Catch Up
キャッチアップ
この官能小説は、現在50代から60代の方々の若かりし時代を舞台背景にしています。貧しかったけれど希望に満ち溢れていたあの頃、そこには切なくも妖しい男と女の物語が今よりも数多く存在しました。人と人とが巡り合う一瞬の奇跡、そこから紡がれる摩訶不思議な性の世界をお楽しみください。 編集長
【教え子の母の誘惑】長月猛夫
中山が中学校の教職に着いたのは1960年。戦争が終わって15年経っていたが、敗戦はいまだ色濃く世間に残っていた。
そんな中山の教え子の母親に、昌子という戦争未亡人がいた。
年齢は40歳の手前。女手一つで息子を育てあげた自信に満ち溢れ、たいした食事もしていないはずなのに肌艶も肉付きもいい。小柄で胸の大きい、いわゆるトランジスタグラマーなスタイルの女性だった。
昌子は一人身の寂しさからか、何かにつけては学校に来て、中山にあれこれ相談を持ちかけてくる。その内容は息子の進学に関することだ。
貧乏暮らしなので余裕はないが、どうしても高校にはやりたい。できれば大学にも進ませたい。しかし、参考書などの教材を買うカネがない。けれども、息子にみじめな思いはさせたくない。
「なんとかならないでしょうか、先生」
中山は公的な援助が受けられる制度を教え、もしくは薄給の中から些少のカネを融通したりもしていた。
中山がそこまで昌子に入れ込むには理由があった。
昌子の子どもが優秀だったこともある。このまま中卒で終わらせるのはあまりにももったいない、というのが理由の1つだ。そしてもう1つは、中山は昌子の色香に惑わされていたのだ。
豊満な乳房に、締まった腰つき。尻の張りも大きい。まぶたの重い目もとが潤み、肉厚のある唇は締まりがゆるい。
色白で声は鼻にかかって甘く、全身から誘惑のオーラが立ちのぼっている。
「じゃ、じゃあ、少ないですが、これを何かの足しに」
参考書を買うという息子の相談にきていた昌子に、中山は百円札を数枚渡す。
「いつもありがとうございます」
昌子は上目づかいで中山を見て、艶然としたほほえみを浮かべた。
教員が個人的に金銭を与えることは許されない。だが中山は、昌子の笑顔を見たいがばかりに、ついつい払ってしまう。
「いつかきっとお礼を」
昌子はそう言って、目を細めた。
そんなある日。中山が宿直の日のことだった。
「先生、中山先生はいますか?」
だれかが宿直室の前で声をかける。聞きおぼえのある女性の声だ。
時刻は夜。まだ5月も終わりの季節だというのに、気温は高く蒸し暑い。扇風機がカタコトと首を振っているが、生ぬるい風を送るだけだ。
ランニングシャツにステテコという出で立ちだった中山は、あわててズボンをはき、扉を開ける。
「すいません。こんな遅くに」
入り口に立っていたのは昌子だった。
薄手のアッパッパを着た昌子は、うつむき加減で中山に視線を送る。表情はいつもの艶めかしい笑顔。
中山は、それだけで身体の中心がうずきつつあるのを知る。
「息子から、今日は先生が宿直だというのを聞いて。お食事は?」
「え? あ、はい、もう済ませました」
「そうなんですか。残念、おかずをつくって持ってきたのに」
昌子は、持っていた器にかぶせた布巾を取る。中には魚の煮付けが入っていた。
「こんなことしてもらっちゃぁ」
「お困りですか?」
悲しげな表情で昌子は中山を見る。
「い、いえ、困ることはないんですけど」
「じゃあ、明日の朝ごはんにでも食べてください」
「じゃあ、遠慮なく」
中山は器を受け取る。だが、昌子に立ち去る気配はない。
「あのお、先生」
「はい?」
「少しお邪魔していいでしょうか」
「え?」
「せっかく来たんですから、お話くらいよろしいでしょ」
昌子はほほ笑む。この表情に中山は幻惑され続けてきた。
可能であれば、昌子と深い関係になりたい。そうも願う。だが、自分は教師で昌子は生徒の母親だ。許されることではない。
とはいえ、許されないのは理性でわかっていても、男の本性が求めてしまう。
「え、まあ、少しくらいなら」
「うれしい」
昌子は玄関口に入って扉を閉める。中山は期待をおぼえつつ、昌子を部屋の中へ招き入れた。
麦茶をコップに入れ、中山は脚の低いテーブルの上に置く。
「お気をつかわないでくださいね」
そういいながら昌子は笑みを浮かべ、しなを作って横座りになる。
「いいえ、麦茶くらいしかなくて」
中山はテーブルをはさみ、昌子の向かいであぐらをかいた。
