Catch Up
キャッチアップ

このコーナーは官能小説家の長月猛夫氏が一般の中高年男性から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味いただければ幸いです。 編集長
【オナニー狂の姉の誘惑】埼玉県在住A・Aさん(56歳)
わたしには3つ年上の姉がいる。名前は恭子。弟の口からいうのもなんだが、若いころは近所でも評判の美人で、友だち連中もわたしのことをうらやましがった。60も間近となった今となっては、かなりバランスも崩れてしまったが、10代、20代のころは長身でやせ型、そのくせバストサイズが大きいという、理想のスタイルをしていた。
しかし、姉にはおおっぴらにできない悪い癖があった。それを知ったのは、わたしが16歳のとき、高校1年の夏だった。
普通のサラリーマン家庭であるわたしの家には、リビング以外にクーラーは備えつけられていなかった。もちろん、姉やわたしの部屋に冷房設備はない。さすがに扇風機はそれぞれ持っていたが、うだるような暑さの夜、2人とも窓を大きく開けて、かすかな涼を求めていた。
両親の寝室は階下にあり、わたしたちの部屋は2階にあった。できたばかりの新興住宅街なので、周囲にはまだ家の数も少ない。
「うん……、やん……」
わたしがベッドの上で雑誌を読んでいると、なにやらとなりの部屋から奇妙な声が聞こえる。まだビデオの普及していない時代とはいえ、深夜の番組などで女性の喘ぎ声くらいは知っている。
「まさか……」
わたしは興味津々で、窓から身体を乗り出し、姉の部屋をのぞいた。
「うん……、はあん」
のぞかれる心配はないと思っていたのだろう。姉はカーテンも閉めず、いたずらな行為にふけっていた。不用心にも灯りは煌々と照らされている。ベッドの上に腰をおろし、下着姿の姉は、自分で股間と乳房をまさぐっている。
白い肌が上気し、かすかに赤く染まっている。白いパンティの中では指がもぞもぞとうごめき、ブラジャーをたくしあげて豊満な胸をわしづかみにしている。わきからこぼれ落ちそうなほど実った乳房は、指の力で形をゆがませ、ポッテリと厚ぼったい唇から切ない吐息がもれている。
「やあん、うん、ああん、もう、あん……」
「恭子、お風呂に入りなさい」
そのとき母の声がした。姉は行為を中断し、返事をする。
「は~い」
「恭子が出たら、明もよ」
その声に姉は窓に目を向ける。
わたしはあわてて、身体を自分の部屋に戻した。瞬間、姉とは視線が合った。その表情には、かすかな笑みがふくまれていた。
姉が風呂からあがったという母の声で、わたしは浴室に向かった。姉は下着の上にパジャマをはおっている最中だった。
「お先」
姉はいった。
わたしはついさっきの光景を思い出し、バツが悪くてうつむいてしまう。
「あれ? 明、変なにおいがする」
「え! え?」
「ふふふ、ウソよ」
のぞきから自分の部屋に戻ったわたしは、姉の痴態を思い返し、自分を慰めてしまった。まさか、それくらいのことで精液のにおいが付着しているとは考えられないが、指摘されるとそれなりの衝撃を受ける。
「ねえ、明」
「なんだよ」
「お風呂できれいになったら、わたしの部屋にいらっしゃい」
姉はそう言い残して浴室を去った。わたしは不安をおぼえながら、風呂場に入り湯船につかった。
わたしは努めて平静を装い、姉の部屋へ入った。
「姉さん、なんの用?」
「いいから」
パジャマ姿の姉はベッドに腰かけている。
「見たでしょ」
「え?」
「わかってるのよ。わたしのイヤらしいとこ、見たでしょ」
図星の指摘に、わたしは何もいえない。
「どうだった?」
「な、なにが」
「わたしのエッチなところ見て、興奮した?」
姉はいたずらな笑顔を浮かべながらたずねる。わたしに返す言葉はない。
「部屋に戻ってから、なにしたの?」
「なんにもしてねえよ」
「ウソ、オナニーしたんでしょ」
ふたたび言葉を失う。
「イヤらしいわね、お姉ちゃんの裸見て興奮するなんて」
「なんだよ。窓も閉めずにあんなコト……」
「して見せて」
わたしの抗弁を聞かず姉はいう。
「わたしの前でして見せて」
「なにを」
「オナニー」
姉の顔から笑みが消える。わたしは思わず、その表情を見つめてしまう。
「バカなこと……」
「見せてよ。わたしの、見たんだから明も見せて」
「ヤだよ」
「じゃあ、もう一度、わたしのを見せてあげる」
姉はいうが早いか、着ているものを上下脱ぎ捨て、下着姿になった。わたしはうろたえながらも視線をそむけることができない。
「ちゃんと見ててね」
ベッドの上に腰をおろし、大きく両脚をひろげて股間をまさぐる。最初はパンティの上から部分をさすり、そして直に触っていじくりはじめる。
「あん……、うん……」
右手はヴァギナ、左手は乳房。ブラジャーが役目を終え、鎖骨のあたりまでずりあげられる。
