『姉ちゃんの恋人』（フジテレビ系）は、有村架純主演のラブコメディ。「姉ちゃんの」というタイトルからも分かるように、主人公の弟の視点から、姉の恋愛の顛末が語られる。

　有村演じる安達桃子は、女手一つで３人の弟を養う「肝っ玉姉ちゃん」。ホームセンターのホームファッション売り場で働く彼女が、同じホームセンターの配送部で働く吉岡真人（林遣都）と出会ったところから、二人の恋模様がスタートする。

　ホームセンター内で立ち上がったハロウィン〜クリスマスプロジェクトのメンバーに選抜された二人は、急速に接近。似たような価値観を持つ者同士、互いに惹かれあっていくのだ。

　ところが、真人には、過去に婚約者を守るため傷害事件を起こし、刑務所に2年服役していた過去があった。事件をきっかけに、小学校の教師だった両親は教職をやめ、世間の非難に耐えきれなくなった父親は、真人の服役中に自殺しており、そのトラウマから「自分は幸せになってはいけない。他人と関わりを持ってはいけない」という考えを持つようになり、桃子との恋愛にもブレーキがかかってしまう。

　しかし、そんなことで諦める桃子ではない。真人の過去を知っても、なお、一途に真人を想う。果たして、桃子の思いは真人の頑な心を溶かすことができるのか？

　という展開だが、有村架純と林遣都がいかにもお似合いのカップルということもあって、見ている我々も自然と、二人の恋愛を応援しようという気になってくる。

　脚本家の岡田恵和氏が有村とタッグを組むのは、NHKの朝ドラ『ひよっこ』や有村の映画初主演作となった『阪急電車　片道15分の奇跡』など、本作で6作目を数える。有村の魅力や見せ方を熟知した岡田氏の手による今回の脚本、やはりいつも以上に有村が輝いて見えるような気がする。

　相手役の林遣都もまさにハマり役。ちょっと陰のある、そして実は純粋なイケメンを素直に演じている。

　そして、脇を固める小池栄子のキュートな魅力もこのドラマの新しい発見。「小池栄子ってこんな女優さんだったんだ」と改めて感じ入るところも多い。

　クリスマスが終わる頃、彼らの恋愛模様はどのようになっているのか。この先の展開が待ち遠しすぎる！

• （文）久慈修人『週刊大衆』専属記者。【Twitter】@SayEach
• （編集）スナイパー神津『週刊大衆』編集部員。【Blog】https://sniperkozu.com/