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中高年の性告白

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長月タケオ選「中高年の性告白」第55回 東京都在住N・Sさん(58歳)の告白【心中まで考えた幼なじみとの恋】

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長月タケオ選「中高年の性告白」第55回 東京都在住N・Sさん(58歳)の告白【心中まで考えた幼なじみとの恋】

このコーナーは官能小説家の長月タケオ氏が一般の中高年読者から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味頂ければ幸いです。編集長

【心中まで考えた幼なじみとの恋】

N・S 58歳 東京都在住

「あのとき、どうしてあれだけ好きでいられたのかしら」

40年ぶりに再会をはたした陽子はいった。

「若気の至りということかな」

「本当にそれだけ?」

妖しくほほ笑み、陽子はワイングラスをかたむける。

「わたしは本当に死んでもいいと思ったのに」

空になったグラスをじっと見つめ、ほおづえをつく陽子。そんな様子をながめながら、わたしは18歳の春、彼女とともにとった行動を思い返していた。

陽子とは小学校以前からの幼なじみだった。彼女の家は小作農家で、とてもじゃないが裕福とはいえない暮らしを送っていた。対してわたしの生家は代々続く地主で、祖父が村長、父親が村会議員という家柄であった。

幼いころは、互いの環境など気にせずに遊んでいた。気が弱く、小柄な陽子をわたしはいつもかばい、近所のいたずら小僧にいじめられていれば、真っ先に駆けつけてけ散らしてやった。

そんなわたしを祖父も父親も、「人の上に立つものはそうでないといかん。弱いものを助け、強いものをくじく。そんな正義感が大切だ」とほめてくれた。

やがて小学校を卒業し、中学、高校へ。わたしは町にある進学高校に入り、遠路を電車に乗り継ぎ通学。陽子は中学を卒業するとすぐに就職し、寮に入って繊維工場で働いていた。

ときは過ぎ、わたしは高校3年に。もちろん大学進学を希望した。しかも志望校は東京にある一流国立大学だ。だが、どんなに猛勉強してみても、成績がイマイチおぼつかない。理由は長時間にわたる通学と、それにともなう疲労だと考える。

そこでわたしは両親に、学校の近くで下宿することを願い出た。案外すんなり願いはかなえられ、わたしは町のアパートで一人暮らしをするようになった。

夏も間近な日曜日、わたしは勉強疲れをいやすために、ぼんやりと散歩を楽しんでいた。するとアパートの近くに、とある工場の女子寮があった。何気なくその前を通り過ぎようとしたとき、いきなり門から飛び出てきた女の子に声をかけられた。

彼女はわたしの名前を呼ぶ。わたしは驚いて振り向く。

「わたし、陽子、川下陽子」

わたしは目を見張った。いわれてみれば、たしかに幼なじみの陽子である。しかし、中学生までのオカッパ頭で色黒の姿とは違い、髪を伸ばして肌の色も白くなり、背も伸びていた。

「どうして? どうしてこんなところに」

わたしは事情を説明した。

「やだ、すぐ近くじゃない。今度、遊びに行っていい? 一人暮らしは何かと不便でしょ。今度、ご飯でも作ってあげる」

確かに初めての一人暮らしは不自由だった。掃除洗濯はもちろん、毎日の食事が大変だった。

自炊の経験もないし、コンビニなんて存在しない時代だ。それを陽子がしてくれるというなら、願ったりかなったりである。

ある日、陽子は材料を買い込んでアパートを訪れ、料理をつくってくれた。

「おいしい?」

初めて振舞われたとき、陽子は心配そうな顔でわたしを見つめる。

「うん! おいしい」

「うれしい! よかった」

それから陽子は、ひんぱんにわたしの部屋を訪ねるようになり、わたしも陽子の来訪を待ちわびるようになっていた。

陽子は可憐な少女に成長をとげていた。手足はすらりと伸び、胸も大きくふくらんでいる。最初は気にもとめていなかったが、やがてわたしは陽子を女として認識するようになっていた。

そうなると、ヤリたい盛りの18歳。机に向かっていても悶々とし、布団にもぐって目を閉じると陽子の姿が浮かび、わたしはついつい自分を慰めてしまう。

わたしは我慢の限界をおぼえた。このままでは、せっかく一人暮らしをはじめたのに勉強に支障が出る。

それは6月もまだだというのに、蒸し暑い夜だった。陽子はいつも、7時になると寮に戻ろうとする。

「門限だし、勉強の邪魔しちゃ悪いし」

わたしは立ち去ろうとする陽子の手を握った。陽子はおびえた目でわたしを見あげる。わたしはそのまま陽子を抱きしめ、唇を重ねる。

だが陽子はわたしを突き放して言った。

「ダメ!」

「どうして」

「だって、門限が」

「1日くらい大丈夫だろ」

「ダメダメ、怒られちゃう」

かたくなに拒絶する陽子。わたしはふてくされて畳の上にしゃがみこむ。そんなわたしを陽子は寂しそうな目で見た。

「土曜日なら……、土曜日なら外泊許可を取れば」

「大丈夫なのか?」

陽子は黙ってうなずき、何もいわずに部屋を出て行った。

土曜日が来た。陽子はいつもどおりに夕飯を作ってくれた。やがて時間が過ぎ、わたしたちはどちらから言うこともなく抱き合った。

「わたしね、むかしから、小学校の頃から……。だって、すごく優しいし、わたしと違って頭もいいし、それに」

陽子は今にも泣き出しそうな顔で、わたしの胸に飛び込んでくる。わたしはそんな陽子を強く抱きしめ、布団の上に横たわらせた。

陽子の肌は艶やかではりがあり、乳房は思い描いていた以上にふくよかだった。経験のなかったわたしは陽子の乳房を揉み、舐りつつ、そこから先は何をどうしていいものか迷った。

