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2000年に『土曜ワイド劇場』(テレビ朝日系)の単発ドラマとして制作され、その後、2002年からレギュラー放送されているテレビ朝日の人気刑事ドラマ『相棒』シリーズは、早いもので今回オンエアされているもので第19シーズンに突入。現在『相棒19』として放送中。初回、17.9%の視聴率を記録し、その後も高視聴率を続けている。
人気の秘密は、やはり水谷豊(68)演じる杉下右京の人物造形にあるだろう。警視庁特命係に所属する右京は、常に敬語を使う慇懃無礼なキャラクター。切れ者すぎて警視庁内で嫌われ、「特命係」という窓際的ポジションを与えられて、独自の捜査を続けている。この右京とバディを組むのが相棒の冠城亘(反町隆史)。法務省からキャリア官僚として警視庁に出向している優秀な男だ。実は、右京とバディを組むのはこれで4人め(ドラマの設定上は11人目)。過去には、寺脇康文演じる亀山薫、及川光博演じる神戸尊、成宮寛貴演じる甲斐享が相棒役を演じてきたが、2015年の第14シリーズからは、反町で固定されている。
2月17日、第16話は『人生ゲーム』。顔に殴られたアザのある少年と遭遇した右京と亘は「友達を助けてください」と懇願される。少年は同居する父親から虐待を受けていたが、それよりも「犯罪に巻き込まれそうになっている友達」が心配だというのだ。その友達というのが、元和菓子職人の安村剛(今野浩喜)。彼が大槻健太(西興一朗)という悪い仲間に誘われ、誘拐を企てているというのだ。
誘拐されるのが激安スーパーコミネの社長・小峰裕司(鎌倉太郎)の息子・翔太(加藤憲史郎)。実は、この誘拐事件には翔太自身が関わっており、ゲーム感覚で親から大金をせしめようとしていたのだ。
ドラマは、優秀な和菓子職人だった安村が友人の借金を背負って店を手放し転落していった軌跡を丹念に追い、「友達」を助けようとした少年との友情で「改心」するまでを丹念に描いていく。事件そのものよりも「人間」を描こうとするドラマ制作陣の熱い思いが伝わってくる良作だった。
こういう丁寧なドラマ作りを毎回重ねていることがなによりも「相棒」シリーズの強みなのだと改めて感じ入った。
- (文)久慈修人『週刊大衆』専属記者。【Twitter】@SayEach
- (編集)スナイパー神津『週刊大衆』編集部員。【Blog】https://sniperkozu.com/
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