Catch Up
キャッチアップ

このコーナーは官能小説家の長月猛夫氏が一般の中高年男性から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味いただければ幸いです。 編集長
【アナル挿入をねだった中年人妻】岐阜県在住A・Iさん(60歳)
20年ほど前の話だ。当時、営業マンだったわたしは、外回りを早々に終え、車の中でのんびりと時間を過ごしていた。公園の近くに停めた車の中は差し込む太陽の光でポカポカ暖かく、わたしはなんとなく眠気をおぼえてウトウトしていた。
そのとき、だれかが運転席の窓をたたいた。わたしはハッと我に返る。外に立っていたのは、年のころなら30代半ば、黒いワンピースに身を包んだ人妻風の女性だった。
「いまから家に帰るところなんですけど、財布をなくしちゃって。申し訳ないんですけど、乗せてってくれないでしょうか」
憂いを帯びた切れ長の目に、ポッテリとした唇。色も白く髪の毛も艶やかだ。
「いいですよ。どうせヒマだし」
彼女は笑みを浮かべて車の助手席に乗り込んできた。そして、30分ほどで到着する町の名前を告げたのだった。
車を走らせる途中、わたしと彼女はあれこれ世間話に花を咲かせた。
名前は恵理子。歳は最初の予想通り33歳。初対面であろうと無駄話が得意なのは営業マンの特技だ。最初はおとなしそうにうつむいていた彼女だが、次第に自分の身の上話などを口にしはじめた。
「結婚して6年になるんですけど、主人が最近冷たいんです」
少しかすれた鼻声で恵美子さんは話す。
どんなにほほ笑んでいても、目もとが妖しく潤んでいる。細く切りそろえられた眉毛に、濃い目のルージュが引かれた唇。豊満な乳房をおおうワンピースの襟もとは大きく開き、きめ細やかな素肌があらわになっている。
もう少しで目的地に着くというとき、恵美子さんは突然無口になり、うつむき加減に口を押さえた。
「どうしたんですか?」
「なんだか、気分が悪くて」
しばらく走ると、突然目の前にラブホテルが姿を現した。すると、恵美子さんはわたしのひざに手を置き、しなだれかかってくる。
「少し横になりたいわ」
最初からそのつもりだったのだろう。ダンナがかまってくれないのか、それとももともとそういう性格の持ち主なのか、彼女は確実に発情していた。立ちのぼるメスの匂いでも、それがわかる。
わたしはそのままハンドルを切って、ホテルの駐車場に潜り込んだのだった。
真っ昼間だというのに、まったく日の光が差し込まない一室は、換気扇とエアコンのうなりと軽やかなBGMが流れていた。
暖色系の明かりが灯されると、巨大なベッドがデンと目に飛び込んでくる。この上でこの女を好き放題できるのかと考えるだけで、早くも股間がムズムズうずきはじめる。
「シャワー、浴びてきます」
ソファーに腰かけるわたしを残して恵美子さんは浴室に消えた。
恵美子さんは備えつけのローブを身につけることなく、バスタオルだけで姿をあらわした。乳首ギリギリのところで巻きついたタオルからは、深い胸の谷間がうかがえる。
「じゃあ、ボクも」
わたしはバスルームに向かおうとした。けれど彼女は急に抱きついてきて、胸板に顔を押しつける。
「い、いいの、このままはじめて」
床にしゃがみ込んでわたしのベルトをはずし、ズボンとブリーフを脱がす。いまだ力のこもらない一物をつまみ、いきなり口の中に吸い込んでいく。
舌が敏感な部分をなぞり、絡みついてくる。モノが固く勃起しはじめると、吸い込みを強めながら首を振り、抜き差しをくり返す。
わたしは劣情のおもむくまま、恵美子さんの口から抜き取り唇を重ねた。彼女は舌を伸ばしてわたしの口腔をなぞり、唾を流し込んでくる。
わたしは恵美子さんを抱きしめたまま、バスタオルをはぐ。そしてむき出しになった乳房をわしづかみにし、陰部へ手を伸ばした。
「あああん……」
身をのけ反らせながら、恵美子さんは喘ぎ声をあげた。部分はすでに熱く潤い、純白の肌がうっすらと赤味を帯びはじめる。
わたしは恵美子さんをベッドに運んで押し倒した。軽くバウンドする恵美子さんの肢体は、思い描いていた以上に豊満で艶美な肉欲に満ちている。
こんもりと盛りあがった両の乳房。少し色づいた乳首は小さなブドウほどの大きさで、狭い乳輪もかすかにもふくらんでいる。
締まった腰つき、小さな臀部。恥丘のふくらみをおおう茂みは薄く、全体的に油を塗り込んだような光沢を放っている。
わたしは衣服を全部脱ぎ捨て、恵美子さんにおおいかぶさった。
「あん、やん……」
わたしの性急な愛撫に、恵美子さんは身をよじって声を漏らす。
「いいの、よけいなコトしなくていいの。はやく、はやく……!」
