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中高年の性告白

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【中高年の性告白】第156回「亭主殺しを頼んだ淫乱女」広島県在住U・Rさん(52歳)

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【中高年の性告白】第156回「亭主殺しを頼んだ淫乱女」広島県在住U・Rさん(52歳)

このコーナーは官能小説家の長月猛夫氏が一般の中高年男性から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味いただければ幸いです。 編集長

【亭主殺しを頼んだ淫乱女】広島県在住U・Rさん(52歳)

 その日、わしは一人で飲んでいた。10人も入ればいっぱいの店で、客はわし一人だけ。1時間も過ぎたころだろうか、店の扉が開き客が一人入ってきた。派手なワンピースに身を包み、濃い目の化粧をした水商売風の女だった。

 女はわしと一つだけ席を空けて座りビールを注文する。酔いが進むに連れ、互いに相手のことが気になり、ちらちらと視線を送るようになる。そして、最初に話しかけてきたのは女のほうだった。

「あんた、お一人? よかったら一緒に飲んでくれん」

 わしはまじまじと女の顔を見る。歳は40半ばといったところか。派手な化粧をしているが若いころは美人の部類に入っただろう。いや、歳は取っていても、それ相応の色気があって好感が持てた。

「あんた、奥さんは?」

「3年前に別れた」

「あら、ごめんなさい。でも、こがいな男前と別れるやなんて。贅沢な奥さん」

 杯が進むにしたがって女は饒舌になり、わしも口がなめらかになっていた。女はやがて、自分のダンナに対する愚痴を吐きはじめ、わしはわかったようなフリをしてうなずく。

「あんた、ええ人ね。今晩まだ、時間、ある?」

 子どもたちも成人して親元を離れ、今は気楽な独り暮らし。しかも、明日は日曜日だ。時間はたっぷりとある。

「じゃったら飲み直さん?」

 咄嗟にわしは、だまされているんじゃないか、と警戒した。言葉巧みに誘い出し、知り合いぼったくりバーに連れ込むという、例のやつかと思ったからだ。

「あら、疑うとるの? じゃあ、あんたの知っとる店でええわよ」

 女はいった。それならば、とわしは河岸を変え、近くのスナックへ行くことにした。

 居酒屋を出た途端、女はわしにしなだれかかってきた。腕を絡め、盛りあがった乳肉にわしのひじを押し当てる。

「酔うてしもうたみたいねえ、このまま、どこかで休んでいかん?」

 わしは女を商売女ではないかと訝る。

「カネはないでぇ」

「いやあねぇ、うちはそがいなんじゃないわよ」

「本当か」

「本当よ。なんなら逆に、うちがあんたを買うてもええわよ」

 女は財布を取り出し、中を見せた。そこには1万円札がぎっしりと詰まっている。

 ここまでいわれて引き下がるようじゃ男でない。わしは女に財布をしまわせ、そのまま近くのホテルに足を向けた。

 部屋に入るやいなや、女はわしに抱きついてきた。そしていきなり唇を重ねてくる。わしは素直に応じ、舌を差し入れ、絡める。

 女の身体は肉づきがよく、抱き心地も申し分ない。なんといっても押しつけられる乳の感触が、わしを早くも興奮させた。

 わしは手を伸ばして乳を揉み、ワンピースのスカートをまくってパンティの中に手を入れようとした。そのとき、女はわしの手を押さえ、顔を離して笑みを浮かべた。

「ダメ、続きはベッドの中で。シャワー、浴びてくる」

 女はそういって身をひるがえした。

 女が風呂場から戻ってくると、化粧は薄くなり、最初のけばけばしさは消えていた。バスタオルだけを身体に巻きつけ、胸の谷間が大きく切れ込んで目に飛び込んでくる。

 わしは交代で風呂場に入った。戻って来ると、女はベッドで横座りになり、タバコをふかしていた。むっちりとした太ももがむき出しで、色も艶も悪くない。

「さあ、ここに来て」

 女は自分のとなりを示す。腰にバスタオルを巻きつけただけのわしの股ぐらは、早くも興奮と期待でふくれあがっていた。

「ふふふ、楽しもうね」

 女は甘えた声色でそういうと、わしの一物に手を伸ばしてきた。冷たい指の感触が伝わり、すぐに一物は固くなる。

「すごいわね、ごぶさただから?」

 そのとおりかもしれない。

 女房と別れてから女を抱くのは久しぶりだ。女房とでも別れる何年も前からセックスはしていない。風俗にいくのも億劫だし、一人で行くのもなんだし、生活費に余裕もないから溜まったときには自分で出していた。

「きょうは全部吸い出してあげる」

 女はそうささやいて、いきなり一物に顔をかぶせてきた。

 口を開けて奥まで呑み込むと、そのまま舌をうごめかし、絡みつかせてくる。そして、吸い込みを強めると、首を上下させながら抜き差しをはじめる。

「うん、ふううん、うん、どう? 気持ちええ? もっとようしちゃる。どこがええの?」

「先の裏筋かな」

「ここ?」

 先端の裏側を女は舌先でぬぐい、くすぐる。その感触で、一物はビクンビクンと痙攣する。やがて、女は根元までほお張ると、よだれを垂らしながら首を振る。

 ぢゅぶぢゅぶと湿った音がひびき、ぬるんだ感触がわしをおおいつくす。女は玉袋を舐め、サオを探ると、口だけで吸い込み、頭を揺らす。そして、ときおり上目づかいでわしの顔を見る。