「いただきます」
昌子はちらりと中山に視線を送り、コップを持って口に運ぶ。紅のさされた唇で縁をはさみ、あごをあげて麦茶を胃の中へ流し込む。
微妙にうごめくのどの様子と、飲み込むコクコクという音が中山の神経を過敏にあおった。
「おいしかった」
半分ほど飲み干して、昌子はコップを置く。うっすらとついた口紅の色を、中山は思わず見つめてしまった。
「先生は、おいくつでしたっけ?」
「27です」
「お若いですね」
「いえ」
「たしか独身?」
「はい」
「ご結婚のご予定はあるんですか?」
「いいえ、まったく」
四畳半の狭い空間に二人だけ。開け放たれた窓からは、校庭に植えられたクチナシの香りが甘く漂ってくる。
夜は更け、闇は濃くなり、どこからともなくカエルの鳴き声が聞こえてきた。
「きょうは暑いですね」
「そうですね。扇風機、そちらへ向けましょうか?」
中山は自分のほうに向けられていた扇風機の方向を変えようとする。
「いえ、わたしが先生のとなりに……」
昌子は立ち上がり、中山のとなりに腰をおろした。
緊張が高まる。昌子の妖艶な雰囲気に呑まれ、中山の股間に血液が集中しはじめる。心臓はバクバクと強い鼓動をくり返し、中山は何度もまばたきをくり返す。
「先生、いつも息子がお世話になって」
「それは、担任ですから」
「息子だけじゃない、わたしもお世話になって」
「え?」
中山は昌子の顔を見る。昌子は淫靡な笑みを浮かべる。
「この表情だ……」
つぶやく中山。
「え、なにか?」
「い、いえ」
中山はあわてて視線をそらした。
「ふふふ」
昌子は口角をあげ、鼻から息を漏らす。
「先生のおかげで、息子に問題集を買ってあげたり、参考書を買ってあげたりできます。親としては大助かり」
「それは……、そうですか」
「いつも、お礼をしなくっちゃて思ってるんですよ。でも、なにがお礼になるんだろうって考えて」
「気にしないでください」
「先生」
昌子は中山の太ももに手を置く。
「きょうは先生によろこんでほしい」
「よろこぶ……」
中山はふたたび昌子の顔を見る。
「粗末なものだから、よろこんでもらえるかどうかわからないけど、わたしにできることっていったら」
昌子は身体をすり寄せ、顔を近づける。中山は驚きつつも、こばむことができない。
「先生、キスしていいですか」
「いいえ、それ……」
拒絶の言葉を口にしようとした瞬間、昌子は顔を押しつけ、中山の唇をふさいだのだった。
わずかな時間であるのは確実なのに、中山は口づけの時間が長く感じられた。それほどまでに、雅子の与えてくれた感触は官能的で、男の欲情を惑乱させるには十分過ぎた。
顔を離した昌子は、右手の親指で唇をぬぐい、おもむろに立ちあがる。
「夫を戦争で亡くしてから、だれにも触れさせたことのない身体です。若くはないけれど、同じ歳の誰よりも崩れていないと思います」
そういいながら、昌子は着衣を1枚1枚脱ぎはじめる。中山は、ただ黙って見あげるしかない。
「先生、わたしにできることといえば、これくらい。おかずは食べられなくても、わたしなら大丈夫でしょ」
ブラジャーをはずして両腕で胸をかくす。それでも豊満な乳肉は、こぼれ落ちそうなくらいにはみ出している。
下着ははいたままだ。
「お、お母さん、落ち着いて、やめてください」
その間に正気を戻した中山は、昌子を制する。
「あら、先生はわたしのことおきらい?」
「いや、そういうわけでは……」
「じゃあ、遠慮なさらずに」
昌子はしゃがんで中山にしなだれかかってくる。手は胸からはずされ、押し当てられた中山の腕に乳房の柔らかさが伝わってくる。
「お、お母さん……」
「昌子って呼んでください」
中山のふくらみつつあった股間が、より膨張を果たしてしまう。それを昌子は勘づき、手を伸ばしてさする。
「先生も、こんなに……」
「いや、それは……」
「したくないんですか?」
「……、でも、こんな場所で」
「場所を変えればいいんですか?」
「そんな問題じゃなくて……」
「もう、じれったい!」
業を煮やした昌子は、いきなり中山のズボンとブリーフを脱がし、汗にまみれた一物をしゃぶった。
「や、やめてください!」
「やめていいんですか? けど息子さんはこんなに元気」
「それは……」
「わたしの息子もお世話になったんですから、先生の息子さんもお世話します」
