Catch Up
キャッチアップ

このコーナーは官能小説家の長月猛夫氏が一般の中高年男性から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味いただければ幸いです。 編集長
【万馬券を授けてくれたソープ嬢】神奈川県在住T・Nさん(78歳)
20年近く前、そのころのわしはギャンブルに溺れた生活を送っていた。
当時は小さな中華料理屋を営んでいて、女房と二人三脚で働いていた。子どもたちも独立し、小金も貯まったことだし、そろそろ女房孝行でもしながらゆっくり暮らすかと思っていた矢先、むかしの悪友が訪ねてきた。
「いい話があるんだ」
悪友は投資を持ちかけてきたのだった。
銀行に預けても利子はスズメの涙ほど。若いころの貧乏生活で年金も満足に払っていないから老後には不安がある。それに、最近は客足も遠のいている。
このまま店を続けても、赤字で財産が食いつぶされていくばかりだ。
「上手く行けば1年で2倍、3倍の配当がつく。そうなれば店をたたんでも十分食べていける。いや、贅沢できるってもんだ」
悪友はいう。わしは悩んだ。しかし、悪友は投資先会社の経営者だという男を連れてきた。
服装にはうといわしにも高級だとわかるスーツを身につけ、運転手つきの外車で乗りつけてきた。
「配当はお約束します。万が一のときも元金は補償します」
その言葉にだまされ、わしは貯金の半分以上を男にわたした。
最初のうちは、毎月、それなりの配当金が振り込まれていた。最初は不安がっていた女房もよろこび、いつ、店を閉めようかという相談もしていた。
けれど、3ヶ月が過ぎ、半年もたとうかというころ、ピタリと入金が止まった。
不思議の思って男の会社に電話を入れても通じない。もちろん、悪友もトンズラ。
いつ終えようかと思っていたほどだから、商売にも身が入らず、ショックで女房は寝込んでしまう。治療費と店の赤字を埋めるためにサラ金に手を出し、それを返すためにほかのサラ金に。
借り入れは雪だるま式に増え、その穴埋めにと思いついたのがパチンコだった。
そのころのパチンコは、むかしと違って当たるとデカイ。こう見えても若いころは、そこそこ小づかい稼ぎができるほど腕があった。
それに、ビギナーズラックとでもいうのだろうか、久しぶりに台に座ると面白いように大当たりする。それでしばらくは毎月の支払いをまかなった。
しかし、そうそう幸運は続くわけもなく、今度はもっと当たればデカイ競馬、そして2輪にボート。
借金の返済目的だったギャンブルだが、緊張と当たったときの興奮が忘れられず、のめり込む。その資金調達にまたカネを借りる。
赤字続きの店はたたみ、街金、そして闇金にも手を出す始末。回復していた女房は愛想をつかして出ていってしまう。
わしは独り身になって、それでも博打と借金をくり返した。
そんな生活が長く続くわけもなく、とうとう無一文になった。明日の飯代もなく、家に帰れば取り立てが待っている。自己破産でスッキリしようとも考えたが、遊興目的の借り入れは免責が受けられないらしい。
公園で寝泊まりしながら債鬼の目を逃れ、わしはもはや最後と死に場所を探していた。
そんなとき、公園のごみ箱で拾った雑誌の間に千円札が1枚、はさまっていた。飯でも食おうか、いや、どうせだから最後に好きなパチンコをと、性こりもなく店に入る。すると思いがけない儲けとなり、10万円近い勝ちになった。
これでとりあえず、今月分の利子くらいは払えると思ったが、来月になれば同じことのくり返しだ。どうせ生きていても仕方のない身、思い残すことのないようにパーッと使っちまえ。
そう考えたわしは、久しぶりに酒を飲んで、そのままフラフラと川崎の歓楽街を歩いていた。そんなわしに客引きが声をかけてきた。そこはソープランドの前だった。
「そういえばオ×ンコもごぶさただなぁ」
そう思ったわしは、冥土のみやげにと、その店に飛び込んだ。
あてがわれたのは、明日香と名乗る20代半ば位の女の子だった。目もとの涼しい、日本的な顔立ちをした美人だった。
老いぼれの、帰る家もない小汚い男に、明日香はいやな顔ひとつせず相手をしてくれた。わしはこの世の極楽を味わい、そしてもう思い残すことはないと、有り金全部を明日香にわたす。
「こんなにもらえないわ」
「いや、いいんだ」
「ねえ、お客さん。なにか悩んでない? 明日香で良ければ聞いてあげるわよ」
