• twitter
  • RSSリーダーで購読する

icon
Popular Keywords
現在人気のキーワードタグ

icon

中高年の性告白

  • TOP
  • 桃色コラム
  • 長月タケオ選「中高年の性告白」第95回 兵庫県在住M・Yさん(78歳)【トルコ風呂で再開したあこがれの人】

長月タケオ選「中高年の性告白」第95回 兵庫県在住M・Yさん(78歳)【トルコ風呂で再開したあこがれの人】

icon
Catch Up
キャッチアップ

長月タケオ選「中高年の性告白」第95回 兵庫県在住M・Yさん(78歳)【トルコ風呂で再開したあこがれの人】

このコーナーは官能小説家の長月タケオ氏が一般の中高年読者から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味頂ければ幸いです。編集長

【トルコ風呂で再開したあこがれの人】

M・Y 78歳 兵庫県在住

高校時代、好きで、好きでたまらない女の子がいた。名前は由美。背が高く、髪が長く、細身の身体に気品が漂う。そんなタイプの女の子だった。

家は大きな工場を経営していて、彼女は一人っ子。つまりは、箱入り娘のお嬢さんだ。

カワイイというよりも、色気のある美人タイプで、同級生たちにも人気があった。だが、成績も中くらい、スポーツも得意ではないわたしにとっては、まさに高嶺の花だった。

かなわぬ恋心をいだくうち、卒業の年となり、わたしたちはごく平凡な別れを迎えることとなる。やがて月日は流れ、いつしか彼女のことは、淡い思い出として心の奥にしまっておくようになった。

それから10年がたち、同窓会が開かれた。30手前になったわたしたちは、久しぶりの再会に心弾ませ、近況報告や思い出話に花を咲かせていた。

「そういえば」

わたしは由美ちゃんが出席していないのを不思議に思い、それとなく古い友人にたずねてみた。

「あの子はな……」

グラスを一気にあおり、友人は話しにくそうに語りはじめる。

「親の経営していた工場が倒産して、夜逃げ同然で町を出ていった。うわさによると、父親は首をくくって自殺。母親も、そのあとを追うように、病気で死んでしもたらしい」

わたしは愕然とした。

卒業してから小さな会社に就職し、つらい仕事をこなしながら暮らしていた。苦労は多かったが、それでも平々凡々と生きていた。そんなわたしのような中途半端な男が人生をうまく渡り歩き、彼女のように、恵まれ、美貌もたたえた女性が苦労している。

「で?」

「うん?」

「彼女は、どうしてんねん?」

「さあ、高校のときに親しかった女の子連中に聞いても、だれも知らんて」

その友人も彼女に対して恋心をいだいていたのか、苦々しい表情でグラスを重ね、それからは由美ちゃんについて、一言も語ろうとはしなかった。

数日後、わたしは会社の先輩といっしょにトルコ風呂、いまでいうソープランドに出かけた。そのころはまだ、その手の店ができて間もないころで、社会勉強にと、なかば無理矢理連れて行かれたのだ。

待合室でそわそわしながら待っていると、先に先輩、そしてわたしが部屋に通された。部屋の中ではショートパンツに半袖のシャツ、ちょうど現在のマッサージ嬢が着ているような衣裳で、長い髪を束ねた女が待っていた。

彼女はわたしに背中を向け、湯船に湯を張っていた。

「お客さん、初めて? システム、わかる?」

無愛想な声で彼女は言う。

「い、いえ」

「ほなねえ」

サービスにはランクがあって、マッサージにオスペ、フルート、それ以上はやっていないという。

「どれにする?」

湯を張り終えた彼女は、振り向いてたずねる。その顔を見たとき、わたしは驚いてしまった。

「ゆ、由美……、ちゃん?」

彼女もわたしのことをおぼえていてくれたようだ。表情でそれがわかった。けれど、彼女は表情を強張らせ、こういった。

「由美? だれ? わたしはチェリー」

「そんなことない。忘れるはずないやん。由美ちゃんやろ、高校のとき同級生やった」

「違うっていうてんやん!」

彼女は怒った素振りで、そう言い放った。

「だれと間違うてるんかしらんけど、わたしはそんな名前と違う。わたしはチェリー、チェリーや。それよりどうすんのん? マッサージ? オスペ? フルート?」

わたしは寂寥とした感慨をおぼえ、とりあえずマッサージコースを選んだ。

由美、いやチェリーは服を脱ぐことなく、全裸のわたしを風呂に入るよううながすと、今度は首だけを出すスチームサウナに押し込めた。始終、彼女はかたくなな表情を崩すことなく、わたしも黙って彼女の指図に従う。

「ほな、ここに横になって」

簡単なベッドにバスタオルを敷き、俯せになって寝転ぶよううながす。彼女はわたしの上に乗り、肩や腰を揉みはじめた。

「お客さん?」

「うん?」

「聞いてエエ?」

「うん」

「さっき言うてた由美って子と、どんな関係?」

「高校時代の同級生」

「それだけ?」

「ううん、それだけと違う」

「え?」

「由美ちゃんは」

わたしはチェリーが由美だと信じながら、高校時代の思いの丈をすべて打ち明けた。

由美ちゃんがどれだけかわいくて、美人で、素敵な女性だったか。クラスの男連中が彼女に対して、どれだけ夢中になっていたか。そして自分自身が、どれだけあこがれていたか。

