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中高年の性告白

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【中高年の性告白】第149回「オナニー姿を従姉にのぞかれた夜」東京都在住Y・Kさん(57歳)

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【中高年の性告白】第149回「オナニー姿を従姉にのぞかれた夜」東京都在住Y・Kさん(57歳)

このコーナーは官能小説家の長月猛夫氏が一般の中高年男性から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味いただければ幸いです。 編集長

【オナニー姿を従姉にのぞかれた夜】東京都在住Y・Kさん(57歳)

 ボクが大学生のとき、叔父の都合で従姉の洋子が同居することになった。叔父は仕事で2ヶ月間、日本を離れるらしい。嫁入り前の娘の一人暮らしも不安なので、我が家にしばらく預けることとなったのだ。

 とはいうものの、洋子はそのとき、すでに25歳。叔父は若いときに叔母と死に別れ、男手ひとつで洋子を育ててきた。そのせいもあってか、かなり甘やかしてきたのだろう。

 グレこそしなかったものの、人づき合いが下手で、掃除洗濯はまったくダメ。高校を出てしばらく事務員の仕事をしていたが、すぐに退職。それからは叔父から小づかいをもらい、気ままな生活を楽しんでいたようだ。

 洋子とボクは長く顔を合わせていなかった。幼いころに遊んだ記憶はあるが、ボクが中学高校ともなると、さほど会う機会もない。それに、人間嫌いの洋子は、親戚に冠婚葬祭があっても、何かと理由をつけて出てくることもなかった。

 とはいえ、従姉といえども若い女の子。久しぶりに見る洋子の姿に、ボクは期待をいだいていた。けれど、簡単な荷物を持ってあらわれた洋子を見て、ボクはガッカリしてしまった。

「しばらくお世話になります」

 ぶっきらぼうに挨拶をするその姿は、長身で痩せ形。背中まで伸びた髪はボサボサで表情を半分隠し、身につけているものもだらしない。そのうえ度のきついメガネをかけ、化粧もしないスッピンだ。

 ボクには歳の離れた姉がいて、すでに嫁いでいた。2階にある姉の部屋はボクの部屋のとなりにあり、当時は物置になっていたので、洋子はそこで暮らすことになった。

 ウチに来てからも、洋子は母の手伝いをするでもなく、部屋にこもって一日中レコードを聴いていた。音がボクの部屋までひびいてきたので、それがわかった。流れてくるのは、森田童子や中島みゆきの暗い曲ばかりだった。

 洋子の姿を見るのは食事のときだけだった。しかし、ボクたち家族が気をつかって何か話しかけても、曖昧な返事をするだけだ。

 そんなある日のこと、大学生でいながら特定の彼女もいなかったボクは、「平凡パンチ」や「プレイボーイ」のグラビアを見てオナニーをするのが日課だった。そのときもボクは、万年床に転がり、ティッシュを用意して自分のペニスをしごいていた。

 すると、なんだか視線を感じた。おかしいと思っても四畳半の狭い部屋だ。だれかがいれば、すぐにわかる。気を取り直して続きをはじめてみたが、どうも見られている気がする。

「気になるなぁ」

 中断してふすま扉のほうを見ると、少しすき間が開いていた。

 暮らしていた実家はかなり古く、建てつけも悪かった。だからふすまをしっかりと閉めても、柱の間にすき間ができる。しかし、両親は階下で暮らしているので、だれかが来れば階段の足音でわかる。

 ボクは下着をあげ、ずれたズボンを手にしたまま立ちあがり、ふすまのほうに向かった。するとガタガタと物音がして、だれかの逃げる気配がする。

「え?」

 扉を開けて周囲を確認しても、人影はない。ボクは少しだけ恐怖をおぼえ、その日はそのまま寝てしまった。

 洋子と同居しはじめて1ヵ月がたった。時間がたっても、洋子の生活は変わらない。

 昼過ぎに起きてきて顔を洗い、用を足し、母が用意した昼食をとると、そのまま自分の部屋にこもる。その次に姿をあらわすのは夕食のとき。このころになると、父も母も、もちろんボクも洋子にあれこれ気づかうことがなくなっていた。

 そんな毎日だったが、一度だけ洋子を見て驚いたことがあった。

 実家の浴室は台所の近くにあった。洋子は恥ずかしいのか、我々が眠りにつくころ、こっそりと残り湯を浴びていた。

 その日、ボクは大学の友人と飲みに出かけていて帰りが遅くなった。喉が渇いたので流しで水をコップにそそぎ、そのまま一気に飲み干した。すると、風呂場に誰かがいるのに気がついた。

 夜も遅いので洋子だろう、とボクは思った。そのときのボクは少し酔っていた。普段なら、あんな不細工女の裸なんか見たくもない、と考えるところだが、そのときは好奇心で風呂場に近づいていった。

 なにぶん古い家なので、風呂の扉も板張りの引き戸。しかも蒸気で形がゆがみ、あちらこちらから浴室の光が漏れている。

 ボクは足音を忍ばせて近寄った。浴室では、洋子が身体を洗っているのか、水しぶきの音がひびいている。

 ボクはすき間のひとつから、そっと中をのぞき込んだ。

「ほう」

 ボクは裸の洋子を見て、思わず感嘆のため息を漏らしてしまった。

 肌は抜けるように白く、艶々していて水滴をはじいている。いつもダボッとした服を着ているので痩せ形だと勝手に思っていたが、案外肉づきはよく、乳房も豊満に実っている。そして、メガネをはずし、髪が濡れて真っすぐになった様子は、十分華麗で扇情的である。