それでもわたしは、求める彼女をじらすように乳首を転がし、素肌を舐め、股間に顔をうずめる。
ゆるく閉じた秘裂はヌルヌルの汁をしたたらせ、ランの花びらのような肉ビラが充血している。
「やああん、ダメェ、感じちゃう!」
愛蜜がにじみ落ち、会陰を伝って菊穴まで濡らす。ムッチリとした両脚が大きくひろげられ、彼女の両手がわたしの頭を押さえつける。
「はやく、はやく、はやくぅ!」
彼女の求めに応じてわたしは身を起こし、一物をあてがった。そして、ズニュウリと奥まで挿入をはたす。
「きゃあん!」
子犬のような声をあげ、恵美子さんはわたしを迎え入れた。温かでなめらかな膣襞が、わたしをおおい蠕動をくり返す。
「あああん、やああん、あん!」
抽送するたびに甲高い喘ぎ声をあげ、悶え、身体を弓なりにする。
「うしろ、うしろからお願い。うしろがいいの、うしろが感じるの」
バックをせがむ恵美子さん。こりゃ、本物の淫乱だとわたしは思い、彼女をうつぶせにして背後からつらぬき通した。
「違う、そこじゃない」
ヴァギナに挿入したわたしに対して恵美子さんはいう。
「そこの穴じゃないの。お尻、お尻の穴……」
彼女は首をねじってわたしを見る。驚きながら視線を合わせるわたしに、恵美子さんは妖しい視線でつぶやいた。
「お、お尻がうずくの……。お尻の穴がいいの」
アナルファックは経験がなかった。本番が禁止の風俗ではそういったプレイがあることを知ってはいたが、わたしに興味はなかった。けれど、いま目の前にいる人妻は、わたしに肛門への挿入を望んでいる。
「わ、わかった」
わたしはそうつぶやくと、彼女の秘部から抜き取り、淫汁でヌラヌラになった一物をかかえ、すぼまった菊門にめり込ませようとする。
「あああん、はやく、はやくぅ……!」
いくら大きく怒張していたとはいえ、狭い肛腔へ突き入れるのには困難を要した。彼女のぬめりだけでは潤滑が足りず、わたしは唾を塗り込み再チャレンジする。
待ちわびる彼女も、尻たぼをひろげて準備を整える。わたしは彼女のアヌスにも唾液を塗り込み、先端をあてがって腰を押しつけた。
「あああああん! やあああん!」
どうにかこうにか挿入を果たしたわたしは、窮屈な内部を感じながら抜き差しをくり返した。彼女は大きく喘ぎ、よがり、髪を振り乱して歓喜に狂っている。
「やああん、やああん! もっと、あああん、もっと、もっとメチャクチャにしてぇ!」
彼女の興奮に呼応して内部は圧力を増し、痛いほどの締まりを感じ取る。わたしは激しく腰を揺らし恵美子さんの直腸をかき混ぜる。
「あああん、あああん、ダメェ、ダメ、イッちゃう、イク、イクー!」
彼女は達した。わたしも同時に射精する。ドクドクとザーメンがそそがれ、抜き取るとドロリとこぼれ落ち、彼女の内股を濡らした。
話を聞くと、ダンナはセックスに淡泊でしかも自分勝手。熟れた身体を一人で慰めるうちに、肛門が感じることを知ったのだという。
「お尻なら妊娠の心配もないし」
最初の妖艶さとは違う、少女のような表情で恵美子さんは恥ずかしそうにいう。
そしてわたしたちは連絡を取り合うようになった。そのたびに恵美子さんアヌスへの挿入をねだる。だが、いつの間にか連絡が途絶えてしまい、恵美子さんと会うことはなくなった。いまはどこでどうやって暮らしているのか、まったく知らない。
- 【選者紹介】
- 長月タケオ(ながつきたけお)
- 官能小説家。一般人の中高年男性への取材を通して市井の赤裸々な性のエピソードを紡ぐ。
- 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
- 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
- おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
- 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
- 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
- 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
- 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
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- 誘惑する女 熟女たちの悦楽 長月タケオ短編集
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