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中高年の性告白

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長月タケオ選「中高年の性告白」第01回 東京都在住のM・Sさん(68歳)の投稿【EDになったわたしに真実のよろこびを教えてくれた愛人】

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長月タケオ選「中高年の性告白」第01回 東京都在住のM・Sさん(68歳)の投稿【EDになったわたしに真実のよろこびを教えてくれた愛人】

このコーナーは官能小説家の長月タケオ氏が一般の中高年読者から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。記念すべき第1回目の告白は東京都在住のM・Sさん(68歳)から寄せられた投稿です。

【EDになったわたしに真実のよろこびを教えてくれた愛人】

若い頃はかなりヤンチャもした。とはいえ、法に触れるようなことではなく、毎晩車に乗って走り回ったり、朝まで飲んで踊り狂ったり、気に入らない奴がいるとケンカもした。

そんな毎日の中で、求めていたのは女。車もダンスもケンカも、全てがナンパや女にもてたいがためにしていたことだ。

自慢になってしまうが、昔は女に苦労しなかった。背も高くて痩せ型で、豊富な髪の毛をリーゼントに固めていたから、ちょっと声を掛ければ、それこそすぐに相手は見つかった。しかも、親が金持ちだったので小遣いにも不自由せず、学生時代は、それこそ「チ〇ポの乾く暇がない」といえるほどだった。

大学を卒業すると、親の経営する会社に就職した。役職は専務。とはいえ社長の御曹司だから仕事をする必要はなく、父親と一緒に取引先に出かけて、夜は接待を受け、休日はゴルフ。

会社は業界でもそこそこ有名だったし、父親自身は地元名士でもあったので、誰もがわたしをチヤホヤする。調子に乗ったわたしは、会社の金を使って学生時代以上に遊び呆けた。

高級外車に乗り、夜の街に繰り出しては女に声を掛けた。金で動く若い連中数人に命令し、女を調達させたこともある。SM、乱交、拉致や拘束、監禁まがいなど、ありとあらゆるセックスを楽しんだ。それでもわたしは飽きるということを知らず、それどころか、どんどん深みにハマっていく。

ただ、そんな状態がいつまでも続くわけはなかった。

わたしが二十七歳になったとき、会社が不渡りをつかんでしまい、倒産間近に追い込まれた。取引銀行は放漫経営が原因といい、融資の条件として、経費の縮小と人員整理を求める。槍玉に上がったのはわたしだ。

大した仕事もせず、それなのに高い給料をもらい、その上、経費は使い放題。そんな人間を雇えるほどの余裕は、もはや会社に残っていない。人員を整理するにしても、わたしを残しての実行は難しい。

わたしを解雇するか、もしくは一般社員並みの扱いにする。会社名義だった高級外車も処分し、本当に必要な経費しか支払わない。

父親は銀行の要求を呑んだ。わたしは解雇すら免れたものの、ただの平社員に降格した。そして、営業部員として取引先を回り、ペコペコと頭を下げる日々が始まる。

そんなわたしに対する風当たりは強かった。

社内では、たとえ年上であろうと先輩であろうと、わたしは傲慢な態度をとっていた。社外でも、下請けの人間には偉そうに振舞う。そんな男が、一営業社員として働き始める。しかも社会の常識も知らず、営業のノウハウも分からない。

同僚はわたしを見下し、取引先は冷たくあしらう。それまでの放蕩が裏目となり、わたしは苦渋の日々を送ることとなった。

緊急融資を受けて会社は一旦持ち直したように思えたが、そこにオイルショックが待ち受けていた。会社の業績はどん底に落ち込み、もはや風前の灯状態。父親はうつ状態となり、母親はヒステリーを起こし、それでもわたしは、何をどうしていいのか分からない。沈んでいく船を、呆然と眺めるしかないのに似ている。

そんなわたしの会社に、助け舟を出してくれる企業が現れた。業界トップのシェアを誇る大企業である。その会社の創業者でありオーナーでもある社長と父親は、大学の同窓だった。そんな縁もあって、条件さえ呑んでくれれば、支援してもいいという。

父親は早速、その社長のところに出かける。そして帰ってきたとき、一枚の写真を小脇に抱えていた。

「ちょっと話がある」

父はわたしを応接間に呼び出す。わたしは何があったのだろうと、不審に思いながら父と対座する。父はテーブルの上に写真を広げる。そこには振袖を着た、ひとりの女性が写っている。写真は見合い写真だったのだ。

「この人をどう思う」

わたしは写真を手にとって間近にする。着飾ってはいるが、その顔はお世辞にもキレイとはいえない。目は糸のように細く、鼻は団子状に丸く、唇は薄くて歯がはみ出している。顔の輪郭は下膨れで、「お多福を一回踏み潰した顔」という表現がぴったりだと思えた。

