Catch Up
キャッチアップ
このコーナーは官能小説家の長月タケオ氏が一般の中高年読者から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味頂ければ幸いです。編集長
【わたしをセックスの虜にした年増看護婦】
O・T・58歳・石川県在住
高校時代、バイクで転倒して足の骨を折った。最初のうちは同級生たちが毎日のように見舞いに来てくれたので時間を潰すこともできたが、1週間もすると誰も来なくなる。日がな一日、ぼんやりとベッドに転がっていても退屈なばかりで、早く退院したいものだと思っていた。
わたしの部屋の担当は40歳くらいの、なかなかはっきりとした物言いのする看護婦さんだった。わたしとしては、もっと若くてきれいな人を望んでいたのだが、こればかりは仕方がない。
「若い看護婦さんと知り合いになってさ、夜に忍び込んできて『うっふん♪』なんて思ってたのに」
10代半ばといえば、ヤリたくてヤリたくて仕方がないのに、なかなか相手を見つけられない年頃だ。もやもやっとした気分に始終さいなまれ、そのうえ身体を動かさないものだから欲求不満はたまる一方。
わたしは個室なのをいいことに、暇さえあれば悪友が見舞いとして持ってきたエロ本をながめ、勃起した股間をいじくる毎日だった。
ある日、いつものようにエロ本をながめながら一物をしごいていると、突然、部屋のドアが開いた。わたしは急いで、エロ本とむき出しの下半身を布団で隠す。
「検診の時間よ。あら、何してたの?」
部屋に入ってきたのは、あの看護婦だった。動揺するわたしを見て、彼女は不審な表情を浮かべる。
「な、なんでもないよ」
「何か隠してる?」
「なんにも隠してない」
「そうかしら」
彼女はいきなり布団をはいだ。
「あ」
声をあげたのは両方同時だった。若いわたしのペニスは、そんなときでも隆々と頭をもたげている。いつもは無遠慮な態度で、きっぷのいい看護婦も、そのときばかりは驚きと羞恥を浮かべた。
「君って、すごいのね」
「え?」
「ふふふ」
看護婦はそういって布団を戻し、何ごともなかったように検診を終えて出て行った。
その夜、わたしが眠りにつこうと電気を消し、うとうとしていると、いきなりドアが開いた。現れたのは、昼間と同じ看護婦だった。
「何か用ですか」
わたしは不満げにいう。
「ううん、別に」
少女のような口ぶりでそういい、彼女はベッドに近づいてくる。
「何ですか?」
「忘れられないの」
「え?」
「昼間見た、あなたのが忘れられなくて」
看護婦はそういって布団をはがした。
「何するんだよ!」
「黙って、シたいようにサセてちょうだい」
骨折しているから、片脚はギブスで固められている。逃げ出そうとしても、身体の自由はきかない。それをいいことに、看護婦はわたしの寝間着の裾を開いて股間に手を伸ばしてきた。
「や、やめて、やめろよ」
「気持ちよくしてあげるから。自分でしなくてもいいように」
股ぐらに顔を近づけてくる看護婦。そして舌を伸ばすと、力のこもらないモノにしゃぶりついてきた。
生まれて初めて知るヌメッとした感触に、一物はすぐに屹立する。それをうっとりとした視線で見つめながら彼女は頬張り、舌を絡めてくる。そのうごめきと生温かさに、わたしはすぐに達してしまった。
彼女は吐き出された精液を受け止め、飲み込み、潤んだ目でわたしを見る。
「うん、濃くて美味しい」
舌なめずりをする看護婦。歳はとっているが、熟した女の妖艶さや色っぽさが満ちている。わたしはなす術もなく、呆然と彼女を見つめていた。
「まだ、大丈夫よね。若いんだもの」
彼女はそういいながら自分でパンティを脱ぎ、ベッドにのぼってわたしにまたがってくる。
「今度は挿れてあげるわね」
