18年『おっさんずラブ』（テレビ朝日系）でブレイク、続編の『おっさんずラブ-in the sky-』も好調だった田中圭が、『おっさんずラブ』の枠だった土曜ナイトドラマに帰ってきたと話題のドラマが『先生を消す方程式』（テレビ朝日系）。もっとも、この枠はこの作品からリニューアルされ、放送時間が50分から30分に短縮されている。それだけに、展開がスピーディーで、あっという間に１話が終わってしまう感覚だ。

　田中圭が演じるのは帝千学園3年D組の新任教師、義澤経男。実は、3年D組の担任は、生徒たちによって、精神的に追い詰められ次々と退職していた。そこになぜか志願して赴任してきた義澤は、生徒からの暴言や暴力に「そういうの嫌いじゃないです」と常に笑顔を絶やさず、独特の方程式を生徒たちに提示する（義澤は数学教師）。

　例えば「賢いと思っている人×力＝馬鹿」、「恋（人生-自分）＝無様」、「人生-友達＝幸せ」などなど。生徒たちはそんな義澤にイラつき暴力を加えるが、大怪我をしながらも教壇に立ち続ける。

　実は、義澤には恋人・静がいるのだが、何者かによって階段から突き落とされ、昏睡状態に陥った。義澤が帝千学園にやってきたのも、その犯人を突き止めるという目的があったからだ。

　犯人の目星はついた。頼田朝日（山田裕貴）という3年D組の副担任だ。頼田は生徒たちをけしかけ、義澤の殺害を計画。裏山で義澤を刺して、埋めてしまう。絶体絶命の義澤。しかし、奇跡が起きる。生徒の施した「ネクロマンシーの秘術」のおかげか、地面に突き刺したナイフに雷が落ちて、蘇生してしまうのだ……。

　実にスリリングな展開の学園ドラマ。田中圭のゾンビのような復活ぶりに唖然茫然。そうこうしているうちにあっという間にドラマが終わってしまう。そんな印象を抱いた。

• （文）久慈修人『週刊大衆』専属記者。【Twitter】@SayEach
• （編集）スナイパー神津『週刊大衆』編集部員。【Blog】https://sniperkozu.com/