 わしは自分のタオルをはずし、女の胸元に手を伸ばす。すると、女も自分でバスタオルを取り、わしの手を乳房に押しつける。

「ねえん、うちのも舐めて」

 わしはあお向けに寝そべった。女はわしの顔面をまたぐ。女の部分はじっとりと潤み、陰毛の向こうに口を開けた膣ビラを見せつける。

「うぁあん」

 わしがしゃぶりつき、すすりこむと、女は甲高い声をあげてよがった。

「そう、そこ、いい、あああん、もっと舐めて」

 わしがクリトリスやら肉唇やらを舐りまわすと、女も激しくわしにしゃぶりついてきた。頭を回転させ、何度も喉の奥まで吸いつき、縦横無尽に舌をうごめかせる。

「やああん、だめぇ、イキそう!」

「ワシもや。出してええんか」

「ダメダメ、もったいない。中に挿れて」

 女はわしをはずし、今度は自分があお向けになった。わしは女の両脚をひろげ、一物をあてがう。そして、熱を持った膣穴の中にねじ込んでいく。

「やああん! 固い、大きい、奥までたっとるぅ!」

 汗をしたたらせ、肌を赤く染め、女は絶叫した。わしも女の中にぬるぬるした粘膜や熱いやわらかさを感じ取りながら、抜き差しをくり返す。

「お願い、お願い、もう、うち」

「なんや、もう、イクんか」

「うんうん、だって、あんたの、よすぎるんじゃけぇ。やあん、きて、あんたもきて」

「わしは、まだや」

 無遠慮にわしは女をつらぬき通す。女はガクンガクンと身体を揺らし、身をよじる。

「だめぇえ! もうだめぇ! イク、イクイク、あああん、もう、イッちゃううう!」

 女は達した。けれどわしは、なんとか持ちこたえた。わしがまだだということを知ると、女は身を起こしてしゃぶりついてくる。

「お口に出してね」

 女はわしを吸い込み、抜き出した。ツバが泡になってしたたり落ち、首をかしげるとわしの形がぷっくりとほほに浮かびあがる。

「ああ、出る」

「うん、出して、飲ませて、あんたの濃いの、飲ませて」

 わしは女の頭を押さえて腰を揺らした。女は抵抗を示すことなく、わしの動きにあわせてくれる。やがて、わしも我慢の限界を知った。そしてそのまま、女の口の中にザーメンを注ぎこんだのだった。

 それだけでは終わらず、女は2度目をせがんできた。わしは女の身体をいじくり倒しながら復活を待つ。

 女は派手に喘ぎ、悶える。その姿を見ていると、わしのしぼんだ一物はムクムクと勃起する。

 わしは女を抱きあげてひざに乗せ、下から打ち込んだ。女は身体を揺らし、舌なめずりしながら腰を振る。そして、わしが大の字に横たわると、女はまたがって上下する。

「やああん、ステキ、こんなのって」

「わしも、ええ気持ちや」

「あんあん、もう、やあん、イク、きて、一緒にキテ、中に出して」

「ええんか、げにええんか、このまま出しても」

「うん、ええんよ、たっぷり出して、うちの中に、遠慮せんで!」

 女はわしの胸板に手を突いて腰を揺らした。わしはそのまま2回目の射精を迎えたのだった。

 お互い、汗にまみれながらベッドの上に横たわっていた。わしは天井を見上げてタバコをふかし、女はわしの胸の上におおいかぶさっていた。

「また会うてくれん。今度はもっと気持ちようさせちゃるけぇ」

「ええんか、そんなんいうて」

「ええの、その代わり、お願いがあるの」

 女は顔をあげてわしを見た。

「だんなを殺してくれん?」

 わしは吸いかけのタバコを咥えたまま、女の顔を見つめてしまった。

「じょ、冗談……」

「冗談じゃない。もう、あがいな男と暮らすなぁ真っ平なの」

「別れりゃあええじゃろ」

「ダメなのよ、世間体がどうのこうのいうて離婚に応じんの。もちろん、タダってわけじゃないんよ」

「なにがあるっていうんじゃ」

「保険金を半分ずつ山分け。ほいで……」

 女はわしの股間をまさぐり始める。

「うちの身体」

 わしは曖昧な返事をしてその場をしのぎ、携帯の番号やメールアドレスもウソを教えた。もちろん、その後、女から連絡はなかった。

 1ヶ月が過ぎたころ、新聞に女の顔が大きく載っていた。それはあのときの女だった。彼女は別の男に頼んで保険金目当ての殺人を実行したのだ。

「もしも、あんとき……」

 わしが応じていたら、どうなっていたのだろう。

 とにかく、わしはおいしい目だけして難を逃れたというわけだ。女はそんなわしをどう思っているのだろう。案外、わし以外にも夫殺しを持ちかけ、断られた連中は多いかもしれない。そう願うだけだ。

  • 【選者紹介】
  • 長月タケオ(ながつきたけお)
  • 官能小説家。一般人の中高年男性への取材を通して市井の赤裸々な性のエピソードを紡ぐ。
  • 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
  • 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
  • おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
  • 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
  • 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
  • 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
  • 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
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