こんなオバサンとはごめんだと思っていた。けれど、口で舐られ、今度は挿入させてくれるという。勝手なもので、そうなると彼女の良い点ばかりを探しはじめるようになる。
いままで気付かなかったが、彼女の肌は白く、艶もよい。そして、乳房はかなり大きい部類に入る。
顔立ちも、目じりのしわや頬のゆるみを除けば、端正で整った表情をしている。たぶん若い頃は、かわいくてもてたかもしれない。
「何、じろじろ見てるの。恥ずかしいじゃない」
わたしをもう一度しゃぶり、つまんでしごく彼女は言う。照明を落としていたおかげでぼんやりとしか姿は見えない。それが幸いして、彼女の良いところだけしか視界には届いてこない。声色と仕草は、劣情をあおってくれる。
「わたしのも触って」
彼女はそう言って、わたしの手を乳房にいざなう。着衣の上からでも、そのボリュームとやわらかさが感じ取れる。
「うん、もっと力を入れていいのよ。もっと強くもんで」
わたしは言われるままに、指を食い込ませる。すると彼女は自ら制服のボタンをはずし、じかに胸を触らせてくれた。
「どう? やわらかい?」
「は、はい」
「舐めたい?」
わたしはうなずく。
彼女はまたがったままわたしを抱きしめ、乳房に顔を押し当てた。少し大きめの乳首を吸い、やわらかい輪郭をわしづかみにする。
「うんうん、気持ちいい。うん、いいわよ、おじょうず」
その間も、彼女はわたしをしごき続けた。一物はビンビンに勃ち、脈打ちながら先走り汁がにじみ出る。
「さあ、挿れてあげる。セックスは初めて?」
「はい」
「ふふふ、うれしい」
わたしに指をそえ、彼女は内部へめり込ませた。途端に伝わる、なめらかでじゅんわりとした感触。
「あああん、いい、若いの、久しぶり」
腰を前後させながら、彼女はわたしの上で喘ぎ、悶えた。そんな彼女を見つめながら、わたしは恍惚とした気分を味わう。
興奮が高まるにつれ、彼女の動きは激しくなり、抜け落ちるんじゃないかと思うくらい、抜き差しの幅が大きくなる。それでも彼女のとば口はしっかりとわたしを咥え込み、離そうとしない。
「やああん、だめぇ、もう、あああん」
「出る、出ちゃう」
「イクの? いいわよ、そのまま出して」
「けど」
「いいの、中に出して。やあああん、わたしも、もう、だめぇ、イク、いっちゃうぅう!」
彼女と同時にわたしも達した。女性の中に初めて吐き出すザーメンは、多量で勢いもいい。彼女はその全部を受け止め、妖しく微笑むと、わたしにキスをした。
その後、彼女は夜勤になると必ずといっていいほど、わたしの部屋を訪れた。わたしは彼女から与えられる心地良さに溺れ、来室を待ちわびるようになる。彼女が昼勤の夜は、頭の中で快感をよみがえらせ、一心不乱に自涜にふける。もちろん、彼女が訪れたときは、むさぼりつくように挑んでいった。
そして退院の日。わたしは松葉杖をつきながら、両親に連れられ部屋を出た。そのとき、あの看護婦がわたしの前に立ちふさがった。
「これはこれは、息子が長くお世話になりました」
頭を下げる父と母。わたしは、両親がそばにいる気まずさで顔を背ける。しばらくじっとわたしの顔を見ていた彼女。だが、やがて満面の笑みを浮かべるとこう言った。
「退院おめでとう。サヨウナラ」
その冷静な言葉に、わたしはあっけに取られた。
彼女は両親に会釈を返して、その場を立ち去る。わたしはしばらく、その後姿を見つづけていたが、母に急かされその場を離れたのだった。
【選者紹介】
長月タケオ(ながつきたけお)
1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)
ほか
長月タケオ『誘惑する女 熟女たちの悦楽』
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