私が川口春奈を「魅力的な女優さんだな」と認識したのは、ご多分に漏れず20年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』で織田信長の正妻・帰蝶役を演じてから。凛とした気品を備えながら、激しい気性を隠し持った帰蝶という難役を沢尻エリカの代役という形ではあったものの見事に演じ切った川口の演技を見て、別の作品での活躍を見てみたいと思うようになった。

　昨秋『極主夫道』（読売テレビ／日本テレビ）でコメディエンヌの片鱗を見せた川口、満を辞して主役に抜擢されたのが現在オンエア中の『着飾る恋には理由があって』（TBS系）。過去に、主演ドラマが低視聴率のために打ち切りとなり、「低視聴率女王」という嬉しくないレッテルを貼られていた川口にとっては、汚名挽回の大チャンスともいうべき機会が訪れたのだ。

　このドラマで川口が演じるのは、インテリアメーカー「el Arco Iris」に広報担当者として勤務する真柴くるみ。企業の宣伝のため、自らインフルエンサーとなって、SNSを日々更新し続けている。彼女の仕事熱心さの背後には、同社の創業社長である葉山祥吾（向井理）への秘めたる恋心があった。

　そんなくるみが、表参道のマンションで、キッチンカーでカレーを作る藤野駿（横浜流星）、オンラインで悩み相談を受け付ける寺井陽人（丸山隆平）、アーティストの卵・羽瀬彩夏（中村アン）、人気フードスタイリストの早乙女香子（夏川結衣）らとルームシェアを始める。

　ある日、葉山が突然、社長を解任され、くるみたちの前から姿を消す。動揺するくるみだが、広報の仕事はきちんとこなしていく。

　精神的なショックを引きずるくるみと駿は急接近。第二回のラストでは、衝撃のキスシーンがあり「二人の仲はどうなっていくのか」に興味が集まる展開となった。

　川口春奈と横浜流星の美男美女カップルは並んでるだけで絵になる。二人はこのまま素直に惹かれあっていくのか、そこに失踪した前社長がどう絡んでくるのか。今後の展開が気になる。

　気になるのは視聴率。初回9.1％、第二回が8.2％といまひとつパッとしない。まあ、打ち切りになるほどひどくはないので、今のレベルを維持し続けて最後まで完走してほしい。

• （文）久慈修人『週刊大衆』専属記者。【Twitter】@SayEach
• （編集）スナイパー神津『週刊大衆』編集部員。【Blog】https://sniperkozu.com/