「正直に言っていい? すごいブス」

その言葉を聞いて、父は頭を抱えた。

「わしもそう思う。でもな」

父は手を組み、申し訳なさそうに言う。

「この人と見合いをして欲しいんだ。いや、見合いだけじゃない、一緒になって欲しい。この女と結婚して、養子に入って欲しい」

わたしは思わず父を見つめてしまった。

「こ、これと結婚? その上、養子……」

「そうだ」

父親は訥々と、事の成り行きを説明する。

写真の女性は、会社を支援してくれる社長の娘で、今年三十になる。一人娘のお嬢様育ちということもあり、かなりわがままな性格だ。しかも、料理も掃除も洗濯もからっきしどころか、今までしたことがない。そんな女であるにもかかわらず、理想が高く、これまで何度も見合いに失敗している。しかも、彼女のほうから断っているらしい。

「何という身の程知らず……」

わたしは思わず、声に出してしまう。

「お前の気持ちはよく分かる。わしも義理の娘になる人だから、それなりの器量よしを迎え入れたい。とはいえ、この話を断れば、ウチの会社は終わりだ。わしも母さんも、もちろんお前だって路頭に迷うことになる。」

父親はそういって顔を上げる。その目には涙が浮かんでいる。

「お前が俺の子だから、面食いなのは分かっている。美人以外は女じゃない。そう信じているのも重々承知だ。しかもお前は長男。ウチの跡取りだ。手放したくない。しかし、ここは会社のためと思って、断腸の思いで引き受けた。お前も会社のため、いや自分のためと思って我慢してくれないか」

父親の涙を見たのは、生まれて初めてのことだった。そしてわたしは、父の申し出を引き受けたのである。

見合い当日が訪れた。だが、わたしはその場に及んでも、内心ではまだ、結婚を承諾したわけではなかった。

「早い話が、断られればいいんだろ。相手が気に入らないというんじゃあ、こっちに非はない」

そうなった場合、会社はどうなるのか。そこまで考えは回らない。見合いを勧めておいて断るという失礼があれば、相手もそれなりの対処をするかもしれない。もしかしたら、会社を立て直してくれるかもしれない。

経営どころか社会の仕組みすら、まだぼんやりとしか分かっていなかったわたしは、そんな甘いことを考えていた。

断られるための見合いなのだから、ジーパンにTシャツで出かける、というわたしを、父は止める。形だけでもきちんとして欲しい、といってスーツを着せ、髪型も整えさせる。見合い場所は都内の高級料亭。わたしも父と一緒に、何度か足を運んだことのある場所だ。

部屋に通され、相手の来るのを待つ。父と母は緊張しているようだったが、わたしはどこ吹く風といった心境だ。

「お待たせしました」

仲居が来て襖を開ける。現れたのは相手の両親と、写真の女だった。

「うわ」

その顔をひと目見た途端、わたしは声を上げそうになった。写真はかなり修整を施していたようで、実物はそれ以上に酷い。唯一の長所は肌が白いこと。

「でも、豚も色白だし」

わたしは一刻も早く、その場を離れたい衝動に駆られた。

その後、わたしの両親と相手の両親が会話を交わす。父は女を、「ほんとに色の白い」とか「肌のお白い」という言葉で世辞をいう。まあ、ほかに褒めるところがないのだから仕方はあるまい。わたしはなるべく、女の顔を見ないようにする。照れているわけではない。長く見ていると、気分が悪くなりそうだからだ。

女の方は始終俯き加減だが、時折視線を送ってくる。そしてわたしと目が合うと、おぞましい笑みを浮かべる。

「ああ、早く帰りたい」

わたしがうんざりしていると、「それでは若い二人だけで」ということになる。親達はわたしたちを残して、別の部屋に移動した。

沈黙が流れる。空気が重苦しい。女はチラチラとわたしを見る。その視線が悪寒を走らせる。

「あのう……」

突然、女が話しかけてきた。

「ご趣味は?」

「趣味ですか。ナンパとセックスですね」

「はい?」

「ナンパとセックス。女の子に声を掛けて酒を飲ませ、酔ったところでホテルに連れ込みセックスをする。それが趣味です」

再び沈黙が流れる。

「ところで、あなたは?」

「お花とお茶を少々」

「花? あんなのもの適当に切って刺し込むだけでしょ。お茶? 僕はコーヒー党、いや、やっぱり酒かな」

「はあ……」

空気が重く伸し掛かってくる。わたしはわざと尊大な態度をとる。もちろん、断られることを期待しての態度だ。

「正直な方なんですね」

突然、女はいった。

「今まで何度かお見合いをしてきたけど、誰も歯の浮くようなことしか言わないし、わたしのことを誉めそやす言葉しか口にしません。その理由は、わたしと結婚して、父の会社を継ぐことしか考えていないから。そんな男性とのお付き合いは、ちょっと……」

