潤んだ目で表情をうかがっている。そして天井を向くわたしの先に唇をあてがうと、そのまま根元まで一気に呑み込んでいくのだった。
「おお……」
華麗な顔面にわたしが突き刺さるさまと、ネットリとなめらかなぬめりを感じ取り、わたしは思わず悶絶してしまった。
ユイは首を振りながら頭を上下させていった。ぴちゅぴちゅ、くちゅくゅとイヤらしい音が鳴りひびき、わたしは溜まりに溜まったザーメンを、そのままユイの口に中に放つのだった。
一人暮らしのさびしさにさいなまれ続け、そしてユイとの出会いに感動をおぼえたわたしは、少ない生活費からなんとか捻出してユイを指名した。
ある日のこと、ユイは自分の生い立ちや現状を話してくれた。
聞くところによると、父親が事業に失敗したうえ、事故で寝たきりになったらしい。母親も心労で精神的な病気になってしまい、生活費が足らない。
「だから、こんな仕事してるの」
わたしはユイにあわれみをおぼえ、料金以外に財布の中のカネ、すべてをわたした。
「こんなの……」
「いいから」
ユイはカネを受け取ると涙を流した。
「ありがとうございます。じゃあ、お礼しなくちゃ」
「いいよ、そんなの」
「ううん、そんなのダメ。そうだ、きょうはスマタもしてあげる」
「スマタ?」
「ユイのスマタ、じょうずなんだよ」
ユイはわたしにまたがるとローションを塗り込み、手のひらで一物をおおい、股ぐらにわたしをはさんだ。その感触は挿入をはたしているようだった。
「あああん、こすれて気持ちいい」
「オレもだよ」
「ねえ、大人のお付き合い、していいですか」
「え?」
「本当はダメなんですよ。でも、でも、ユイも気持ちよくなりたい」
わたしをつかんで身体を上下させるユイは、腰を少し前にずらす。その瞬間、肉棒はズニュウリとユイの内部に埋没してしまった。
「ふふふ、入っちゃった」
いたずらな笑みを浮かべるユイ。ユイは小さなヒップを回転させながら、奥へ奥へとわたしを導いていく。
膣内のヌメヌメがわたしをおおい、締めつける。肉粒が細やかに動き、抜き差しするたびに刺激をあたえてくる。
「ああああん、いい、ユイ、気持ちいい。イキそう、ユイ、もうダメ、イッちゃう!」
「オレも出そうだよ、出していい?」
「いいよ、このまま出していいよ」
「このまま?」
「うん、ユイの中に出して、中にいっぱい出して」
「いいのか」
「いいの、ユイ、中で出してもらうのがいいの、あああん、もう、ダメ、イク、イッちゃううう!」
わたしはそのままユイの中でほとばしりを放った。ユイは身体を痙攣させながら、全部を受け止めてくれた。
そんなことがあってから、ユイのことが忘れなくなり、わたしは料金のほかに、いつもいくばくかの金を払い続けた。
しかし、しがないアルバイト生活。すぐにカネは底をついてしまう。それでもなんとか工面し、とうとうふたたび消費者金融に手を出すようになった。
ユイと会いたいがばかりに借金がふくらんでいく。それでも彼女の笑顔を見れば全部を忘れてしまう。
そんなある日のこと、ユイを呼ぼうとして電話をすると、辞めてしまったといわれた。
「しまった!」
気づいたときには遅かった。ユイはわたしから絞りとるだけ絞り取って、どこかへ消えてしまったのだ。
残されたのは多額の借金だけ。自己破産も考えたが、使った金が遊興目的であるため認定も難しいらしい。
わたしは自分の愚かさを感じながらも、日々、取り立てに追われ、自分もどこかへ逃げてしまいたいと思う毎日を送っている。
- 【選者紹介】
- 長月タケオ(ながつきたけお)
- 官能小説家。一般人の中高年男性への取材を通して市井の赤裸々な性のエピソードを紡ぐ。
- 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
- 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
- おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
- 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
- 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
- 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
- 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
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- 誘惑する女 熟女たちの悦楽 長月タケオ短編集
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