Catch Up
キャッチアップ
このコーナーは関西在住の女性ライター・法善寺灯子さんに関西のシニアの皆様の魅力を語っていただくものです。関西流の笑いと人情味溢れるシニアの生き様はきっとこの世知辛い浮世に一筋の光を与えてくれるでしょう。関西のオジ様とオバ様とお爺さまとお婆さまと、おとんとおかんのパワーが皆様の健康とご長寿の活力になることを切に願います。
編集長
関西シニアの恐ろしい特徴。「人類みな(自分の都合のいいときは)兄弟」、これである。自分から書いておいて、思わず1980年代、テレビでガンガン流れた日本船舶振興会のCMで「人類皆きょうだーい!」と叫んでいた笹川会長の顔が浮かんでしまったが、いやいや、笹川会長の話ではない。関西シニアの話である。
隣に人がいれば、とりあえず「あんさん、どっから来ましたん?」と飴ちゃんを渡しつつ話し掛ける。5分後には数十年来の友人レベルで説教するなんて展開もザラである。
先日、こんなことがあった。80の母が、やけにビビッドな装いのマダムと話し込んでいるではないか。ご近所のお友達かな? 後で私が「あれ、誰やったん?」と聞くと、母はこう答えたのである。
「知らん」
オーゥ……(汗)。
が、この程度で固まってはいけない。
私の中でレジェンドとなっているのが、知り合いのババKの大昔のエピソード。
タクシーで渋滞にハマったババK、横の車線に止まっている車の人と窓越しに目が合った。どこかで見たことがあるのだが、どうしても詳しく思い出せない。
まあ、知り合いであることは間違いなかろうと、ババKは窓を開けて、
「お久しぶりー」
と声をかけた。が、お相手は苦笑いして首をひねる。そして窓を頑なに開けない。
「なんやの他人行儀やなー! また近いうちに~」
ババK、大声でツッコミまで入れて窓を閉めた。
そしてその日、ババKは家に帰ってやっと思い出したという。その相手が松方弘樹だったということを……。
思いきり他人やないかい!
芸能人の多くは関西に来るたび、街でシニアの「親戚扱い」の洗礼に遭っているはず。人によっては「アンタ、最近落ち目やで。もっとこうしたほうがエエで」など、どの目線でアンタがそれを言うのか、というアドバイスを放つツワモノもいる。今、渡部なんて大阪に来ようもんなら、大変なことになる。近づかないほうがいい。来ないだろうが!
もし、あなたが大阪に来て説教シニアに遭遇したら、「ホンマそうですわ~」とテキトーに相槌を打っておけばいい。「迷惑です」などと言い返すと、本来30分で済むはずの話が、3時間に延びる。そして同じ話が5周ほど繰り返される。
が、そこに妙な優しさとユーモアも絶対あるので、余計なお世話が欲しい時は、わざと話に巻き込まれるのもアリだ。
【法善寺灯子さんのプロフィール】
関西在住ライター。性別:女性。好物は串カツとお好み焼きのブタ玉。兵庫、大阪、京都、奈良、三重、滋賀などフットワーク軽く駆け回り、愛すべき関西の面白ネタを探す。
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