Catch Up
キャッチアップ
このコーナーは官能小説家の長月タケオ氏が一般の中高年読者から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味頂ければ幸いです。編集長
【レズ女二人のおもちゃにされた出張の夜】
S・M 57歳 大阪府在住
東京へ出張したときの出来事。仕事も終え、ホテルに戻る前に一杯引っかけて行こうと、わたしは新橋の焼鳥屋ののれんをくぐった。狭い店の中は同じようなサラリーマンでごった返していたが、わたしが座ったカウンターのとなりには、場違いな女性客二人が豪快に生ジョッキをあおっていた。
一人は30代半ばほどの背の高い、細身で色気のある風貌で、もう一人は20歳そこそこ風の小柄でぽっちゃりとしたタイプ。わたしはそれとなく二人の様子をながめつつ、焼き鳥を頬張り、ビールで喉を潤していた。
2、30分もたったころ、何気なく視線を感じ、わたしはとなりを見た。すると、その二人連れが、ちらちらとわたしに目くばせをしている。わたしが彼女たちを見ると、二人は笑みを浮かべながらなにやら相談をはじめる。そして、歳若く見える女性のほうが話しかけてきたのだった。
「あの、お一人ですか?」
「ええ、まあ」
「お仕事の帰りですか?」
「ええ、出張でこっちへきてるんですけど」
わたしの話すイントネーションで、関西出身ということが分かったのだろう。今度は年長の方が、身を乗り出して話しかけてくる。
「関西の人? わたし、関西弁って好きなの」
それから3人は意気投合し、飲みなおすことになる。連れて行かれたのは場末のバー。キャッチか何かかといぶかしく思ったが、幸いにもその様子はなかった。
「わたしたち、どんな関係に見えます」
康代と名乗った背の高い女がたずねてくる。
「え? そうやなぁ、友だちっていうふうにも見えへんし」
すでに酔いが回ったわたしは、自分の言葉で話す。
「姉妹?」
「似てますか?」
優という名の小柄な女は、相変わらず敬語だ。
「似てるといえば似てるような、そうでないといわれればそうでないような」
「わたしたち、恋人同士なの」
康代の言葉に、わたしは面食らってしまう。
「と、いうことは……」
「そう、わたしがタチで、この子がネコ」
二人はレズビアンであった。そのことを知ったとき、わたしの期待は霧散した。
出張の夜に、女から声をかけられる。しかも、タイプは違えども、そこそこの美人である。そのうえ遅くまで杯を重ねる。あわよくば二人同時に……。
そんな思いは、このシチュエーションなら誰でもいだくはずだ。しかし、男に興味がない二人であるならば、わたしはただの関西弁を操る遠来の人間でしかない。
「ま、それもいいか」
エッチな関係にならなくても、一夜を楽しく過ごせるのに変わりはない。これがスナックやキャバクラの女相手なら、かなりの金額になるはずだ。
思いなおしたわたしは気分を入れ替え、水割りをお代わりした。
時間が過ぎ、夜もふけた。わたしは明日、大阪に戻らないといけない旨を告げ、ホテルに戻ろうとした。
「もう、帰るんですか」
優は言う。
「もう少しいいじゃない」
康代が言う。
「明日も仕事だし」
わたしは答える。
「でも、わたしたち、帰る方法がないの」
終電の時刻は過ぎている。タクシーで帰る、もしくはホテルに泊まる余裕はないらしい。
「飲み明かさないんだったら、アナタのお部屋に泊めてくれない?」
「え……、そやけど部屋はシングルやで」
「十分よ。3人で重なれば」
康代が妖しい視線を送ってきた。優も恥ずかしげにはにかみながら、それでも熱いまなざしを向ける。
「3人で……」
クククと、かみ殺した笑いをこぼす康代と優。わたしは奇妙な感慨を覚えつつ、彼女たちを部屋に招き入れることにしたのだった。
