Catch Up
キャッチアップ

このコーナーは官能小説家の長月猛夫氏が一般の中高年男性から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味いただければ幸いです。 編集長
【バージンを奪った姪との再会】神奈川県在住N・Yさん(53歳)
わたしには4つ年上の姉がいる。彼女は早くに結婚し、23のときに長女、つまりわたしにとっては姪にあたる由美を出産した。
それは20年ほど前、わたしが30代半ばごろのことだった。
姉とは違い、わたしはその歳になっても独身だった。高校を出て就職はしたものの、作家になる夢をあきらめることができず、あれこれもっともらしい理由をつけては転職をくり返していた。
そんなわたしだから食うものにも事欠くその日暮らしで、とうとう家賃も払えず、住んでいたアパートを追い出された。
「ホント、アナタって困った人ねぇ。仕方ないわ、しばらくウチに住むといいわ」
姉のだんなは商社マンで、長く海外出張に出かけていた。一軒家に母親と娘、女2人だけでは何かと物騒だ、とでも考えたのだろう。同居を申し出たわたしをすんなりと引き受けてくれた。
その日からわたしは姉の家で暮らすようになった。生活に困らないどころか、だんなからかなり贅沢な暮らしを送れる生活費を手にしている。それでも姉は退屈な時間が我慢できないらしく、昼間は事務のパートに出かけていた。
つまり朝から姉や学生の由美が戻ってくるまで、わたしは豪勢な一戸建てで一人だけの時間を過ごしていたのだった。
そんなある日、由美が早い時間に帰宅してきた。
「なんだか熱っぽくて」
見ればほほが赤まり、目もともぼんやりと焦点が定まっていない。わたしは足もとのふらつく由美を部屋まで運び、薬や濡れタオルを用意した。
夕方になり、姉がそろそろ戻ってくるであろう時間になって電話がかかってきた。姉からだった。
「ごめんなさい。きょう上司の送別会があって遅くなるの」
「由美ちゃん、熱出して寝てるんだけど」
「え! 何度?」
「7度5分」
「なんだ。それくらいなら大丈夫よ。寝てたら治るわよ」
わたしの頭の中には苦しそうな由美の表情が浮かび、姉に対していきどおりをおぼえた。しかし、姉弟といえども徒食の身の居候。文句をいえる立場にない。わたしはそのまま電話を切り、由美の部屋に加減を見にいった。
ノックをすると、か細い由美の声が聞こえた。わたしはドアの前から様子を聞く。
「どう? 少しはよくなった?」
「うん、楽になった」
「入ってもいいかな」
「うん」
わたしはドアを開ける。由美は横たわりながらもわたしを見ると、頼りない笑みを浮かべて迎え入れてくれた。
「ママ、遅くなるって」
「うん、聞こえてた」
「熱は?」
「だいぶと下がったみたい」
体温計を見ると36度8分。わたしは安堵しながら改めて由美を見る。
パッチリとしたひとみに小さな唇。肌の白い由美は愛らしい顔立ちをしていた。
女性にまったく縁のなかったわたしは、由美の面立ちだけで邪な感情をいだいてしまう。
薬の影響なのか、由美の額に汗がにじんでいた。わたしは絞ったタオルでふいてやる。
「気持ちいい」
「ほかにふくとこはないのか?」
「背中」
「え?」
「手がまわらないから」
わたしはその言葉に欲情をおぼえてしまった。
評価を受けたり、活字になったりしたことはないが、作家の卵として自負していたわたしだ。想像力はある。由美の「背中」という一言だけで、彼女の裸身や艶やかな素肌を思い描いてしまう。
しかし、由美は無防備に身体を起こした。
薄いパジャマの上からブラジャーのラインがはっきりと見て取れる。由美は背中を向けたままパジャマの上着を脱いだ。
目もくらむような光景に、わたしはおどおどしながらタオルを当てる。
「キャ、冷たい」
愛らしい由美の声。乳房のふくらみなどは見えないが、なだらかな身体の曲線がはっきりとわかる。
わたしはなるだけ冷静を装い、由美の背中をふいた。だが、わき起こる感情を押さえつけることができない。
「ありがとう。気持ちいい」
「でも、なんだかまた体温があがってきてるみたいだよ」
「裸になったからかな」
「裸」という言葉に、わたしは敏感に反応してしまう。
「こ、こんなときは、か、軽く運動して汗を流せばいいんだ」
「軽い運動? どうするの?」
事実上、母一人子一人の生活なので、姉は甘やかして育てたのだろう。由美は以前から世間に対してうといところがある。そして、男に対しての警戒心も持ち合わせていない。
それはうすうす感じていたことだが、そのときわたしがいだいていた忌まわしい感情が、とうとう確認の行動に走らせてしまった。
「そ、そうだな、由美ちゃんはただ、寝ているだけでいいよ。ボクが手伝ってあげる」
「ホント、ありがとう!」
「い、いや。じゃ、じゃあ、あお向けに」
由美は相変わらずの笑顔で、あお向けに寝転んだ。パジャマの上着は脱いだまま。今度ははっきりと乳房のふくらみも知ることができる。
こんもりと盛りあがった両の柔肉は、つつましやかな色香を露呈させている。わたしは興奮をおさえつつ、由美の胸に手を伸ばした。
「え? え? 何するの」
