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中高年の性告白

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【中高年の性告白】第152回「バイブを使った夜に激変した妻」福岡県在住O・Kさん(54歳)

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【中高年の性告白】第152回「バイブを使った夜に激変した妻」福岡県在住O・Kさん(54歳)

このコーナーは官能小説家の長月猛夫氏が一般の中高年男性から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味いただければ幸いです。 編集長

【バイブを使った夜に激変した妻】福岡県在住O・Kさん(54歳)

 20年前に結婚した女房は42歳。わたしよりも一回り離れている。むかしから小柄で色白。舌足らずな声といい、ポッチャリとした体格といい、実年齢よりもかなり若く見られていた。

それは今になっても変わらず、夫のわたしが見ても30代そこそこに見える。一人で街を歩いていると、よく声をかけられると自慢げに話す。

 そんな妻と暮らしていると、友人たちはうらやましがり、さぞ毎日大変だろう、とやっかみをふくんだ同情をしてくれる。もちろん、アッチのことだ。

 結婚した当初は、艶のある肌、豊満な乳房、貫き通せば甲高く応えてくれる声に溺れた。女房はいわゆるトランジスターグラマーで、こんもりと盛り上がった乳房は40を超えた今でも形を崩すことなく、乳首も淡い桜色をしている。

しかし、どんな高級な料理でも毎日となれば飽きてくる。肉ばかり食べていれば魚や野菜が恋しくなるのと同じだ。

 わたしはいつしか女房以外の女に目がいき、ここ最近は会社のOLと不倫関係におちいっていた。不倫相手は20代。モデルのようなスラッとした体型の、色気がムンムンの女だった。

栗色に染めた髪をカールさせ、いつもうわ目づかいで潤んだ視線を向ける。長い手脚に小さな尻、締まった腰に張り出した胸。シャワーを浴びればしずくが玉になって転がり、素肌に光を当てればやわらかい光沢を放つ。そして、包み込んで離さないアソコの締まり具合。

 いくら女房が若く見えるといっても、若い女にはかなわない。わたしは不倫相手との行為に夢中になり、女房とはまったく肌を合わさないようになっていた。

 さすがの女房も、そんなわたしの行動に疑問をいだいたのか、ある日の晩、ポツリとたずねてきた。

「最近、帰りが遅かね」

「ああ、仕事が忙しゅうてな」

 就寝前、わたしはリビングでテレビを見ながらグラスを傾けていた。

「お休みん日も外出ばっかり」

「重役ともなると忙しかばい、つき合い、つき合いでな」

「わたし、なんだか寂しゅうて」

 女房はすねた素振りでいう。その姿が愛らしく思え、わたしも一晩くらいは久しぶりにと思ったが、なにせ不倫相手とは週に2度、多いときは2日おきにホテルにかよっている。

この時も前の晩にたっぷりと楽しんだあとだ。50代も半ばに差しかかると、さすがに辛くなる。

「そうか、じゃあ、今度食事にでも行くか」

「食事だけ?」

 女房はいう。

「ほかに、なんがある」

 わたしは、少し憤りをふくんだ声でいう。すると女房は、唇をとがらせて寝室へ消えていった。

 女房は薄々、わたしが浮気をしているのを知っていたのだろう。しかし、古風なところがあって、むかしから従順な性格だから、問いつめるということができなかったに違いない。

 わたしも女房に、まったく愛情がなくなったわけではない。20年間も連れそった仲だ、情もあるし安心感もある。それに会社役員となった今、定年まであと少しだというのに離婚騒ぎとなっては世間体が悪い。

「とはいうもんの……」

 女房の相手をして、明くる日に勃ちが悪くなっては、せっかくの若い肉体を存分に楽しめない。それにしても、最近は飲む量を超せばたちまち役に立たなくことも多い。

「さてと、どげんしたもんか」

 わたしは、そんなことを思いながらグラスをおき、自分も寝室へ向かった。

 明かりの消された部屋の中で、女房は布団にくるまっていた。わたしもとなりのベッドに入ろうとしたとき、聞き慣れない音が耳に入ってきた。

「な、なんや?」

 ぐぅーん、ぐぅーん、とうなるモーター音。それは、寝ているはずの女房のほうから聞こえてくる。彼女の表情を見ると、苦しそうに表情をしかめ、軽く唇を開けて喘いでいる。

「どげんしたんや!」

 わたしは、女房が身体に不調でもおぼえたのか、と心配になって布団をめくる。するとネグリジェ姿の女房は、あろうことか、バイブレーターを使って自分を慰めていたのだった。

「お、お前、なんを……」

「だ、だって」

 女房はバイブのスイッチを止めて身を起こし、潤んだ瞳でわたしを見た。

「ばってん、なんも、そげなとば使うて」

「知っとおんよ、あんたが若か女んところに通っとおって。わたしも仕返ししてやろうて思うた。ばってん、わたしにそげん勇気はなかし、それに……」

「それに?」

「あんたば裏切れん」

 薄衣をまとった女房は下着を着けていなかった。胸乳の形が透けて見え、横座りになった股間から黒い茂みがのぞく。

女房はわたしを見つめながらバイブを口に運び、舌を伸ばして舐めはじめた。そして大きく胸元をひろげると、乳首の先をこすり、そしてふたたび股間へ。

「ん……」

 あてがったバイブをめり込ませるとスイッチを入れる。うなるバイブは女房の中にめり込み、ウネウネとみをくねらせる。

「や、やめれ……」

 わたしはそういってみたが、女房の淫靡な姿から目が離せない。

 扇情的な肢体をよじり、舌なめずりしながら乳房を揉む。切ない息を吐きながら、わたしを半睡の視線で見つめる。

わたしはその光景を見て興奮している自分を知った。長年一緒に暮らし、女房のすべてを分かっているつもりだったが、こんなにも艶美で妖艶な姿を見たことはなかった。

「お、お前……」

「悔しか、悔しかと。あんたがどこかんメス猫に取られるとが」

「わかった、わかったけん」

「お願い、慰めて、わたしばおいていかんで」

 涙ながらに訴える女房。わたしはぐっと彼女を抱きしめ、何年かぶりに身体を合わせたのだった。

 それからというもの、不倫関係は清算し、わたしは女房一本槍となった。連日の行為や疲労で勃ちが悪いときなんかは、バイブで慰め、歓喜を導き出してやった。

女房はかなり前からバイブの世話になっていたらしく、あの日は勇気を振り絞ってわたしに見せつけたらしい。

「もし、きらわれたらどげんしようっち、ハラハラもんやった」

「バカなことを」

「だってぇ」

 甘えた素振りでしなだれかかる女房。

わたしたちの関係は以前と激変し、甘い夫婦生活を送っている。これもバイブのおかげといえば妙な気分だが、事実だから仕方ない。

 
  • 【選者紹介】
  • 長月タケオ(ながつきたけお)
  • 官能小説家。一般人の中高年男性への取材を通して市井の赤裸々な性のエピソードを紡ぐ。
  • 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
  • 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
  • おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
  • 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
  • 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
  • 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
  • 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
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誘惑する女 熟女たちの悦楽 長月タケオ短編集
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