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【中高年の性告白】第191回「大金でセックスを試された高校時代」神奈川県在住S・Sさん(58歳)

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【中高年の性告白】第191回「大金でセックスを試された高校時代」神奈川県在住S・Sさん(58歳)

このコーナーは官能小説家の長月猛夫氏が一般の中高年男性から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味いただければ幸いです。 編集長

【大金でセックスを試された高校時代】神奈川県在住S・Sさん(58歳)

 高校時代はちょっとしたワルだった。長い学ランに太いズボンをはき、肩をいからせて歩いていた。当然、酒やタバコもおぼえ、同じような不良娘とセックスもした。

 夜遊びをおぼえたのもこのころだ。私服に着替え、場末のスナックやバーに仲間でくり出した。ほかの高校とケンカになったこともあるが連戦連勝。地元ではちょっとした顔になっていた。

 とはいうものの、遊ぶにはカネが必要だ。バイトなんかできないし、したくもない。だから、遊ぶカネの調達はもっぱらカツアゲだった。

 その夜もスナックで持ち金を使いはたし、さえないサラリーマンを見つけ、ビルの陰に引きずり込もうとしていた。そのとき、だれかがオレを呼び止めた。

「やめなさい、みっともない」

 その声にオレの矛先は変わる。サラリーマンを突き飛ばして解放し、声の主につめ寄った。

「オッサン、ケガしたくなかったら、出すもん出しな」

 相手は40前後くらいの、身なりのいい男だった。

「出すもの? なんだ?」

「しらばっくれてるんじゃねぇよ、カネだよ、カネ」

「ああ、カネがほしいのか。じゃあ」

 男は上着のポケットから財布を出す。分厚い財布の中には1万円札がぎっしりとつまっていた。

「いくらほしいんだね」

 オレは返答に困る。

「カネがいるんだろ。いくらほしい」

 オレは男の胸ぐらをつかんですごむ。

「全部だ」

「ほお」

「全部出すんだよ」

「よかろう」

 男は財布の中から札を取り出し、オレにわたす。

「これで足りるのか」

 いままで見たことのない大金を手わたされ、さすがのオレも足がすくんだ。

「なんだ、震えてるのか」

「う、うるせえ!」

「イキがっていてもカワイイものだ。で?」

 男は冷たい目でオレを見る。

「カネは払った。さて、どうする」

「え?」

「払ったカネのぶん、何かあるんだろ」

「なんにもねえよ」

「じゃあ、お前は乞食か」

 その言葉にオレは激怒する。

「バカにするんじゃねぇよ!」

 殴りかかろうとしたその瞬間、オレの身体は宙に舞った。そして地面にたたきつけられる。

「どうした、もう終わりか」

「ゆ、油断しただけだ!」

 オレは殴りかかる。けれど、男は器用に体躯をかわす。逆にみぞおちにドスンと1発お見舞いされ、オレはその場で気を失ってしまった。

 目ざめたのは薄暗い部屋のベッドの上だった。ベッドは人間二人が寝転がってもあまりあるほど広く、そしてやわらかだった。

 オレは身体を起こして辺りを見まわす。そのとき、自分がまっ裸だったことにも気づいた。

「お目ざめかな」

 声がする。そこには高そうなロッキングチェアーに座った、あの男がいた。

「なんだよ、オレをどうするつもりだよ!」

「吠えるな。また、強いのを1発くらいたいか」

 この男にはかなわない。カネといいケンカといい、どう足がいても勝ち目はない。そう悟ったオレは、観念して黙ってしまう。

「やっと、おとなしくなったな。じゃあ、払ったカネのぶん、働いてもらおうか」

「働く?」

「そうだ」

 男が話し終わったと同時に部屋のドアが開き、人影が見えた。それは薄いネグリジェを身にまとった女だった。

 女はネグリジェの下に何も着けておらず、乳房のふくらみや乳首、へその形や股間の陰りまではっきりと確認することができた。

 オレはなんがなんだかわけがわからず、ただ、ぼう然とその女を見る。

「妻だ」

 男がぼそりといった。

「これから抱いてやってほしい」

「ええ!」

「いやか? いやならカネは返してもらう」

「いや、その……」

 うろたえているうちに、男の妻だという女はベッドによじのぼり、オレに身体をすり寄せてきた。

 甘い香りがする。男と同じくらいの年齢に見え、肌の白は白く、顔立ちも涼しげでおだやか。それでいて、高校生のオレでもわかる色気がわき立っていた。

 女はそのままオレを抱き、身を任せてきた。オレは女を抱きしめ、男を見る。

「本当にいいんだな」

