9月16日にスタートした松岡茉優、三浦春馬主演の火曜ドラマ『おカネの切れ目が恋の始まり』（TBS系）が、早くも10月６日で最終回を迎える。昨今の連続ドラマがたった4回で終了してしまうのは異例中の異例だが、これは当然、三浦が7月18日に逝去してしまったことによる変則的な措置。全8話予定だったドラマの脚本を大幅に短縮し、三浦の出演シーンをできるだけ取り入れて、ドラマとして成立させるように関係者が尽力した結果だという。「三浦の遺作をお蔵入りさせるべきではない」という制作者の熱い思いでオンエアが実現したのだ。

　東京京都内の中堅玩具メーカー「モンキーパス」に勤務する九鬼玲子（松岡茉優）は、お金の使い方にとことんこだわる「清貧女子」。会社の御曹司で「浪費男子」である猿渡慶太（三浦春馬）と出会い、玲子の実家が経営する民宿「みずよう館」に慶太が転がり込むところから物語はスタートする。

　ところが、この二人、すんなりと恋愛関係に陥るわけではない。玲子には15年間想い続けている「初恋の人」早乙女健（三浦翔平）がいて、他の男性は眼中に入ってこないのだ。第3回で玲子と早乙女が初デート。しかし、早乙女には妻子がいることが分かり、玲子は大失恋。傷心の怜子を明るく慰め、慶太と玲子の新しい恋が始まるというシーンで第3回は終了する。

　残るは1回。玲子と慶太の関係はどうなってドラマが締めくくられるのか興味津々だが、あと1回で終わってしまうのはやっぱり惜しい。

　どう考えても、突然、三浦春馬がいなくなるなんて理不尽だ。というか、このドラマを見れば見るほど、三浦春馬という才能ある稀有な役者をなくしてしまったことの喪失感を強く感じてしまう。玲子に見せる三浦の爽やかな笑顔が眩しければ眩しいほど、失ったものの大きさを考えずにいられないのだ。

　ともかく、「お蔵入り」させずに三浦の遺作を世に出してくれた関係者には感謝せざるを得ない。

　ありがとう、三浦春馬。もっと生きていてほしかった。

• （文）久慈修人『週刊大衆』専属記者。【Twitter】@SayEach
• （編集）スナイパー神津『週刊大衆』編集部員。【Blog】https://sniperkozu.com/