「ここ、ここ、触って」

そんなわたしに陽子は手を導いてくれた。陽子の部分は早くもしっとりと潤み、そして温かでやわらかい。

「勘違いしないでね、わたしも初めてなのよ」

わたしは陽子の部分を探りながら指を挿入させた。内部は熱を持ち、きつい締めつけでこたえてくれる。

「いいわよ、挿れて、わたしの中に来て」

わたしはそそり立つ一物をあてがう。それでもなかなか中に侵入をはたさない。アチコチ探っているうちに陽子は大きく足をひろげ、わたしに手を添え、誘導してくれた。

「あ……」

根もとまで埋没した瞬間、わたしは声をあげてしまった。それほどまでに陽子の膣内は、わたしに歓喜をあてえてくれる。

陽子は唇をかみ、眉根にしわを寄せて破瓜の痛みに耐えていた。わたしは自分の欲望のままに陽子を突き刺し、やがて果ててしまったのだった。

それから陽子とは離れられなくなった。陽子のやさしさ、可憐さはもちろん、彼女と交わす行為に夢中となった。

けれど、そんな日々は長く続かなかった。わたしの部屋に陽子が出入りしているのを、アパートの大家が両親に告げ口したのだ。

わたしはすぐに呼び戻された。家に入ると、そこには陽子と、彼女の両親も同席していた。

「お前、どういうつもりなんだ」

父親は言った。

「こんな女と乳くるために、一人暮らしをさせたんじゃない」

その言葉にわたしは反論する。けれど、父は叱責する。

「黙れ! お前はこの家のあと取りだ、そのことくらい重々承知だろ! お前には、それなりにふさわしい相手をわしが選んでやる。その前に、大学に行くことだけを考えろ!」

そのとき、ずっと黙していた祖父が重い口を開いた。

「寄りによって小作人の小娘とは。どうせ、うまいことそそのかして金でもせしめようと思ったんじゃないのか」

その瞬間まで、わたしは祖父に敬愛を抱いていた。地主として、村長として尊敬され、だれにでもいつくしみをあたえる大人物だと思っていた。それなのに、わたしが愛する人を侮辱し、相手の親に対しても侮蔑の目を向けている。

わたしはいきどおり、家を出てアパートに戻った。

次の日の夜、ちゅうちょする陽子を寮から誘い出し、最後の逢瀬を持った。

「なあ、この際だから駆け落ちしないか」

「学校は?」

「いいんだ。陽子さえいてくれれば」

陽子はその言葉に涙を流した。

「でも、きっと見つかる」

「じゃあ、どうすればいいんだ」

沈黙が流れる。そのとき、陽子はポツリと漏らす。

「死のうか」

わたしは身を起こして陽子を見た。

「どうせ、このままじゃあわたしもアナタも、そしてウチの親もいいことはない。だから」

わたしは少し考えた。けれど、すぐに結果は出た。

「死のう。陽子と一緒なら恐くない」

陽子は泣きながらわたしと向かい合った。そして長い長い口づけのあと、お互いを確かめ合い、絡み合い、絶頂を迎えたのだった。

しかし、現実は二人を許してはくれなかった。

陽子は工場を辞めさせられ、村に連れ戻された。わたしは急いで村に戻ったが、陽子の家はもぬけの殻になっていた。

わたしは失望し、勉強も手がつかなくなり、その年は受験に失敗。しかし、大学を出て、偉くなって、父親や祖父を見返してやると思い直し、一浪の末、念願の大学に合格した。

4年間の間に祖父が亡くなり、父親は投資に失敗して破産。実家は没落した。

もとより村に戻る気のなかったわたしは自立し、両親の面倒を弟に任せて気ままなサラリーマン生活を送っている。

そんなときの陽子との再会だった。

「いまは?」

「生命保険の外交員。夫とは5年前に別れたわ。生きていくって大変。でも、面白い」

「どんなところが?」

「そうね、過去のいろんなことが、全部笑い話になっちゃうところ」

その夜、陽子はワインを3杯お代わりし、わたしは水割りをちびちび舐めた。

別れのとき、陽子はいった。

「あのとき死んでもよかったけど、死んでたら今日みたいな夜は過ごせなかった。そう思うと、思いとどまってよかったのかも」

陽子は手を振り、身をひるがした。わたしは強くなった陽子を見送り、日常へと戻ったのだった。

  • 【選者紹介】
  • 長月タケオ(ながつきたけお)
  • 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
  • 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
  • おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
  • 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
  • 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
  • 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
  • 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
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