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東京都による「夜の街への自粛要請」が始まってから以来、ネオン街ではスナック、キャバクラ、風俗、カラオケパブ、ホストクラブなど多くの店が半強制的に臨時休業を強いられているが、わずか数日にも関わらず、この世界で働く男女の間にはすでに大きな開きができているようだ。
まず、女性のほうはというと、かなり逞しく生きている模様。マッチングアプリの関係者が、こんなことを話してくれた。
「明らかに『パパ活志望』の若い娘の登録が飛躍的に増えましたね。新規参入組はおそらく自粛前にキャバクラ嬢やスナックや居酒屋でバイトをしていた女子大生などでしょう。あと、面白いところでいうと『現役のアイドル』なんて子もいますね。まあアイドルといっても、地下アイドルなんでしょうけどね。たぶんライブなどのイベントの自粛で収入がなくなってしまったんでしょう」
まさに現在、マッチングアプリでは「美人どころが入れ食い状態」なのだとか。
しかし、この関係者によるとパパ活といっても相当な上客を何人も捕まえないと、生活が成り立たないという。
「パパ活の平均的な相場は1回のデートで3万円から5万円ですが、今は需要と供給のバランスが崩れていますから、下手をすれば相場が1万円まで下がってしまっているかもしれません。これまで高収入を得ていた人気キャバクラ嬢からしてみれば、たとえ毎日活動しても確実に収入減になるでしょうね。それに男性側も月に何度も会ってくれる人は稀。だいたいは月に1回です。単純計算すると、女性側は同時に5人以上のパパをコンスタントに維持しなければならなくなりますが、これはかなり酷だと思います」
ここまで苦労するくらいなら女の子の場合、休業期間中は実家に身を寄せるというのもひとつの手段だと思うのだが、それもできない現状だという。
「特に緊急事態宣言指定地域の子は親から『実家に帰ってくるな』といわれているケースが多いようですよ。田舎は何かとご近所の目がうるさいですからね」
加えて、このような夜の世界で働いている娘は都内でもかなり高額な家賃の家に住んでいるという。たとえ解約しても実家にすら帰れないとなると、貯金のない子は八方塞がりの状態だ。
そうなると多少、犯罪めいたことに手を出してしまう娘も当然のことながら出てくる。
早くも先日、こんな事件が露呈した。
大阪の夫婦が自己の保有するマンションで少女たちを使ってFC2にオナニー動画を配信させ荒稼ぎをしていたのだ。その額なんと2億8000万円。このマンションには300人近い女性が出入りしており、なかには現役の女子中学生もいたという。
しかもこれは氷山の一角で、今後も雨後の筍のように休業中のキャバクラ嬢、風俗嬢や女子大生の「危険な配信」が増えることが予想される。
一方、同じ夜の世界でも「男性のほう」はどうかというと、これがまったく正反対の状況らしい。
ホスト事情に詳しいA氏が「彼ら」の現状を教えてくれた。
「現在、ホストのほとんどが家で『じっとしているだけ』という状態です。実際、店が閉まっている以上、彼らは何もすることがないんです。接客以外につぶしの効くような芸があるわけでもありませんからね。とにかく今は余計な出費を避けるためじっとしているのが一番というわけです」
A氏によると、休業要請もさることながら、ホストクラブがたとえその禁を破って今、店を開けたとしてもまったく客が入らないという。
「ホストクラブの客の8割型がキャバクラや風俗などの夜の世界で働く女性なんですよ。つまり、頑張って店を開けていたとしても、客の女性側の収入が減っている状態なので、まったく売り上げが見込めないんです」
そうはいってもホストたるもの、ご贔屓の客が何人もついているだろう。どうせ家にいるのなら、ネット配信などでそれなりに利益を出せるのではないだろか。
「ネットの世界にはネットの世界で、すでにホスト的な立ち位置の男性陣が群雄割拠していて、今さら現役のホストが介入できる場所など、どこにもないんですよ。そもそも男性の場合は女性と違ってネットでお金を稼ぐのは至難の技なんです」
確かに成人した男が動画サイトでヘンズリを配信したところで一銭にもならないような気がする。
では、このまま長く自粛要請が続けばホストという産業はなくなってしまうのだろうか。
「そうはならないと思います。もともとホストをしている子たちは他の業界の男性よりもハングリー精神が強いんですよ。あと、意外な話かもしれませんが、しっかりと貯金している子も多いんです。それにこの手の業界は、いざ自粛解禁になれば復活したときの爆発力もデカいんです。なにしろホストは一人ひとりが個人事業主で営業力も強く、したたかですからね」
男女の間で大きな差がついた夜の世界の自粛要請。感染予防の観点からは圧倒的にホストのほうが都の方針にマッチしているといえるが、その反面、今世の中で起きていることを見ると、夜の世界で本当にお金に困窮しているのは男性よりも、なんとかしようと日々あがいている女性側であることがわかる。
そして、夜の世界では女性が窮すれば男性も窮する情勢であることも事実だ。
常々「女性の活躍する社会」を標榜してやまない安倍政権であるが、今後は「夜の世界で活躍する女性」に対してもなんとかしてもらいたいものだ。
文責:編集長原田
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