Catch Up
キャッチアップ
このコーナーは官能小説家の長月猛夫氏が一般の中高年男性から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味いただければ幸いです。 編集長
【風俗嬢になっていた元担任教師】神奈川県在住H・Mさん(45歳)
20年ほど前の話だ。いまはさほどでもなくなったが、当時は風俗にハマっていて、まだはじまったばかりのデリバリーをよく利用していた。小汚い箱ヘルの一室より落ち着くし、交渉が上手くいけば本番も可能なところが気に入っていたからだ。
本番をさせてくれるのは、人気のある若い女の子より30過ぎの熟女のほうが可能性は高かった。だから、その日も年上の人妻を指定した。
30代前半の理知的な美人というと、受付の男は「うってつけがいます」とはずんだ声でいった。何がうってつけなのかわからないが、とにもかくにも、しばらくラブホテルの部屋で待っていた。
「こんにちは、わたしで……」
あらわれた女が、そういいかけたとき、彼女の表情はこわばった。それはオレも同じだった。
「先生……」
オレはポツリとこぼす。
「いいえ、わたしは」
「先生だろ、高校3年のときの担任のY先生だろ!」
彼女はあわててドアを閉めようとする。オレはそんな彼女の手を取り、強引に部屋の中へ引きずり込んだ。
「先生、久しぶりジャン。へえ、今こんな仕事してるんだ」
「ち、違います、人違いです」
「人違いじゃないよ。Y先生だよね。教師辞めたの? それともアルバイト?」
Y先生は黙ってうつむいている。オレは先生の顔を覗き込んでいった。
「認めなよ、先生。なんならさ、晃とか隆志とかにもいおうか?」
オレはむかし仲の良かった同級生の名前を挙げた。
「あいつらさ、先生にあこがれてたからさ、大よろこびだよ。もちろん、オレも先生のこと」
先生は恨めしそうな目でオレを見る。その表情が色っぽく、背筋がゾクゾクしてしまった。
「けどさ、店の人がうってつけっていう意味、わかったよ。だってリアルに現役の女教師ジャン。理知的で美人。まさに先生はうってつけだよ」
もはや観念した先生は、そのまま床の上に崩れ落ちた。
「でもさ、ホント、びっくりだよ。オレさ、高校んとき、毎晩、先生のこと思ってオナニーしたんだよ」
先生は床に座ったまま、オレに顔を見せない。長い髪の毛が垂れて表情を隠している。
身につけたブラウスのボタンは多い目にはずされ、襟元から乳房の谷間がくっきりと見える。ミニのタイトスカートから伸びた長い脚とムッチリとした太ももがスケベ心をあおる。
「あこがれの先生とさ、これからできるだなんてうれしいよな」
「フェラだけよ」
先生は消え入りそうな声でいう。
「いいよ、最初は口でいいよ。でも」
「でも?」
「なんてたって先生が相手だもんな。2発でも3発でも自信あるよ。なんなら延長してあげようか」
その言葉に先生は顔をあげ、わたしを見る。
「本番させてくれっていうの」
「もちろん」
「禁止されてるわ」
「黙ってればわかんないよ」
「わたしはいやよ」
「どうして? むかしの教え子だから?」
「だれでも一緒。危なくなると電話で運転手、呼ぶわよ」
「いいよ。でもさ」
すきを見て、出たばかりのカメラ付きケータイで先生の写メを撮る。驚いた先生の表情はすごくセクシーだった。
「どうしようかな、この写メ。まずは晃だな」
オレはメールで送る真似をする。
「やめて!」
先生はオレに飛びかかる。その勢いを交わし、オレは先生を羽交い絞めにする。
「ウソだよ。でも、これからオレのいうこと聞かないと送信だよ」
耳元でささやく。すると先生は小さく一度だけ頷いた。
シャワーも浴びずにオレは裸になり、ベッドの上に大の字になった。先生も裸になってオレの上におおいかぶさる。
先生は舌を伸ばして丹念にオレをなぞり、しゃぶる。オレは上半身を起こして先生の髪をかきあげる。先生は目を閉じたままオレを舐り、咥える。
先生の顔面にオレのチ×ポが突き刺さる。高校時代、難しい英文を話していた唇にめり込んでいる。質問に正解するとうれしそうな表情を浮かべてくれ、登下校に挨拶すると華麗な笑みをこぼしてくれた顔に埋没する。
舌はオレの敏感な部分を探り、サオに巻きつき、カリをくすぐる。温かくてぬるぬるした感触がオレを包み、先生が顔を揺らすとすぐに暴発してしまった。
それからオレは先生をあお向けにし、存分に肌を堪能した。もちろんシャワーは浴びさせず、その少し汗臭い身体のすべてを舐る。
キスをするとき、先生は唇を固く閉じ、眉間にしわを寄せていた。
「先生、そんなのじゃお客はよろこばないよ」
そうだ、オレは客なんだ。オレは先生を買ったんだ。
その思いが興奮を倍増させる。
「ほら、口を開けて」
先生はゆっくりと唇を開く。オレはその中に舌をねじ込み、口の中を探る。
左手で手のひらにあまる乳房を揉み、右手で割れ目をさする。先生の部分はじっとりと濡れ、指に粘っこい汁が絡まる。
「先生、口でいやがってみても、ここは……」
