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【中高年の性告白】第178回「熟女に犯された高校時代の思い出」東京都在住T・Mさん(55歳)

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【中高年の性告白】第178回「熟女に犯された高校時代の思い出」東京都在住T・Mさん(55歳)

このコーナーは官能小説家の長月猛夫氏が一般の中高年男性から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味いただければ幸いです。 編集長

【熟女に犯された高校時代の思い出】東京都在住T・Mさん(55歳)

 高校2年のとき、何気なく町を歩いていたわたしに突然声がかかった。声の主を探すと、ベランダから上半身を乗り出した女性だった。

「ねえねえ、アンテナの修理できる?」

 彼女は大声でいう。

「え、アンテナ?」

「そう、テレビの映りが悪いの。アンテナが原因かって思って調べたら、線が切れてるの」

 方向性であるとか、受信の度合いとかいわれるとお手上げだが、アンテナ線をつなぐくらいなら、わたしでもできる。

「よかった、じゃあ、お願い」

 わたしが答えると、彼女はうれしそうにベランダから身を隠す。ほどなくして、わたしが立っていた前の玄関が開き、さっきの女性が姿をあらわした。

「どうぞ」

 うながされるまま、わたしは玄関に入る、そして部屋にあがり、彼女と一緒に2階へ赴いた。

 修理は簡単だった。同軸ケーブルではなかったので、カバーをむいて線をつなぎ、ビニールテープで巻くとテレビは映った。

「よかった、どうしようかと思った」

 彼女はそういって、ジュースをわたしに差し出す。わたしは恐縮しながらも、グラスを口に運んだ。

「高校生?」

「はい」

「どこ?」

「I高です」

「すごい、優秀じゃない」

「いや、それほどでも」

 世間話をしながら、わたしは彼女のようすをうかがった。

 歳は40代といったところか。母親と同世代のようだ。けれど、生活にくたびれたようすもなく、肌にシミやシワも少ない。色の白い肥満体型だが、そのぶん乳房の盛りあがりは大きい。

 ただし、その面相は、お世辞でも美人とはいえない代物だった

「お家は近所?」

「はい、タバコ屋の角を曲がったとこ」

「そうなの。わたし、最近、越してきたところだから、町のことはまだあまり知らなくて」

 そういえば、長くこの家は空き家だった。いつの間にか入居しているようだったが、だれが入ったのかは知らなかった。

 わたしがジュースでのどを潤しているあいだ、彼女は身の上について語りはじめた。

 ついこの前、夫の借金が理由で離婚したこと。親戚が住むこの町へ1か月前に住みはじめたこと。子どもはなく、今はホステスで生計を立てていること。

 酒の飲めない年齢だし、繁華街に足を踏み入れたこともないわたしは、水商売で働く女性を見るのは初めてだった。

 なるほど、近所の主婦とは違った趣がある。

 そんなふうに感じていた。

「わたし、きょうはお休みなの。ゆっくりしていってね」

「え、でも……」

「あら? 何か用事でも」

「いえ、別に」

 わたしは、次第に距離を短くする彼女の態度に不審を感じていた。しかし、むげに逃げ出すこともはばかられる。頃合を見計らって席を立とうと考えていたけれど、彼女はますますわたしに近づいてくる。

 そしてとうとう、彼女の身体はわたしに密着してしまった。

「ねえ、もっとお礼、してあげてもいいのよ」

「え?」

「ふふふ、遠慮しないでね」

 彼女はそういって、いきなりわたしの手をとり、乳房に押しつけた。

「驚かないでもいいのよ。ほら、やわらかいでしょ」

 乳房におかれたわたしの手を、彼女はぐねぐねとまわす。たしかに柔軟ではあるが、突然のことだし、なんといっても母親と同世代。心地よさはあっても、うれしさはおぼえない。

