このコーナーは関西在住の女性ライター・法善寺灯子さんに関西のシニアの皆様の魅力を語っていただくものです。関西流の笑いと人情味溢れるシニアの生き様はきっとこの世知辛い浮世に一筋の光を与えてくれるでしょう。関西のオジ様とオバ様とお爺さまとお婆さまと、おとんとおかんのパワーが皆様の健康とご長寿の活力になることを切に願います。

編集長

【多種多様「世の中細かくジャンル分けし過ぎ問題」】

　近年、シニア達を悩ませていることの一つに「世の中細かくジャンル分けし過ぎ問題」がある。

　私も最近、母とババ仲間からその報告を受け、ものすごく共感した。そこで、ぜひこの連載に書いて問題提起をしたいと思った次第である。

　事の発端は、母から、

「化粧水を買ってきて。できれば私のお友達の分も」

　と言われたことである。化粧水？　そんなものドラッグストアで山ほど売っているではないか。皆さんお好みのを選んで買えばいいのに。そう伝えると

「それが問題やねん。山ほどあり過ぎるねん！」

　と半泣きで訴えてくるではないか。

　なるほど確かに……。私もドラッグストアに行き、スキンケア用品の品揃えに仰天することが多い。化粧水一つにしても「保湿高め」「美白系」「さっぱり」「敏感肌用」「自然派」「○○フリー」などなどに分かれ、「化粧水」ではなく「ローション」と書いてあったりもする。

　オー、ドレヲエラベバ、イイノデースカー……。

　体力のないシニアが謎の外国人のように呟いてしまうのも、わからなくはない。

　母をはじめ、８０オーバーのオババ仲間は、この問題に頭を悩ませ

「とりあえずこれさえつけとけばババアの肌も潤う化粧水」

　くらいのドストレートな表記を掲げたスキンケア用品が欲しい、とボヤいているそうだ。

　いやいや、そんなこと言いつつ、シニアはプライドが高いので、本当にそんな表記のスキンケアが出たら「ババア」のところで拒否反応を起こして買わないでしょうが～。絶対！

　ということで、結局私がドラッグストアに赴き、敏感肌用しっとりタイプ化粧水を数本買い、皆さんにお渡しした。

　しかし、買いに行ってつくづく思った。確かに迷う。多過ぎる！！　ジャンルを細かく分け過ぎて、余計にややこしくなっている世界があるなあ……。

　世の中、もっとシンプルになればいいのに。

【法善寺灯子さんのプロフィール】

関西在住ライター。性別：女性。好物は串カツとお好み焼きのブタ玉。兵庫、大阪、京都、奈良、三重、滋賀などフットワーク軽く駆け回り、愛すべき関西の面白ネタを探す。