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このコーナーは官能小説家の長月猛夫氏が一般の中高年男性から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味いただければ幸いです。 編集長
【モテモテになった料理教室】神奈川県在住W・Kさん(52歳)
10年前に妻を亡くしてから家事一切は一人娘がやってくれていた。わたしは仕事の忙しさに追われ、何一つ手伝うことはなかった。そんな娘も去年、嫁いでいった。仕方なく、掃除洗濯と料理を自分でまかなうこととなった。
洗濯や掃除は機械がしてくれるし、毎日のことではないので、さほど不便は感じなかった。問題は料理だ。
食べないわけにはいかないので、最初のころはレンジで温めるご飯のパックでしのいだ。おかずは出来合いの惣菜をスーパーで購入する。もしくはコンビニの弁当。
しかし、プラスチックの容器に入った冷たいのでは味気がないし、費用もバカにならない。わたしは自炊を試みる決心をした。
学生時代に独り暮らしの経験があり、調理のバイトをしたこともある。母親の実家は料理屋で祖父は板前。血を受け継ぎ、そのうえもともと手先は器用なほうなので、細かい仕事は得意だ。
久しぶりに包丁を握って本を見ながら煮付けや焼き物をつくると結構楽しい。しかも安くつくし、完成品を自分で味わえるというのも面白い。
これまで趣味らしい趣味を持たなかったわたしは興味をおぼえ、それが高じて料理教室へ通うことにした。
いまは料理の経験のない男性向けのコースがある。そこなら大丈夫だろうと、わたしは気軽に入会した。
いざ入ってみると、女房に先立たれた同輩や、あくまでも趣味でおぼえようとする若い世代、もしくは妻は働き夫が家事をするという逆転夫婦の男もいる。そんな中で、わたしの腕は抜きん出ていたらしく、講師はもう一つ上のコースに入るようにすすめてくれた。
そこで習うのは素人料理ではなく、魚の3枚に下ろし、野菜の飾り切りや下ごしらえまでマスターできる本格的な技術だ。しかも、周りは花嫁修業の娘さんや腕前を上げたい若奥さんばかり。
最初は緊張し、恥ずかしさもおぼえたものの、わたしの器用さを見て生徒たちは何かと話しかけてくれる。50を過ぎて娘のように若い女性たちに囲まれ、わたしは弾むような心持で週に2回行われる講義に通ったのだった。
そんなある日、一人の女性がわたしに声をかけてきた。年のころなら40歳手前。潤んだ目とぽってりした唇が魅力的な人だった。
「今度、家に来て教えてくれません?」
彼女のいうところによると、これまでは家政婦に家事を任せていたらしい。しかし、夫の経営していた会社が倒産。家屋敷を売り払い、賃貸の古びたマンションに越したが、料理は自分でしなくければならなくなった。
「わたし、これまでお料理なんて、まったくしたことがなくて」
それでこの教室に通いはじめたものの、要領が悪く、講師に注意ばかりされる。嫌気が差して辞めようかと思っていたところで、わたしの存在に気づいた。
「どうせなら個人授業、それもやさしい殿方のほうがおぼえやすいし、楽しいでしょ」
授業料も払うと彼女はいったが、たいしたことを教える自信もないので、それは断った。しかし、もとは大金持ちの奥さまだ。気品もあるし、清楚な色気に満ちている。
わたしは若干の下心を持って、彼女のマンションを訪問することだけは承諾した。
会社が休みの土曜日、わたしは食材と自分の包丁を持って彼女の住む部屋を訪れた。彼女はフリルのついたワンピースドレスを身にまとって出迎えてくれる。
部屋に入ると、さすがは元会社社長の住まいだけあって、中は高価な調度品であふれている。
「これでもかなり整理したんですよ」
わたしがほめると、彼女は恥ずかしそうにいった。
「主人は、いまタクシーの運転手をしてますの。帰りが遅くて不規則で。だから、きょうはわたし一人。ゆっくりなさってくださいね」
上目づかいでわたしを見ながら話す元貴婦人。その表情と言葉に、わたしは身体中がかすかに震える興奮と期待を感じたのだった。
上流階級の奥さま向けに、わたしは豪華な洋食を用意した。彼女はわたしに教えをこうはずなのに、横に立って見ているだけ。自分から何かをしようとしない。わたしの手もとを見つめながら、ときおり妖しい笑みを浮かべて視線を向けてくるだけだ。
「とまあ、こんな感じで完成です」
「ステキ。自分でこんな料理がつくれるなんて、感激しちゃいます」
そのままリビングに皿を並べ、二人で味見をすることにした。彼女はワインを抜き、グラスにそそいで乾杯する。
「おいしい! 感動ものです」
料理を口に運んだ彼女はいった。わたしもまんざらではないと思う。
二人はワインをかたむけながら談笑し、やがて全部をきれいに平らげたのだった。
会話の中で、わたしは身の上を話し、彼女も自分のことを話してくれた。
むかしは家政婦や執事がいてかしづいていてくれたこと。財政界のお偉方が集まって、毎日のようにパーティーを開いていたこと。
「それにくらべて、今は……」
「そうですか、わたしのような安サラリーマンにくらべたら」
「お一人で寂しくないですか?」
「寂しくないといえばウソになりますけど」
「わたしは寂しい。主人はほとんど家にいないし」
ワインでほほを赤らめた彼女は、媚びた表情でわたしを見つめる。
「ねえ。料理だけじゃなくて、わたしに男の人を教えてくれません?」
「え?」
「わたし、主人しか知らないんです。でも、それじゃ……」
彼女はそういって立ちあがり、ドレスを脱ぎはじめた。
「どうかしら、わたしの身体。主人一人に独占させるのはもったいないと思いません?」
全部を脱ぎ去り、ショーツ1枚になった彼女の肌は透き通るように白く、艶やかな光沢を放っている。起伏の大きい肢体は熟した色気を放ち、見ているだけで股間が熱くうずきはじめた。
「きょうのお礼、わたしじゃだめかしら」
彼女はわたしのひざにまたがり、唇を重ねてきた。ここまでされて拒絶を示すほど、わたしは堅物ではない。そのまま彼女を押し倒し、久しぶりの快感をむさぼるのだった。
その後、彼女は料理教室を辞めた。その代わり、わたしが個人レッスンを行っている。そのたびに、授業料代わりだといって身体を開いてくれる。また、どこから聞きつけたのか、彼女同様に出張講義を求めてくる女性もいる。その多くが寂しい人妻で、わたしは年がいもなく、枯れることのない性生活を送ることができた。
「どうしたの、お父さん。最近なんだか溌剌してる」
久しぶりに訪ねてきた娘がいう。
「彼女でもできたの?」
「いや、まあ、な」
わたしは最近、調理講師の資格を取って自分で教室を開いてみようか、などと考えている。「芸は身を助ける」というが、その通りだと実感しているこのごろだ。
- 【選者紹介】
- 長月タケオ(ながつきたけお)
- 官能小説家。一般人の中高年男性への取材を通して市井の赤裸々な性のエピソードを紡ぐ。
- 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
- 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
- おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
- 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
- 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
- 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
- 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
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- 誘惑する女 熟女たちの悦楽 長月タケオ短編集
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