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中高年の性告白

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【中高年の性告白】第105回「パチンコ屋で持ちかけられた熟女売春」神奈川県在住T・Sさん(59歳)

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【中高年の性告白】第105回「パチンコ屋で持ちかけられた熟女売春」神奈川県在住T・Sさん(59歳)

このコーナーは官能小説家の長月猛夫氏が一般の中高年男性から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味いただければ幸いです。 編集長

【パチンコ屋で持ちかけられた熟女売春】神奈川県在住T・Sさん(59歳)

大学時代、暇つぶしと小づかい稼ぎをかねて、パチンコにはよくかよった。フィーバーが登場し、その後、羽根モノなどが趨勢を極めていたころで、現在のように10万、20万を稼ぐということはできないが、運がよければ数万円を手に入れることが可能な時代だ。

その日も講義をサボり、いつもの店のいつもの席で、タバコを咥えながらハンドルを握っていた。

そんなオレの隣に一人の女が座っていた。化粧が厚く、派手な衣裳を身につけていたが、表情にはどことなく愛らしさの残る、それでいて色気のムンムンの水商売風だった。

「くそ!」

女は最後の玉がなくなると、台をたたいて悔しさをあらわにする。オレはそんな姿をチラリと一瞥し、すぐに自分の台に目を移す。

すると、女がいきなり話しかけてきた。

「お兄さん、調子よさそうだね」

たしかにそのとき、オレはすでにドル箱1杯を足元に置いている。

「ああ、おかげさんで」

「なんだい、つれない言い草だね。女のほうから声かけてるんだから、もうちょっと愛想よくしたらどうだい」

オレは、関係ないだろ、と思いつつ、台から目を離して女を見た。すると女は、オレの顔のすぐそばに自分の顔を近づけている。

オレは驚き、ハンドルを握ったままのけ反ってしまった。

「な、なんだよ!」

「いや、兄さんのさ、運をちょっと分けてもらおうかと思ってさ」

女は笑みを浮かべる。その表情は可憐であるとか、カワイイとかいう次元のものではないが、妙に男心をくすぐる艶美に満ちていた。

「運を分ける?」

「そう」

「玉、分けてほしいの?」

「ううん、そんなのじゃない」

「じゃあ、なに?」

「そうだね」

女はいきなりオレの股間に手を伸ばす。

「な、な、な……!」

「アタシさ、スカンピンになっちゃってさ、きょうの晩ご飯代もなくなっちゃったんだよ。だからさ」

女はオレのふぐりをつかみ、軽く揉みながらいった。

「2万円でいいから」

「え?」

「2万円、恵んでおくれでないかい? もちろん、お礼はするから」

女は耳もとで、そうささやいた。オレは迫る勢いと、股間をまさぐられる感触に負け、黙ってうなずいてしまったのだった。

出玉を全部、現金に換えると、女は待ってましたとばかりに、オレにぶらさがってきた。

腕を絡め、オレのひじを自分の胸に押しつける。動揺しながらも、オレは改めて女の顔とスタイルを見る。

かすかにくすんではいるものの、肌の色は白い。歳は40前後くらいだろうか。胸の盛り上がりは大きく、短いスカートから伸びた脚も、そこそこ形は整っている。

卵型の輪郭の中に納まった目、鼻、口は、小さいながらもまとまりよく配列され、それがかえって熟女の色気を醸し出している。

女はオレを引っ張るようにホテル街へ連れ込み、慣れた足取りで1軒を選ぶ。そのまま玄関をくぐって部屋を選び、エレベーターに乗って中に入ると、さっさとシャワーを浴びにいった。