「い、いや、急に激しい運動をしたら却ってよくないから。こうやってマッサージを」
乳房に手を置き揉みほぐす。由美は不思議そうな表情を浮かべながらも、されるがままになっている。
「ぶ、ブラジャーが、邪魔……」
「とったほうがいいの?」
「え! あ、ああ、できれば全部」
「全部? パンツも?」
わたしはうなずいた。股間はすでに大きくふくれあがり、頭に理性は残されていない。
由美は疑うこともなく全部を脱ぎ去った。わたしは興奮の極地に至る。
「なんだか寒い」
「それはいけない。そうだ、こんな時にはタンパク質がいいんだ」
「タンパク質?」
「男はね、常にタンパク質をたくわえているんだ。それを飲むと寒くなくなるんだ」
「どうやって?」
もはや常軌を逸していたわたしの思考は、由美に屹立した一物を咥えるよう指示したのだった。
「ココから出て来るんだよ、タンパク質が」
「どうすれば出てくるの?」
「しゃぶれば」
由美は小さな唇を開いてわたしを奥まで飲み込んでくれた。こうなると後先を考えず突き進むだけだ。
わたしは由美の頭をかかえ、腰を振る。根元まで突き刺さる抜き差しに、苦悶の表情を浮かべる由美。その様子が、ますますわたしを淫猥な行動に走らせる。
「あ、あ、ダメだ……!」
わたしは由美の口腔に精液を吐き出した。由美は全部を飲み干してしまう。
「なんだかお腹の中が温かい」
「それがいいんだよ。今度は本番だ」
わたしは由美の脚を開いて陰部をまさぐった。由美は背中をのけ反らせてよがりはじめる。
「やああん、こんなの、だめぇ」
「これがいいんだ。どうだ、身体がポカポカしてきただろ」
「だめぇん、やああん、だめぇ!」
由美の部分は濡れそぼり、ねっとりとした蜜がしたたり落ちてくる。わたしは顔面を押しつけてすすりとり、やがて怒張した一物を突き当てる。
「今度は身体の中にタンパク質を入れてあげる」
「やだ、赤ちゃんできちゃう」
「なんだ、知ってたのか」
「知ってるよ。それくらい」
「風邪を引いてるときは大丈夫なのも?」
「ウソ?」
「ホントだ、それどころか元気になることができる」
「ホント?」
「試してみればいい」
疑うことのない、知識の足りない由美は、わたしのいい加減な性教育を信じた。わたしは由美の身体に挿入を果たす。
「い、痛い!」
「由美はバージンなのか」
「うん」
「じゃあ、よけいに大丈夫だ。それどころか、由美はあした見違えるようにきれいになるよ」
「え? どうして?」
「由美は女の子から女になるんだから」
デタラメを並べ立て、わたしは抽送を繰り返す。そして濃厚なザーメンを由美の内部に放ったのだった。
次の日、由美の風邪は完治した。わたしのおかげだと、由美はいつもの笑顔で感謝してくれた。
しかし、しばらくわたしは気が気でなかった。もちろん、由美が妊娠しないかどうかである。
その不安も消え去ったころ、ダンナが日本に帰って来るとかで、わたしは姉の家を出た。
由美との出来事は、あの日だけで終わったと思っていた。しかし、最近、彼女と出会うきっかけがあった。
由美は大人になっていた。むかしの愛らしさを残したまま、色気のある女に成長している。
「あの時は、いい加減なことをいわれてバージンをあげちゃったわね」
「いや、謝るよ」
「じゃあ、お詫びして」
30を過ぎた由美は人妻になってたのだが、ダンナとは折り合いが悪いらしい。
「あれからだれとつき合っても気持ちよくないの。やっぱり、初めての人がいいのかな?」
「そんなものなのか?」
「だから、たしかめてみたいの」
由美の誘いに乗り、わたしは近親不倫の関係をはじめた。彼女いわせると、やっぱりわたしとは相性がいいらしい。真偽の程は定かではないが、この関係はもうしばらく続くだろう。
- 【選者紹介】
- 長月タケオ(ながつきたけお)
- 官能小説家。一般人の中高年男性への取材を通して市井の赤裸々な性のエピソードを紡ぐ。
- 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
- 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
- おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
- 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
- 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
- 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
- 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
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- 誘惑する女 熟女たちの悦楽 長月タケオ短編集
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