指を入れてかき混ぜる。激しく抜き差しすると、クチュクチュといやらしい音がひびく。
オレは顔をずらして、先生の乳房に顔をうずめた。
甘い匂いとやわらかな感触。乳首をふくんで転がすと、敏感な先生はピクンピクンと身体を揺らした。
「先生、きれいだよ。ヤバいよ。オレ、もう我慢できないよ」
ぐぢゅぐぢゅに濡れたオ×ンコをかき混ぜながらいう。先生は、それでも何もいわない。
「先生、挿れるよ」
「約束、守ってね」
先生はようやくそれだけをいう。
「わかってる。オレと先生だけの秘密だよ」
太ももを大きくひろげ、身体を入れる。ふくれあがって我慢汁のにじみ出たチ×ポの先をあてがう。
「コンドーム、着けて」
「いやだよ」
「お願い」
「生でさせてよ」
オレは先生の許しを得ないままに、グイッと奥までねじ込んだ。
先生の中は熱くて狭くて、そしてオレが腰を振るたびに窮屈さは増してきた。とくに入り口の締めつけが強烈で、抜き取る寸前まで腰を引くと、逃がすまいとばかりに挟み込んでくる。
オレは先生の顔を見ながら腰を振る。最初は我慢していた先生も、小さく、やがて大きく声をあげはじめる。
人妻というのに、こんなバイトをしてるくらいだから先生は淫乱だ。オレには本番禁止だといってみても、ほかの客には簡単にヤらせているに違いない。
そう考えるとなぜか無性に腹が立ってきた。
「先生、ムチャクチャにしてやるよ、先生もそれがお望みなんだろう」
「違う、やさしく……」
「なにいってんだよ、この淫売女!」
オレは先生の両脚を目いっぱいひろげ、大きく高くかかげると、ガスガスと腰を打ちつけた。その体位にも飽きてくると、今度は四つんばいにしてうしろから責める。
ベッドのまわりには鏡が貼りつけてあった。オレは先生の顔を鏡で見る。
「ほら、先生、目を開けなよ。鏡に映る自分を見ろよ」
先生は目を開けない。
「見ろよ、見たくないのかよ、じゃあ、こうしてやるよ」
後から入れたまま先生の身体を起こす。後背座位になって先生の脚をひろげ、オレが突き刺さっているところを見せつけた。
「ほら、先生、入ってるの見えるだろ。むかしの生徒がさ、先生を見てセンズリこいてた生徒のチ×ポが刺さってるの」
その言葉に興奮したのか、先生はゆっくり目を開けた。
その瞬間、先生は壊れた。
すごい勢いで身体をねじり、オレを倒すと馬乗りになる。そのまま腰を前後左右に振り、タプタプと乳房を揺らし、髪を乱して悶え喘ぐ。
「うううん、いいい、気持ちいい、やああん、だめぇ、いい!」
背中を逸らし、胸を張る。白い肌は桜色に染まり、汗が吹き出て艶やかになる。
オレはそんな先生を見ながら頂点をおぼえた。このまま出してやろうかとも思ったが、ちょっと味気ない。
攻守交替。オレは先生を仰向けに寝かし、正常位で貫く。
「先生、イキそうだよ、オレのザーメン、受け止めてくれよ」
その言葉に、悶え狂っていた先生は冷静さを取り戻した。
「ダメ、中はダメ、外に出して」
「もう、我慢できねぇよ」
「ダメダメ、飲んであげるから、中はやめて」
「先生、出る……」
「ダメー! やめてぇ! 中には出さないで!」
必死でオレを押しのけようとする先生。けれどオレは、先生の子宮口が感じられるほど突き刺すと、そのままドクドクと吐き出した。
その後、もう1回先生を犯してその日は別れた。もちろん、最後も中出しだ。
だが先生と会えたのは、その日が最後だった。数日後に先生を指名しても、店の受付は辞めたといった。
店を変えたのか、風俗から足を洗ったのかはわからない。その後の噂によると、離婚をして消息不明となり、同窓会の連絡も届かないらしい。オレのことが原因なら、悪いことをしたと少しは反省している。
- 【選者紹介】
- 長月タケオ(ながつきたけお)
- 官能小説家。一般人の中高年男性への取材を通して市井の赤裸々な性のエピソードを紡ぐ。
- 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
- 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
- おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
- 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
- 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
- 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
- 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
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- 誘惑する女 熟女たちの悦楽 長月タケオ短編集
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