残されたオレは、ぼんやりと室内を見まわした。

薄ぼんやりとした照明に、巨大なベッド。天井と壁は鏡で覆われている。

恥ずかしい話だが、大学生にもなってラブホテルに入るのは初めてだった。いや、女を抱くのも初めてだ。

「初めてがあれで、しかも売春というのは……」

オレは悔いをおぼえたが、そんなことにこだわっていては、いつになっても童貞は捨てられない。そうも考える。

「まあ、最初はプロのほうがいいともいうし」

そんなことを思っていると、女が浴室から出てきた。

「兄さんも浴びてきなよ」

オレは、その言葉に女を見た。

バスタオル1枚を身体に巻きつけ、ソファーに座ってタバコを咥える。その仕草は、まるでポルノ映画の女優のようで、背筋がゾクゾクするほどの興奮をおぼえ。

シャワーを浴び、女と同じようにバスタオルを腰に巻きつけ、部屋に戻る。女はソファーに座ったまま、ビールを飲んでいる。

「いいよね、ビールくらい」

部屋代も、そのビール代も自分が払うことに気づいたが、それをとがめる根性はない。

「兄さんも飲みなよ」

「いや、オレはいい」

「どうしたのさ、パチンコ屋の勢いがなくってるじゃん」

女はオレの緊張を見抜いたようだ。

「ひょっとして、初めて?」

オレは答えることができない。

「ふ~ん、それは奇遇だ」

女は立ちあがり、薄い笑みを浮かべて近づく。

「じゃあ、目いっぱい気持ちよくしてあげる。おカネ以上にね」

女はそういってひざを折り、オレの前にひざまずくと、いきなりバスタオルを取った。女と場所の雰囲気だけで興奮をおぼえていたオレの一物は、すでに大きく勃起している。

「ご立派。こんなにいいもの持ってんのに、使わなきゃもったいないよ」

上目づかいでオレを見つめ、淫靡な笑みを浮かべた女は一物に手を添え、いきなり大きく深くほお張った。

ぬめぬめとした感触と絡みつく舌のうごめきが、オレを刺激する。

「どう? 先に口に出してもいいよ」

女はそういって激しく頭を振る。オレはその言葉にしたがい、せりあがる精液の塊を爆発させたのだった。

女は全部を受け止め、しかも飲み込んでくれた。

「いい味してるね。やっぱり、初めては違う」

その後、女はオレの手を取ってベッドに誘った。

オレは寝転がる女に覆いかぶさり、バスタオルを取る。あらわれた乳房は形よく盛りあがり、わしづかみにすると指が食い込み、人間の身体でこれほどまでにやわらかい部分があるのか、と驚きすらおぼえる柔軟さを示してくれる。

「いいよ、よけいなことしなくても、すぐに挿れても」

女はいう。それでも陰部に手を伸ばすと、すでにじゅめじゅめとした湿り気に満ちていた。

「あんた咥えて、アタシも気持ちよくなったの」

女は恥ずかしそうにいった。

では遠慮なくと、オレは枕元にあるコンドームを取ろうとしたが、女はそれを制する。

「初めてだろ、生でいいよ」

「けど」

「病気が心配かい?」

「いや、そんなわけじゃないけど」

「じゃあ、生で挿れて、そのまま出していいよ」

女の目は慈愛に満ちていた。もし、こんな出会い方でなければ、愛しさをおぼえてしまうかもしれない、と思ったほどに。

オレはもう、後先を考えることなく、女の中にぶち込んだ。女は身をくねらせてよがり、声をあげる。

内部はうねうねとしたうごめきと、あふれ出る粘液でオレを包み込み、ほどなくして怒涛のほとばしりを放ったのであった。

「じゃあ、またね」

約束のカネを払ってホテルを出、別れ際に女はいった。

けれどその後、あの女とは会っていない。出会った店に行っても、姿を見ることはなかった。

  • 【選者紹介】
  • 長月タケオ(ながつきたけお)
  • 官能小説家。一般人の中高年男性への取材を通して市井の赤裸々な性のエピソードを紡ぐ。
  • 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
  • 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
  • おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
  • 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
  • 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
  • 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
  • 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
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誘惑する女 熟女たちの悦楽 長月タケオ短編集
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