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キャッチアップ

このコーナーは関西在住の女性ライター・法善寺灯子さんに関西のシニアの皆様の魅力を語っていただくものです。関西流の笑いと人情味溢れるシニアの生き様はきっとこの世知辛い浮世に一筋の光を与えてくれるでしょう。関西のオジ様とオバ様とお爺さまとお婆さまと、おとんとおかんのパワーが皆様の健康とご長寿の活力になることを切に願います。
編集長
【怡然自楽「どんなときもイチビリモード」の巻】
シニアたちは強がる。終戦のゴタゴタと高度成長期の激しい競争を乗り切ってきたプライドがそうさせるのか。
病気に関しても「気合いで治るねん」「ワシの辞書に感染という文字はない。新幹線やったらあるけど!」「だいたいの病気は酒飲めば治るねん。内臓をアルコールで消毒や」と笑い飛ばす人が多い。私の亡き父もそうだった。重度の糖尿病だったが
「目に目を、歯には歯を、糖尿には甘いものを」
とワケのわからない理屈で毎晩アイスクリームを食べ続け、母を泣かせていた。
本当に不思議で仕方がない。なんだろう、あの健康に対する根拠のない自信。とはいえ、関西は基本ビビり気質。昨年からのコロナ禍ではさすがにみなさんガッツリ対策されている。が、口ではまだ意気のいいことを言い、ドヤってるシニア多し。
不織布マスクの上に布マスクをして「ワシは大丈夫や。ぜったいかからん」と自慢する近所のNさん。そりゃそこまで気を遣っていたら大丈夫だ! 私は感心したが、猛暑対策が全然できておらず、汗だく。
「暑さ対策、ちゃんとしてくださいね。お水持ってます?」
と声をかけると
「コロナで死ぬのは嫌やけど、熱中症やったら悔いはない」
とワケの分からないことを言い出した。どういうこと?
ワクチンについても、私の叔父は
「副反応が怖い? オレあと追加10本くらい打てるで。なんならファイザーもモデルナもアストラも混ぜていけるで」
とドヤ顔で言う。なんなのそのヘンな煽り。コロナになる前は北新地のバーに通い詰めていた彼のこと。ワクチンもボトルを入れる感覚なのだろうか。サントリーでもいいちこでもOK、のノリなのか?
私の友人の父親は「科学的には信用していないが、打った安心感でストレスが減りコロナに罹りにくくなるはず」という理由でワクチンを接種。ちょっと信じがたい話だが、
「昔好きだったバーのお姉ちゃんの源氏名と響きが似ている」
ということでファイザーではなくモデルナを選んだそうだ。モデルナに似た源氏名……。多分シルビアじゃないかと私は勝手に推測している。
ノンキに見えるが、本当は誰も不安。自分も周りも気持ちが軽くなるように、話を大きくしているのだろう。ビビりだけど、それを見せたくない関西シニアのプライドの高さ、それはチョモランマの如し。なんでも笑いに変えたい欲深さはマリアナ海溝の如し。
笑顔でイチビリながら、コロナもワクチンもネタにする。ガッハッハとしょうもないギャグを言い、なんとか足を踏ん張り立っている。
さすがである。オジジオババ、イチビリパワーで共に第5波を乗り切ろう!
【法善寺灯子さんのプロフィール】
関西在住ライター。性別:女性。好物は串カツとお好み焼きのブタ玉。兵庫、大阪、京都、奈良、三重、滋賀などフットワーク軽く駆け回り、愛すべき関西の面白ネタを探す。
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