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【中高年の性告白】第181回「友人の母親の誘惑」静岡県在住A・Yさん(48歳)

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【中高年の性告白】第181回「友人の母親の誘惑」静岡県在住A・Yさん(48歳)

このコーナーは官能小説家の長月猛夫氏が一般の中高年男性から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味いただければ幸いです。 編集長

【友人の母親の誘惑】静岡県在住A・Yさん(48歳)

 中学校3年の秋、一人の男子が転校してきた。冬の受験を控えたこの時期に珍しいと思ったが、なんでも父親の経営していた会社が倒産し、そのうえ借金苦で自殺。残された転校生と母親は夜逃げ同然で越してきたらしい。

 住んでいるのはわたしの暮らしていたアパートの2軒となりだ。当時、わたしは学級委員長を務めていたこともあって、何かと彼に気を使う。最初は心を閉ざしていた彼も、いつしか親しげに話してくれるようになった。

 そんな彼が交通事故にあったのは、年の瀬も押し迫った十二月のことだった。

 彼は入院し、母親は看病することになるが、しばらくすると彼女は夜にアパートへ戻ってくるようになった。

「本当はつきっ切りでいたいんだろうけど、仕事があるからねぇ。かわいそうに」

 わたしの母は、そんなことをいっていた。

 学級委員で家も近いということもあって、連絡事項が書かれたプリントやクラスメートが分担して記したノートを、わたしは毎日のように運んだ。本来は病院まで届けるべきものだが、入院していたのは自転車で1時間もかかるところにあり、仕方なく母親にことづける形となった。

 彼の母はきれいな人だった。元社長夫人ということもあるのだろうが、生活に疲れていても気品が漂い、どんなときでも化粧を施していた。そしてわたしが部屋を訪ねると、高貴な笑みで迎えてくれた。

