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このコーナーは関西在住の女性ライター・法善寺灯子さんに関西のシニアの皆様の魅力を語っていただくものです。関西流の笑いと人情味溢れるシニアの生き様はきっとこの世知辛い浮世に一筋の光を与えてくれるでしょう。関西のオジ様とオバ様とお爺さまとお婆さまと、おとんとおかんのパワーが皆様の健康とご長寿の活力になることを切に願います。
編集長
【疑心暗鬼「偶然なんて信じない」の巻】
人間、齢を取るほど頑固になる。これは世の常である。この間、ある友人が
「ウチのお母さんが大変やねん」
と愚痴ってきて、そのエピソードがなかなか凄味があったので、ご紹介したい。
友人のお母様は83歳。とはいえ、まだまだ体も心も元気そのもの。気が強く、コロナで家に引きこもっている時も、
「子どものアンタらには迷惑かけん。自分の管理は自分でする」
と豪語。食事に気を付け、ワクチン接種が始まったら自分でサクサク予約を取り……というしっかり者。それだけに「ぼんやりしたこと、ふんわりしたこと」を一切認めない性格なのだそうだ。
自粛期間は、お母様の提案で、朝親子で体温を測るのが習慣になったそうなのだが、友人の平熱は36.5度、お母様の平熱は35.7度。けっこう差がある。
とはいえ人間だもの。同じ体温になる時も当然ある。しかしお母様はその偶然をなぜか受け付けられないのだった。
ある日、2人とも36.4度を記録。するとお母様、「おかしいな。もう一回測ろ」と言い、二人でもう一回計ると今度は二人共36.5度。するとお母様は首をひねり「へんやな。もう一回測ろ」と言い、二人でこれまたもう一回測るとまた二人共36.5度。
これを見て、お母様はあろうことか
「平熱に差がある2人が同じ日に3回も同じ体温になるわけがない。この体温計壊れとる。ほかそ(捨てよう)」
と体温計をゴミ箱にポイしたというのだ! なんとロックな決断!
別の日には、親子で血圧を測り、上の血圧が同じ「122」を記録。すると
「同じ日に2人とも同じ数値の血圧が出るなんて変やし。この血圧計壊れとる」
とまたもやゴミ箱に投げ入れそうになり、さすがに友人が
「そんなことで簡単に体温計と血圧計ポイポイ捨ててどないすんねん。使い捨てか!?」
と阻止したという。
しかし考えてみれば、コロナ禍になるまでは、家族全員で毎日体温を測るなんて習慣は、よほど意識の高い家族以外やらなかったからなあ……。気持ちは分からなくもないが。
【法善寺灯子さんのプロフィール】
関西在住ライター。性別:女性。好物は串カツとお好み焼きのブタ玉。兵庫、大阪、京都、奈良、三重、滋賀などフットワーク軽く駆け回り、愛すべき関西の面白ネタを探す。
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