このコーナーは関西在住の女性ライター・法善寺灯子さんに関西のシニアの皆様の魅力を語っていただくものです。関西流の笑いと人情味溢れるシニアの生き様はきっとこの世知辛い浮世に一筋の光を与えてくれるでしょう。関西のオジ様とオバ様とお爺さまとお婆さまと、おとんとおかんのパワーが皆様の健康とご長寿の活力になることを切に願います。

編集長

【多事総論「関西シニアの選挙の一コマ」】

　皆さん選挙に行きましょう、ピースピース！　とニュースもＳＮＳも盛り上がった、10月31日の衆議院議員総選挙。ハロウィンだったので、仮装して投票に行った若者もいたようだ。楽しもうという精神が素晴らしい。私もそうすればよかった。

　蓋を開けてみれば投票率は５５.９３％で戦後3番目の低水準だったそうだ。エッ、意外！？　私が行った選挙会場は珍しく列ができてたのに。

　さて、大阪は「日本維新の会」が大躍進。私の周りの関西シニアの話を聞いていると、ババたちは維新というより吉村さんに肩入れしている。

「吉村さん、コロナのときあれだけ頑張ってくれはったんやもん」

「イソジン？　あれもまあ大阪を考えての勇み足やからセーフセーフ」

「もう、心の孫。私が見守っとかな、心配やし」

　と「彼の姿を見守り隊」がガッツリと応援しているのである。

　しかしババはコワモテには厳しい。同じ維新の松井さんがテレビに映ると

「もうええねん顔怖いねん」

　ちょいちょいコメンテーターで出てくる橋下さんは

「クドい」

　気の毒この上なし……。あまりにも露骨な「オマエはええねん吉村を出せ」状態に、ちょっと同情してしまった。

　ただ、吉村さんは、ジジ人気はさほど高くない。あくまでも私の周りの評価だが。

　知り合いに、愛読書が「ＬＥＯＮ」、尊敬する人はパンツェッタ・ジローラモとショーン・コネリーというものすごくオシャレなシブジジがいるが、彼は特に

「吉村のボンクラ、くそボケウザいんじゃ」

　とコテンパンである。

「なんであんなウラナリにコロッと騙されるんかわからん」

　ボンクラ、ウラナリ……。海外ブランドで身を固め、ちょいモテを気取っているのに、ちょいちょい出てくる単語が昭和である。

　母は、２人のババ友から「○○さんを入れてや！」とそれぞれ別の候補を入れるよう頼まれていた。そして31日の晩、両者から確認の電話がかかってきていた。熱心過ぎる！

　どう答えるのだろう……。すると、母はどちらの電話にも

「頼まれた通り入れといたわよ～」

　と言っていた。さすがである。

　これから世の中良くなるのかどうなるかはまだわからない。

　が、毎日エキサイティングしている関西ジジババにとって、生きやすい世の中になってほしい。頼むよ！

【法善寺灯子さんのプロフィール】

関西在住ライター。性別：女性。好物は串カツとお好み焼きのブタ玉。兵庫、大阪、京都、奈良、三重、滋賀などフットワーク軽く駆け回り、愛すべき関西の面白ネタを探す。