「ああ、そのつもりで連れてきた」

「この女を抱けば、カネはオレのものなんだな」

「約束する。ただし」

「ただし?」

「満足させることができればだが」

 不良娘相手だが、経験は豊富だし、ヒイヒイ泣かせたこともある。女たちがいうには、オレのは固くてデカイらしい。

「よし!」

 オレは決心し、女をあお向けに寝かし、ネグリジェをはがした。

 あらわれた女の肢体は雪のように真っ白で、艶やかな光沢を放っていた。若い女のようなハリは失われているが、それでもしっとりとしたなめらかさに満ちている。

 オレは盛り上がった女の乳房に吸いついた。女は敏感な体質なのか、それだけで背中を反らせ、甘い声をあげる。乳首を転がし、アソコに手をはわせると、部分はすでにびちょびょに濡れている。

「これだけ感じてるんだ、満足させるなんて簡単」

 オレはそう思って、前戯もそこそこに濡れそぼった部分に突き入れた。

「あああ!」

 声をあげたのはオレのほうだった。

 女の中はミミズのような何かがウネウネと動き、オレの一物に絡みついてくる。そのうえ、窮屈な締まりでオレを包み込み、腰を振りもしないのに、上下にこすりつけてくる。

「あああ、あああ、あ!」

 オレはいとも簡単に達してしまった。それを知った女は大きく息を吐いていった。

「なんなのこれ。活きのいいのを連れてきたってアナタはおっしゃったけど、まったく使いものにならないじゃないですか」

 言葉は丁寧だが辛辣だ。オレの自信はズタズタにされてしまう。けれど、このままじゃ面目丸つぶれだ。

「た、溜まってたんだよ、久しぶりだったから。な、もう一度、チャンスを」

「本当に? 今度はきちんとイかせてくれるの?」

 女は侮蔑をふくんだ目でオレを見る。

「あ、ああ、約束する、もしダメなら、カネは返す」

 そういうと女はニッコリほほ笑み、オレにキスをしてくれた。

 名誉挽回、汚名返上。オレは彼女に伸しかかり、まずは目いっぱいの愛撫をほどこした。耳もとから首、乳房、へそや下腹はもちろん、太ももからふくらはぎ、足の指まで舐めた。

 そのまま、顔をあげて女の部分にむしゃぶりつき、あふれ出る汁をすすってクリトリスをいじる。

「あああん、いい、もう、いやん、はやくぅ」

 女はねだる。けれど、オレはじらす。とはいえ、まだまだヤリたい盛りの10代だ。我慢はすぐに限界に達する。

「もういいだろう」

 そう思ったオレは女の中に挿入した。

「おおおおお!」

 やはり声をあげたのはオレのほうだった。

 興奮した女の締まりは前に増してきつく、中のミミズの蠢きも激しい。そのうえ女が馬乗りになって腰を振るものだから、オレはまた、あっという間に吐き出してしまった。

「もういい、あなたなんてなんの役にも立たない」

 そういい捨てた女は火照った身体を慰めるために、いままでじっとオレたちを見守っていた男にすり寄って行った。

「やっぱりアナタがいいです。もう、ほかの男なんていりません」

「ようやくわかったのか」

 そういって男と女は唇をむさぼりあう。そして女は座ったままの男にまたがり、自分で導き、よがり悶えるのだった。

 オレはカネを返した。男から請求されたのではない。自分から戻した。そして、自信の失ったオレは、女を抱くことはもちろん、ケンカも夜遊びもやめた。

 
  • 【選者紹介】
  • 長月タケオ(ながつきたけお)
  • 官能小説家。一般人の中高年男性への取材を通して市井の赤裸々な性のエピソードを紡ぐ。
  • 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
  • 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
  • おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
  • 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
  • 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
  • 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
  • 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
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誘惑する女 熟女たちの悦楽 長月タケオ短編集
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