心配そうな目つきで明日香はいう。わしは、今までだれに話すこともできなかったこれまでを、全部告げる。
明日香は真剣に聞いてくれた。
「そう、それは大変だったわね」
「ああ、けど、もういいんだ。これで思い残すことはない、気持ちよくこの世とおさらばできる」
「そんなこといわない。そうだ」
明日香は、いきなり一物をいごきはじめた。
「おいおい、何を」
「もう1回できる? さっきはゴムつきだったでしょ。今度は生でサせてあげる」
「どうして」
「明日香ね、アゲマンってよくいわれるの。今までつき合ってきた人とか、かよってくれた人は全部、出世したりお金持ちになったり。でもね、ゴムをつけてるとダメみたい」
明日香はしごきながら口でも舐めてくれ、年甲斐もなくわしは勃起する。
「これでいいわね」
直立したわしに明日香はまたがり、腰を振る。ゴムつきでも十分気持ちよかったが、生はやっぱり違う。そのとろけるような感触に、すぐ果ててしまいそうになる。
「イキそう? いいわよ、中に出しても」
「い、いいのか」
「うん、でも、死ぬなんていわないで、うん、お客さんでもエッチした仲だもん。死んじゃうなんて悲しいもん」
わしはそのままドクドクと明日香の中に吐き出した。その瞬間、もう少し生きてみようという勇気がわいたのだった。
店を出たわしは、明日香の言葉が頭に残っていた。
「アゲマンってよくいわれるの」
本当かどうか、たしかめてみたい。ダメでもともと、どうせ全部使っちまおうと思ったカネだ。
わしは一か八か、川崎競馬場のナイターに足を運んだ。
いくつかレースで馬券を買ってみたが、すべて外れ。やっぱりダメかとわしは思った。けれど、次に、その次と馬券を買い求め、そして最終レース。
これでダメならもう終わりだと、わしはとても来そうにない大穴馬券を三連単で買った。
12頭立てダートの1500メートル。ゲートがあがり、馬は一斉に走り出す。そして――。
「当たった……」
わしは身体の震えるのが分かった。配当は88332倍。100円が一瞬にして900万円近い大金に変わる。
あとで知ったことだが、的中させたのはわしをふくめて3人だけだった。
そのカネで、わしは借金をすべて返し、家に戻った。女房にも土下座して謝り、なんとか復縁できた。
実は大穴を当てた次の日、明日香にあって礼をいい、いくらかわたそうとした。けれど、明日香はきっぱり断った。
「そのおカネで人生やり直して。そのほうが明日香はうれしいから」
わしは恥を忍んで泣き崩れ、頭を床に押しつけて礼をいった。
その後、派遣の仕事をし、今はシルバーで紹介された仕事をしながらなんとか生きている。つましいが幸せな日々を実感している。
明日香のことが気になって、女房に黙ってあの店に行ったことがある。けれど、明日香は辞めていた。
わしに生きる希望とチャンスを与えてくれたアゲマンの明日香。今度は自分が幸せになっていてほしいと願うだけだ。
- 【選者紹介】
- 長月タケオ(ながつきたけお)
- 官能小説家。一般人の中高年男性への取材を通して市井の赤裸々な性のエピソードを紡ぐ。
- 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
- 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
- おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
- 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
- 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
- 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
- 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
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- 誘惑する女 熟女たちの悦楽 長月タケオ短編集
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