夕やけ大衆の読者の皆さん、スケベ漫画家・成田アキラでございます。

　前回、このコラムでお話ししたのは、極めつけのマゾでもあるM嬢との過激なプレイについてだった。皆さん、その変態ぶりにはさぞ驚いたことだろう。しかし、世の中は広いもので、M嬢以上の変態女性だっているのだ。

　今回は私が出会った中でも屈指の変態女性のことをお話ししようと思う。

　その女性と出会ったのは、ワシの変態仲間であり、片腕のような存在だったSくんが主宰していたスケベパーティーだった。これは高級ホテルの最上階にあるスイートルームを借し切りにして、スケベな男女が集い、語り合ったり乱交する集まりで、定期的に開催されていた。

　そこに来ていたのが、当時売れっ子女性漫画家だったKさん。すごい美人で頭の良い女性だった。彼女は、多士済々な変態が集まっていたスケベパーティーの中でも、有数の変態女性でもあったんだ。

　とにかくKさんは性癖が変わっていた。なんと彼女は吸血鬼だったのだ。

　とは言っても、小説や映画のドラキュラのように、Kさんが夜な夜な血を求めて深夜徘徊し、美女の喉笛に噛みつくわけではない。セックスの時に、相手男性の血を味わいながらプレイするのが好きなのだ。

　数多の変態を見て来たワシもこの性癖には驚いた。Kさんは、ホテルでのパーティーで、出会ったときに、いきなりワシに「血を吸わせてくれる人います？　私、血を吸いながらオナニーやセックスをするのが好きなの」なんて言って来たのだから。

　さすがにワシも驚いたよ。変態としては、「オシッコを飲ませてくれ」と言ってくるマニアは少なくないが、〝血〟だからね。

　結局、この日は彼女のお望み通りのプレイをすることはできなかったんだ。さすがに一般の（とはいっても名うての変態ばかりだが）人がいる前で、血まみれプレイをすることはできないからね。Kさんは少し残念そうではあったけど、集まった人たちと乱交を思い切りして帰って行った。

　その少し後、Kさんから連絡があった。なんでも、彼女の欲望を思い切り全開にしてプレイをしたとの報告だった。その相手はパーティーに来ていた男性(ちなみに彼は女装したニューハーフだったが男性機能はしっかりと残っていた)。彼女は、ちゃっかり自分好みの見た目と性癖を持つパートナーを見つけていたというわけだ。

　その男性とKさんは北海道旅行に行き思い切り血まみれになりなりながらセックスを楽しんだという。

　ワシはそこまで聞いて少し心配になってしまった。血まみれプレイをしたということは出血もかなりあっただろうし、傷だって体に残っているはずだからだ。大量の出血はもちろん、出血させるときに血管を傷つけたり、傷口からばい菌が入ったら後の健康に大きな影響を与えてしまう可能性があるからだ。

　しかし、Kさんは頭の良い女性なだけに、その対策もばっちりだった。旅行に医者を同行させて、出血させる際もメスで安全に行い、傷口のケアもしっかりとやっていたというのだ。

　売れっ子漫画家であるKさんは、自分の性癖を満足させるために、医者を雇い、変態プレイもOKな(というよりも客の無理が通るうえに守秘義務もしっかりしている)北海道の超高級旅館を予約し、相手の男性の旅費も含めたすべての経費をまかなったのだ。これには間違いなくすごい大金がかかったはず。それができたのもKさんが売れっ子漫画家だからこそだ。

　このときのことを話すKさんの声は、すごく嬉しそうで、性癖を全開にできた喜びで弾んでいたのが印象的だった。

　世の中にはさまざまな性癖を持つ人がいる。しかし、その欲望がマニアックであればあるほど、自分の望んだプレイを心ゆくまで思い切り楽しむことは難しくなる。

　それだけに、Kさんはきっと最高の喜びと快感を味わったことだろう。

　ワシの中でKさんは、出会った中でも屈指の変態であり、そしてマニアックな性癖を実現させた幸せな変態としても忘れられない存在となっている。

成田アキラ先生プロフィール

1945年生まれ。もともとは子供向けの科学漫画を描いていたが。テレクラにハマり180度の方向転換。テレクラで出会った女性との体験漫画を描き始め大ブレイクする。その後も「女と車と温泉」にのめり込み、ついには女性をイカせるテクニック「V筋攻め」まで考案。現在もブログ、ツイッターと幅広く活躍している。スケベで世界を平和にすることを目的とした「日本艶主党」の代表でもある。

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