「へえ」

 意外な姿を見たボクは、しばらく洋子の様子を覗き見していた。洋子はボクの視線にも気づかず、髪を束ねて絞ると、ふうとため息をついた。

 最初受けた落胆から、まじまじと洋子の顔を見ることはなかったし、いつも髪の毛で表情を隠しているので風貌もうかがえない。しかし、改めて露わになった面立ちを見ると、目や鼻、唇の造作は、小さいものの端正にまとまり、品のいい顔立ちをしている。

 濡れた髪を背中に垂らし、胸を張って背中を反らす姿は、腰から臀部の曲線と相まって、なんとも色っぽい。

「へえ、意外なもの、見たなぁ」

 ボクはそんな洋子の姿に興奮をおぼえ、下半身のうずきを知った。すると、湯船につかった洋子は、ボクのほうに視線を向ける。

「ヤバイ」

 ボクは気づかれる前に、素早く風呂場の前を離れた。そして部屋に入り、日課のオナニーをはじめる。

 けれどその日は、雑誌のグラビアではなく、いま見たばかりの洋子を思い浮かべて自分を慰めたのだった。

 次の日から、ボクの洋子を見る目は変わった。

 彼女は相変わらずボサボサ髪、だらしない服、そして一言もしゃべることなく日常を過ごしていた。が、あの衣裳の下にはムッチリとした白い肉体があり、髪の毛をかき分け、メガネをはずせば、美麗な容貌が整っている。

 そう思うと、劣情がムクムクとわき起こってきた。

 叔父が帰国する3日前の夜、わたしはいつもどおり、オナニーに没頭していた。

 あれから時々視線を感じてはいたが、気のせいだろうと思っていた。変わったのは、グラビアのモデルに洋子を投影して楽しむことが多くなったくらいのものだ。

 しかし、その日、ボクは強烈な視線を感じ取った。しかも、扉の向こうでハアハアという息づかいまで聞こえてくる。

 ボクはそのとき気づかないふりをして、わざと相手に見せつけるよう、扉の方向に足を開いて勃起する一物を扱いた。すると息づかいはさらに荒くなり、切ない吐息や物音すら聞こえてくる。

 ボクは徐々にふすま扉に近づき、四つん這いになって急に扉を開けた。

「あ!」

 そこには洋子の姿があった。しかも洋子は、自分の股間に手を忍ばせ、自分を慰めていたのだ。

「いやらしいな。従弟のセンズリ見てマンズリかくなんてさ」

 洋子はあわてて自分の部屋に戻ろうとした。けれど、本当の洋子を知っていたボクは、彼女を自分の部屋に引きずり込んだのだった。

「な、なにするの」

 最初の日の挨拶以来、久しぶりに聞く洋子の声だ。

「いや、もっとよく見てもらおうと思ってさ」

「いや、こんなので見たくない」

「どうして、興奮するんだろ。オレがチ×ポをこするのを見て」

 途中だったボクは、勃起したままのペニスを洋子に見せつけた。洋子は顔をそむける。

「見ろよ、ほら」

 ボクは洋子の顔を振り向かせる。その拍子にメガネがはずれ、髪が流れて顔面があらわとなる。

 おびえる洋子を見て、ボクは興奮を禁じ得なかった。そして、そのまま洋子を押さえつけ、服を脱がしにかかる。

「や、やめて……」

 洋子は小さくあらがいの声をあげたが、かたくなな抵抗を示しはしなかった。洋子のだらしない服は簡単に脱がすことができ、ボクの万年床の上には、風呂場で見たときのままの洋子が横たわった。

 ボクは急いでブラジャーをはずし、乳房にしゃぶりついた。

 洋子の乳房はやわらかく、桜色の乳首がピンと直立している。パンティの中に手を入れると、さっきまで自分でいじくっていたこともあって潤いに満ちている。

「あああん……」

 指を入れてかき混ぜると、洋子は切ない声をあげた。ボクはたまらなくなり、自分も裸になると、洋子の最後の1枚をおろした。

 洋子は恥ずかしげに首を横にする。髪の毛が乱れ、乳房にまで垂れかかる。ボクは無我夢中になって洋子の両脚をひろげると、身体を割り入れ、濡れた秘所に突き当てる。

「あ、くぅ……!」

 洋子は唇をかんで、ボクの挿入を感じ取っていた。ヌルヌルした温かい感触が、ペニスを覆いつくす。

 ボクはせわしなく腰を振り、あっという間に果ててしまうのだった。

 次の日からも、洋子は何事もなかったように無言で1日を過ごした。やがて、叔父が迎えに来る日になった。

「長らくお世話になりました」

 洋子は来たときと同じように、ぶっきらぼうに挨拶をして帰っていった。

 それから洋子とは会っていない。彼女はある日突然、作家になるという書き置きを残して家出してしまったらしい。

 その後、まったくの音信不通。叔父は心労のあまり身体をこわし、あっけなくこの世を去った。連絡のつけようもないので、葬儀の席にも洋子の姿はなかった。

 彼女が出奔してしまったのは、ボクの行為に原因があるのか。そういうふうにも考えてみたが、たしかめる術はなかった。

  • 【選者紹介】
  • 長月タケオ(ながつきたけお)
  • 官能小説家。一般人の中高年男性への取材を通して市井の赤裸々な性のエピソードを紡ぐ。
  • 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
  • 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
  • おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
  • 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
  • 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
  • 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
  • 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
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