「ほら、じかに触ってみる? ふふふ」

 彼女は着ていたシャツの襟元から、わたしの手を胸乳に誘った。ブラジャーのすき間から直接触れると、なめらかな感触に興奮をおぼえる。

「あら?」

 そんなわたしの股間を見て、彼女は声をあげた。

「こんなになってる」

 わたしの一物は、乳肉の触感で完全に勃起をはたしている。それは、ズボンの上からでもはっきりとわかるほどの怒張である。

 妖しい笑みを浮かべる彼女は、股間にそそいでいた視線をわたしに向け、顔を近づけてきた。

 いきなり唇がふさがれる。わたしは驚愕し、筋肉をこわばらせる。それをいいことに、彼女はわたしをその場に押し倒し、馬乗りになってきたのだ。

「や、やめてください」

「どうして?」

「どうしてって……」

「わたし、若い男の子が大好きなの、だから、だから」

 欲情した彼女はわたしのズボンをおろし、ブリーフをずらし、屹立した一物をふくむ。その粘りと温度に、わたしの神経は鋭敏となる。

「も、もう、我慢できない!」

 叫ぶようにそういった彼女は、自分でシャツを脱ぎ、ブラジャーをはずし、スカートとパンティを一緒におろすと、わたしの下半身にまたがった。

「ちょ、ちょっと、やめて、やめてください!」

 わたしは、あらがいの声をあげる。けれど彼女は容赦しない。そのまま自分の入り口にわたしをあてがうと、一気に奥まで迎え入れたのであった。

 挿入の瞬間はさほど感じなかったぬるみだったが、彼女が身体を揺らすにしたがい、蜜がにじみ出、抽送がスムーズになる。圧力や内部の蠢きなどはあまり感じ取れなかったが、それでも心地いいことに違いはない。

 けれど、そのときのわたしは童貞である。つまり、初めての相手が見知らぬ初対面の女性。しかも、20歳以上も歳が離れている。

 女の子のように、海辺のホテルで愛する人と、といった夢は持っていない。けれども、せめて見目麗しい、年上であっても20代くらいのお姉さまに手ほどきを受けたかったというのが正直なところだ。

 それが、あろうことか近所に越してきたばかりの母親と同世代。しかも、なかば無理やりの行為である。

 とはいえ、失ったものはもとに戻らない。ここは快感のみに身をゆだねようと思った。

 目を閉じ、雑誌のグラビアに登場するモデルや芸能人、あこがれの同級生などを思い浮かべる。しかし、少しでも目を開ければ、自分の上で白ブタ然としたおばさんが、ハアハアと息を吐いて腰を振っている。しかも、鬼のような形相で。

 かいま見てしまうと、いま自分がおかれている現実に打ちのめされる。

 少なくともこの瞬間、わたしはこのおばさんとひとつにつながっている。その思いが興奮を冷まし、おかげで初めてだというのに射精までの時間は長かった。

「あ、あ、あ、あ、ああああ、あうううん!」

 獣の咆哮のような声をあげ、彼女は達した。それと同時にわたしも、彼女の中にほとばしりを放った。

「あなた、すごい、きっと経験が豊富なのね」

 終わった彼女は、そういってわたしにキスをせがむ。わたしは泣き出したい心境をぐっとこらえ、彼女の唇を受け止めるのだった。

 その後、わたしは彼女の家の前を通るのを避けた。用事があっても遠まわりをした。町で偶然見かけても、気づかれないように逃げ出した。

 数日後、友人と連れ立って歩き、話に夢中になって彼女の家に差しかかってしまった。

 わたしはあわててきびすを返そうとしたが、理由をたずねられると答えることができない。二人連れだから大丈夫だろう、とドキドキしながら彼女の家の前にくると、そこは空き家になっていた。

 わたしは安堵のため息を吐く。

「どうした?」

 友人はたずねたが、もちろんわたしは何も答えず、その場を後にしたのだった。

  • 【選者紹介】
  • 長月タケオ(ながつきたけお)
  • 官能小説家。一般人の中高年男性への取材を通して市井の赤裸々な性のエピソードを紡ぐ。
  • 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
  • 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
  • おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
  • 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
  • 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
  • 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
  • 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
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誘惑する女 熟女たちの悦楽 長月タケオ短編集
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