ホテルに戻って交代でシャワーを浴びた。夜具は一人分しか用意されていないので、わたしは着替えの下着姿、康代は浴衣を身につけ、優はバスタオルを巻いただけになった。
レズビアンといえども、女であることには違いない。しかも、二人は扇情的な身体つきをしている。浴衣姿の康代は襟元から乳房の谷間をはっきりと見せつけ、優はぷっくりと肉づきのいい身体全体を露呈させている。もちろん、胸の谷間もふくらみも、はちきれんばかりの太もももむき出しになっている。
わたしたちはベッドにのぼってビールを飲んでいた。二人を目の前にして、わたしの気分は高揚する。
「やっぱり、ちょっと恥ずかしい」
優は言った。
「でも、これから3人で寝るのよ」
康代は言う。
「大丈夫かな」
と、優。
「大丈夫よ」
康代は返答する。
何が大丈夫か、わたしにはわからないが、すでにわたしの股間は大丈夫な状態ではない。
「ねえねえ、あなたってまじめなのね」
グラスを空にして康代は言った。
「え?」
「こんなにきれいな女とかわいい女を目の前にして、手を出さないなんて」
「でも、君たちは」
「そう、レズビアンよ。でも、殿方も嫌いじゃなくてよ」
康代はいきなりわたしにしなだれかかり、股間に手を伸ばしてきた。
「ほら、もう、こんなになってる」
下着の中に手を入れ、直接わたしを握り締める康代。
「わたしたちはね、新しい刺激を求めてるの。互いに舐めあいながらペニスを挿れてもらうのって、どんな感じかなぁって」
「そ、それは……」
「おきらい? 3人でするの」
「い、いや」
「じゃあ……」
康代はわたしを押し倒して下着を脱がし、そのまま屹立した一物を口に含む。ねっとりとやわらかくて温かい感触。舌うごめき、絡みついてくる。
わたしをしゃぶりながら、康代は帯をといて全裸になった。モデルのように引き締まった身体で、乳房も大きい。優はそんな二人を見ながらわたしを抱きかかえ、乳房を含ませた。
「あん……」
康代の技を受け止めながら優の豊満な乳房と勃起した乳首を味わうと、彼女はか細くて甘い声をあげる。
「優ちゃん、舐めてもらいなさい」
「はい」
優はわたしの顔面にまたがる。あお向けになったわたしは、優の陰部を舐りながら康代が股間にまたがる様子を知る。
「あ、く……」
康代は、天を向くわたしを自ら導いた。ぬるぬるした締まりと、粘膜でこすりあげられる抽送感。
「あ、いい、気持ちいい!」
「やああん、そこ、だめぇ、あああん!」
二人はわたしにまたがり、互いに唇を重ね、乳房を揉み合っている。わたしは康代の動きにこらえることができなくなり、そのまま、中に吐き出したのだった。
その後、二人は交互にわたしを攻め立てた。一人に挿入すると、もう一人が指や口での愛撫を求める。わたしが達すると、今度は別の一人が挿入をせがむ。
わたしは体力の限界をおぼえ、勃起もままならなくなる。すると狭い部屋の中で、二人の女が絡まりあう姿を目の当たりにすることとなる。現金なもので、そうなるとわたしもよみがえりを見せ、それを知ったどちらかが口に含んで強固にする。
いったい何度達したことだろう。二人の女におもちゃにされながら意識が薄らぐ。やがて夜が明け、始発の時間になると、二人はわたしを残してホテルを出て行った。
ふらふらになりながら、新幹線に乗って大阪に戻った。しかし、その日は1日、仕事にならなかった。それでも時間が経つうちに、感覚の残る康代と優との行為を思い出し、身体が熱くなる。
その後も東京出張の話があると、わたしはすすんで引き受けた。そして新橋の焼鳥屋に通うが、いまだ康代と優に出会うことはない。
【選者紹介】
長月タケオ(ながつきたけお)
1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)
ほか
長月タケオ『誘惑する女 熟女たちの悦楽』
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