ハリのある乳肉と桜色の乳首。うっとりとひとみを閉じ、何度も舌なめずりをくり返す。
わたしは姉の行為を止めることができなかった。というよりも、そのときの光景と雰囲気に、早くも股間がうずき、勃起を果たしていた。
「どう? 興奮する? お姉ちゃん見てどう? イヤらしいお姉ちゃん、きらい?」
自ら肉体を愛撫しながら、淫靡な表情で姉はたずねる。
「明も興奮してきたでしょ? いいのよ、シテいいのよ。お姉ちゃん見て、シテいいのよ」
姉から許しを得たからという訳ではない。わたしは本能のおもむくまま、股間に手を伸ばす。
「見せて。明の、見せて」
姉はわたしをベッドに引きずりあげた。そして、ズボンとトランクスをおろすと、いきり立った肉棒を握りしめる。
「すごい。明、もう大人だね」
「ね、姉さん……」
「舐めてあげる」
姉はいきなりわたしをほお張った。わたしはなめらかで温かい感触に悶絶する。
「いいの? 気持ちいいの? ここはどう? ここは?」
舌を絡ませ、グジュグジュと首を振りながら姉はたずねる。わたしは我慢の限界をおぼえ、そのまま姉の口の中に吐き出したのだった。
「うん、おいしい」
姉は口の中に残った粘汁を指でもてあそびながらいった。
「今度は明の番よ」
姉は身につけていたものを全部脱ぎ捨て、股間をさらけ出した。まだ童貞だったわたしに、剥き出しの陰部は強烈な刺激をあたえてくれる。
「舐めて」
少しの躊躇はあった。けれど、姉の機嫌を損ねることが怖くて、わたしはむしゃぶりつく。
「やああん、あん、いい、気持ちいい!」
肉ビラをかき分け、舌を伸ばして中をさぐる。あふれ出る愛液をすすり取り、陰毛の中に鼻をうずめる。
「ああんん、やあん、ダメ、あんあん、ダメダメ、感じ過ぎちゃう!」
部分が十分濡れそぼると、姉はわたしを押し倒し、馬乗りになる。そのときのわたしは、すでに復活を遂げている。
「初めて?」
「うん」
「じゃあ、教えてあげる」
姉はわたしの手を乳房にいざなった。
「どう? やわらかいでしょ。もっと力を入れていいのよ。もっと強く揉んでいいのよ」
わたしは両手でわしづかみにする。水を張ったゴム風船のような感触が伝わってくる。
「吸って、おっぱい、もっと吸って」
身体を起こし、乳首を舐める。姉はわたしの愛撫に敏感な反応を示す。
「じょうずよ。やんやん、もう、ああん、ほしい、ほしくなってきた」
わたしをつかむと、姉は腰を浮かして秘部にあてがう。
「ココに入るの。見える?」
「うん」
「ふふふ」
わたしの目を見つめながら姉は腰をおろす。ズニュウリとした感触とともに、わたしが根元まで埋没する。
「あくぅ、く、すごい、大きい、固い」
姉はわたしを締めつけながら、最初はゆっくり、そして次第に早く律動をはじめた。
わたしのペニスが姉の内部を攪拌する。ヌメヌメとした感触とまとわりつく粘膜の動きに、2度目の頂点を知る。
「あああ、姉さん、姉さん」
「出るの? 出ちゃうの? 待って、中はダメ!」
姉は身体をおろし、自分の淫蜜で濡れたわたしを咥える。わたしは、そのままほとばしりを放ち、姉はやはり全部を受け止めてくれたのだった。
その後、何度か関係を持ったが、姉に彼氏ができ、わたしにも彼女ができて終止符が打たれた。
そんな姉も今は孫もでき、平凡なおばあちゃんとなった。もちろん、あのときのことを互いに話すことはない。世間的には忌まわしい行為でも、わたしのとってはいい思い出だと思っている。
- 【選者紹介】
- 長月タケオ(ながつきたけお)
- 官能小説家。一般人の中高年男性への取材を通して市井の赤裸々な性のエピソードを紡ぐ。
- 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
- 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
- おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
- 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
- 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
- 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
- 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
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- 誘惑する女 熟女たちの悦楽 長月タケオ短編集
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