「あのころはよかった。悩みごとも多かったけど、いまから思たら屁ぇみたいなもんや。友だちがいてて、ほんで由美ちゃんがいてて。いまでも時々、夢に出てくんねん」

「由美が?」

「そう」

わたしは、思いつくままに高校時代の楽しい思い出を語った。文化祭、体育祭、音楽コンクールに修学旅行。そのとき、わたしの背中に、何やら熱い水滴のようなものが落ちたのを感じた。

わたしは不審に思い、彼女を見た。すると、彼女は目頭をぬぐっていた。

「どうしたん?」

「ううん、なんでもない……」

しかし、彼女は部屋に片隅にうずくまったかと思うと、声をあげて泣き出した。

わたしは彼女に近づこうとする。

「こんといて!」

彼女はわたしを制する。

「こんといて、近づかんといて、お願いやから」

「由美ちゃん」

「違う! わたしは」

「由美ちゃんやろ! もう隠しないや、ウソいいなや!」

わたしの声に、由美ちゃんは黙ってしまった。

「会いたかったねん。なんで同窓会にけぇへんかったん」

「行けるわけないやん。ここまで汚ななって」

「なにが汚いんや。むかしのままやんか」

「ホンマにそう思う?」

由美ちゃんは、涙に濡れた顔をあげた。

たしかに歳を取り、やつれ、10代の美しさは損なわれていた。しかし、どんな境遇に身をやつしていても、昔日の気品と面影は失われていない。

「正直に言うわ。たしかに、むかしとは違う。けど、いまでも好きや。きょうの由美ちゃん見て、自分が好きになったのは間違いやなかったて思う」

「こんな仕事してても? 男の人のアソコしごいたり、口ですることもあるんやで」

「それでも、かめへん。由美ちゃんはむかしのままや。オレが好きやったころの……」

すべてを言い終わる前に、由美ちゃんはわたしに抱きつき、唇を重ねてきた。

「こんな女でも」

わたしは黙ってうなずく。

「ありがとう。そやけど、いまのわたしにできることっていうたら」

由美ちゃんは、わたしをふたたびベッドに横たわらせた。そして、自分も裸になり、わたしの股間に顔をうずめた。

「ホンマは、したらアカンのよ。けど、きょうのお礼」

由美ちゃんはそういって、わたしの一物をしゃぶりはじめた。そのねっとりとした舌の絡みつきと、温かな内頬の感触に、思わず声を上げそうになる。

「ホンマはアカンねんよ。ホンマは」

自分に言い聞かすように、何度も由美ちゃんはつぶやく。そして、わたしの腰にまたがると、自分で肉壺の中に導いた。

「ああん……」

なめらかな締まりと、吸い込まれるような感触。彼女の内部はうねうねとうごめき、わたしは感極まってしまう。

あこがれ続けた人の中に、自分自身が埋没している。愛蜜があふれるクレバスの中に、そそり立つモノが突き刺さっている。

「あうん、ダメ、あん」

か細い声で喘ぎながら、彼女は腰を振り続けた。わたしは手のひらにすっぽりと収まる乳房をわしづかみにし、伝わる感触を味わう。

高校時代は、彼女とこうすることも夢描いていた。夜毎、彼女の淫らな姿を思い浮かべては、自慰にふけることもあった。それが、いま現実になっている。

「ああんん、いい、気持ちいい、だめ、ああん」

わたしの上で悶える由美ちゃん。わたしはそのまま、彼女の中にほとばしりを放ってしまったのだった。

その後、わたしは由美ちゃんのいる店には出向かなかった。帰り際、彼女のいった「つらくなるから、もうこないで」という言葉にしたがったわけではない。わたしの中で、何かがプツリと音を立てて変わってしまったのを知ったからだ。

満足感よりも、底の見えないさびしさを味わってしまった。わたしがどんなに恋い焦がれても、彼女を苦界から救い出すことはできないと思った。頭では否定してみても、やはり、落ちぶれた、汚れたという意識を持ってしまう自分が腹立たしくもあったが、感傷だけで迎え入れるわけにもいかないと、どうしても考えてしまう。

その後、幾度か同窓会は開かれたが、由美ちゃんは一度も出席しなかった。というよりも、幹事に言わせると連絡がつかないとのこと。

いまでは、どうやって生きているのか。少なくとも幸せであってほしい。そう身勝手に願うだけだ。

※選者:長月タケオ

官能小説家。一般人の中高年男性への取材を通して市井の赤裸々な性のエピソードを紡ぐ。

  • 【選者紹介】
  • 長月タケオ(ながつきたけお)
  • 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
  • 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
  • おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
  • 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
  • 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
  • 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
  • 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
電子書籍のお求めはコチラ
誘惑する女 熟女たちの悦楽 長月タケオ短編集
  • 長月タケオ選「中高年の性告白」第95回 兵庫県在住M・Yさん(78歳)【トルコ風呂で再開したあこがれの人】

icon
Linkage
関連記事

icon
FANZA新着動画
特選素人娘マル秘動画

FANZA新着動画一覧 >>
icon

このサイトにはアダルトコンテンツが含まれます。18歳未満の閲覧を禁止します。当サイトに掲載されている画像、文章等の無断転用・無断掲載はお断りします。
ご使用のブラウザによってはご閲覧いただけないサイト内のコンテンツがある場合もございますのであらかじめご了承の上ご閲覧ください。

Copyright(C) 夕やけ大衆 All rights Reserved. 風営法届出番号 第8110800026号

当サイトにはアダルトコンテンツが含まれます。
18歳未満および高校生の閲覧を禁止致します。

ENTER
LEAVE