 いつしかわたしは、そんな彼女を見るのが楽しみになっていた。

 しかし、クリスマスも終わり冬休みに入ると、友人宅へ通うこともなくなった。わたし自身も受験勉強に忙しくなり、人のことを構っている余裕もなかった。

 友人の母親は、相変わらず仕事の合間を見ては病院へ通い、夜には部屋に戻って朝早く仕事に出かけるという毎日を送っていた。

 それは、わたしが遅くまで机に向かっていた日に起きた。

 両親は早々に眠っていた。わたしは玄関脇にある勉強部屋で、黙々と鉛筆を走らせていた。

 突然、人がドアにぶつかる大きな音がした。自分の部屋ではない。ちょうど、二部屋向うあたりから聞こえる。

 わたしは手を休め、玄関を開け、音のするほうを見た。そこには、友人の母親がひざを折って座り込んでいた。

「大丈夫ですか」

 わたしは駆け寄り、声をかける。そんなわたしに、彼女はあいまいな笑みを向ける。

「だ、大丈夫、ごめんなさい」

 彼女は立ちあがろうとした。しかし、すぐに足がふらつき、しゃがみこんでしまう。

「すぐに救急車を!」

「大丈夫よ、横になればすぐに」

 大げさにはしないで。彼女は目で、そう訴えた。

「ごめんなさい、でも、お願いがあるの」

「なんでしょう」

「わたしを部屋に運んでほしいの」

 わたしは大きくうなずいた。そして彼女の腕を取り、肩にまわす。彼女はわたしに身体をあずけて立ちあがる。その瞬間、乳房が背中に当たった。

 甘い匂いとやわらかな感触。

 わたしは、動揺をおぼえながらも扉を開けて部屋にあがると、折りたたまれていた布団をひろげて彼女を横にした。

「ごめんなさい、わがままいって」

 彼女はあお向けになりながらいった。

「ちょっと疲れちゃって、ひと晩眠れば大丈夫」

「お大事にしてください、オバサンが倒れたら、入院してる……」

「あら、オバサンって呼ぶの?」

 彼女は不満そうにつぶやく。

「オバサンかぁ、そうよね。あなたから見たらじゅうぶんオバサンよね」

 わたしは後悔した。年上の女性だから単純にそう呼んだだけで、たしかに彼女の風貌や雰囲気は「オバサン」に似つかわしくない。

 髪の毛を整え、化粧を濃くし、ドレスを着せれば、どんなパーティーでも注目を浴びるに違いない。

 クラスメートとは違う大人の雰囲気、母親たちとは異なる優美さ。

「ごめんなさい」

 わたしは素直に謝った。

「あら、どうして謝るの?」

「だって、失礼なことを」

「失礼なんかじゃないわ。わたしももう40歳。じゅうぶんオバサンよ」

 彼女は自嘲気味にいう。

「でもね、こんなオバサンでも寂しいときはあるの。だって、寝るときは一人ぼっち。だれかに慰めてほしいなぁって思うの」

 中3のわたしには、彼女の言葉の意味がよくわからなかった。けれど、彼女の醸し出す独特の雰囲気に、腰の辺りが落ち着かなくなる。

「寒くない?」

 彼女はたずねる。

「あ、ストーブ」

 わたしは、かたわらにあった電気ストーブのスイッチを入れようとする。

「ダメよ、ストーブなんかじゃ心まで温まらない」

 そういって彼女はわたしに手を伸ばす。

「ねえ、お願い、温めて」

「え?」

「15歳?」

「はい」

「男になるには、じゅうぶんな年齢よ」

 その後のことはあまりおぼえていない。気がつくと、わたしは全裸になって布団の上に寝転がっていた。

 背中には、いままで彼女の寝ていた温かみが残っている。そして目の前には、衣服を脱ぎ擦れた彼女の姿。

 明りは消されていない。寒いはずなのに冷気は感じない。

 彼女は妖しい目でわたしを見つめ、おおいかぶさってきた。

「何もしなくていいの。あなたを楽しませて」

 唇が重なる。舌がねじ込まれる。ぬるりとした感触が全身を敏感にさせる。

 彼女はわたしの首筋を舐り、そのまま胸板、みぞおち、腹、下腹。そして、大きくそそり立っていた一物を咥えた。

「ふううん、ううん」

 やわらかさと温度と粘りが伝わり、わたしは早くも頂点をおぼえてしまう。そのまま、なすすべもなく彼女の口の中に放出してしまう。

「うん……」

 吐き出したザーメンを、彼女は1滴残らず飲み込んでくれた。

 それでもわたしの一物は力を失うことはなかった。彼女はよろこびを満面にたたえ、馬乗りになって導いてくれる。

「あああん、入った、入ってる!」

 舞い踊るように身体を上下させ、腰を前後左右に振る。わたしの手を取って乳房に誘ってくれる。

 天にも昇る心地よさ。人は、女性は、こんなにも温かくてやわらかいものなのか、と実感する。

「ああああん、だめぇ、イク、やん、イッちゃうう!」

 彼女は達した。それと同時に、わたしも大量のほとばしりを放ったのだった。

 そのときは快感に打ち震えたが、冷静になると罪悪感にさいなまれた。

 何も襲いかかったわけでもなく、彼女から誘ってきたのだし、夫を亡くした身なのだから問題はないはずだ。

 しかし、なんといっても友人の母親。そして、歳も離れすぎている。

 わたしは恐れた。けれど、身体は一度おぼえた快感を忘れようとはしない。その日を境にして、彼女もわたしの顔を見ると誘惑してくる。

 わたしは忸怩たる思いをかかえながら、彼女の部屋に通う日々を送った。

 年が明け、しばらくすると友人が退院してきた。それと同時に、わたしと彼女との関係も終わりを告げた。終わったというよりも、終わらざるを得ない状況になったのだ。

 それでも彼女は、何度かわたしを誘惑しようとした。アパートではなく、別の場所での行為を求めた。さすがのわたしも、そこまで道をはずすわけにはいかなかったし、受験の追い込みも断る理由となった。

 やがて卒業式を迎え、わたしは高校生、友人は入院が原因の遅れもあってか、進学を断念し一足早く社会人となった。それと同時に、友人と母親はアパートを引き払った。

 その後、彼と彼女には会っていない。どこでどうやって暮らしているのかもわからない。同窓会があっても、彼は顔を見せない。連絡先すらわからない状態である。

  • 【選者紹介】
  • 長月タケオ(ながつきたけお)
  • 官能小説家。一般人の中高年男性への取材を通して市井の赤裸々な性のエピソードを紡ぐ。
  • 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
  • 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
  • おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
  • 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
  • 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
  • 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
  • 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
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