つぶやきながら舌を絡めてくる昌子。暑さに蒸せる部屋の中で、甘酸っぱいにおいが充満し、中山の理性も劣欲に根負けしてしまった。
「ああ、昌子さん」
「うんん、先生もさわってください」
昌子は中山の手を自分の陰部にいざなった。部分はすでに潤いを帯び、ねっとりとした蜜が絡みついてくる。
「先生、先生、わたし、もう」
昌子は起き上がり、最後の1枚を脱ぐ。そして、黒々とした陰毛におおわれた秘部を見せつけ、中山にまたがる。
「挿れていいですよね、先生の、わたしの中に」
「は、はい」
「うれしい」
昌子は中山に手をそえ、そのまま膣穴へ埋没させた。
「あ、くう……!」
ぬるりと全部が納まった肉棒に、なめらかな感触と熱っぽい温度が伝わってくる。昌子はそのまま、ゆっくりと腰を振る。
「あああん、久しぶり、先生の、大きい」
中山の上で律動しながら昌子は嬌声をあげた。中山も昌子の胸乳にしゃぶりつき、乳首を転がす。
「やああん、先生、感じちゃう、気持ちいいですぅ」
白い肌が紅潮する。汗がポツポツとにじみ出る。
昌子の内部は窮屈なほど中山を締めつけ、淫汁が2人の下半身を濡らす。
「先生、先生、わたし、もう」
「ああ、昌子さん……」
「イッていいですか、先生、気をやっていいですか」
「昌子さん、わたしも」
「先生もイクんですか。じゃあ、先生、一緒に」
「このままでいいんですか」
「いいです、先生、このままイッてください。このまま、わたしの中に!」
激しく腰をゆすり、唇を重ねあうと、昌子は背中を逸らして達した。中山も身体中の体液がほとばしるほどの精液を放つ。
「あああ、先生……」
崩れ落ちる昌子。中山も、この上ない快感をおぼえ、虚脱とともに心地よい疲労を感じ取ったのであった。
「先生、よかった」
行為を終えた昌子は、チリ紙で股間をふきながらいった。
「でも、先生はお若いんだからまだ、物足りないでしょ」
「いえ、そんなことは」
「まだ、大丈夫です?」
「え?」
「今度は違った形でシテください」
昌子はそういって四つんばいになる。
中山は、もはや拒絶できないし、する気もない。昌子の淫猥なポーズに興奮をおぼえ、そのまま背後からつらぬき通す。
「やああん、気持ちいい!」
体躯を前後に伸縮させながら、昌子は甲高く喘いだ。中山は、まっすぐな背中と、丸々とした臀部、割れ目の頂点にくぼむ尻えくぼをながめ、抜き差しをくりかえす。
2度目の射精を終えると、昌子は帰っていった。
「先生、今度は別のところでゆくっくり」
そう言い残して。
言葉通り、中山と昌子の関係は深まった。人目を避けて落ち合い、町から離れた連れ込み宿で逢瀬を重ねる。
中山は昌子に溺れていった。
中山は独身だ。昌子も未亡人とはいえ、独り身だ。だれに遠慮することもない。弊害があるとすれば、生徒の母親ということだけ。
しかし、結婚すれば問題はない。卒業した女生徒と一緒になった教師もいる。
中山は昌子へのプロポーズを決心した。
「昌子さん、実は」
いつものように旅館で昌子を堪能した中山は、思い切って打ち明けようとする。だが、先に昌子が口火を切る。
「先生、じつは引っ越しするんです」
「え?」
「田舎の親戚のところに。そのほうが子どもにもいいだろうし、生活にも困らないし」
「じゃ、じゃあ……」
「長い間、ありがとうございました。お礼はきょうでおしまい」
昌子は、そういうとさっさと服を着て部屋を出ようとした。
「ま、昌子さん……」
「さようなら。真剣になられると苦しいの」
昌子の息子は、1か月後に転校した。
それが昌子のいうように、親戚の世話になるためなのか、それとも中山との縁を切りたかったからなのか、わからないまま二人の濃密なドラマの幕は閉じられた。
- 【長月猛夫プロフィール】
- 1988年官能小説誌への投稿でデビュー。1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作。主な著作『ひとみ煌きの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)/『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)/『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)ほか。
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