女は顔を上げ、わたしの目を見つめる。

「場の雰囲気を和まそうとして、あなたはわざと下品なことをいう。でも、企業のトップ、しかもウチの会社のような大企業には、そんな人が相応しいと思います」

女は畳の上で三つ指をついて言った。

「これから末永くお願いします」

女の名前は有紀子。わたしよりも三つ上。そしてそれが、今のわたしの女房である。

見合いは成立した。わたしに断る権利はない。話はとんとん拍子で進み、一年後には式を挙げることとなる。

父の会社は吸収合併という形で救われた。会社自体は解散したが、従業員も設備も全て、有紀子の父親の会社に託された。父は代表権のない役員となる。わたしは義理の息子として、総務課長に抜擢された。

結婚当初、有紀子は甲斐甲斐しく尽くしてくれた。慣れない料理もし、洗濯や掃除も、中途半端ながらこなす。わたしもそんな有紀子に、好意らしきものを覚える。「ブスも三日見れば慣れる」とはこのことだ、と納得した。

営業と違い、総務の仕事はわたしに向いていた。大企業だったので、訪ねてくるのは、備品の納入や福利厚生のサービス利用を求めてくる業者ばかり。慇懃な態度を示す相手を上から目線で対応するのは気分が良かった。

やがて子供もでき、家庭円満で時は流れていく。仕事にも慣れ、養子といえども創業家の一員ということで、課長から部長に昇進し、ゆくゆくは取締役員となって社長の座も夢ではなくなる。第二次オイルショックや円高不況も乗り越え、順風満帆の三十代を過ごす。そして、四十代も過ぎたころに訪れたのが、あのバブル景気だった。

今から思うと、あの頃は日本国中が狂っていた。誰もが金の亡者となり、日本が世界でナンバーワンだと誤解し、いつまでもこの時代が続くと錯覚していた。自転車代わりにタクシーを利用し、会社の経費は湯水のように使えた。わたしも毎晩の接待漬けで、朝帰りが頻繁となり、二日酔いで仕事を休むことがあった。

それでも誰にも責められず、わたし一人くらいいなくても会社は回る。回るどころか、順調に売上は伸びる。土地を買い、株を買い、その値上げ幅だけで、資産は倍々ゲームで増えていく。そうなると、昔の悪い癖が蘇り始める。

金はある、地位もある、車は会社名義の国産高級車。家に戻っても、不細工な女房と生意気な子供がいるだけ。その女房も、結婚して十年以上もたてば、家事を放棄し、自分の好きなように暮らしている。ブランド物を買いあさり、効果のない化粧品やエステに金をつぎ込む。子供は子供で塾に忙しく、父親の顔を見ても挨拶ひとつしない。

時代の変化は人をも変える。そして、そんなときに出会ったのが、康代だった。

康代はわたしが通っていたクラブの新人ホステスだった。当時まだ二十歳。雪のように肌は白く、胸の大きいグラマラスなスタイルをしていた。目元は切れ長で、鼻筋が真っ直ぐ通っていて唇は厚い。有紀子と比べると、これが同じ女か、と思ってしまうほどの美人で、あえて似ているところを探すとすれば、色白なところだけ。しかも、二十歳だとは思えない色気も兼ね備えていた。

さらに康代は気遣いが細やかであり、水割りのお代わりやタバコの火を着けることはもちろん、上着やワイシャツのボタンが外れそうだったら自分の裁縫道具で縫い付けてくれ、来店が連日におよぶと胃薬も用意してくれた。

わたしはそんな康代に好意を抱いた。出来ることなら、愛人として囲いたいとも考える。そして、それを伝えるために、ある日、一人で康代の勤める店を訪ね、アフターに誘ってみた。

わたしの誘いに康代は応じてくれた。私服に着替えた彼女の衣装は、とても夜の蝶と呼べるような代物ではなく、どこにでもいる女子大生のようだった。化粧も薄く、髪の毛も素直に伸ばしただけ。そんな康代を連れて寿司屋に入ったが、周囲には歳の近い親子のように見えたかもしれない。

康代はとにかくよく食べた。貪欲な女は淫欲ともいうが、彼女の場合は、成長期の子供が空腹を満たすため、もしくは好奇心を満たすために食べているように見えた。その姿が、わたしにいっそうの好感を与える。

食事をし、同時に酒を飲み、その後はお決まりのコースだ。康代は多少の躊躇を見せたものの、ホテルへ着いてきてくれた。そして四十路のわたしは、二十歳の身体を堪能することになる。

交代でシャワーを浴び、わたしは、備え付けの服を着てベッドに座る康代を抱きしめた。康代は緊張で少し震えていた。

「大丈夫だから」

大人の余裕でわたしはいう。

康代の肩を抱き、唇を重ねる。長い睫に覆われた瞳を閉じ、康代は顎を突き出す。わたしは舌を差し入れ、康代の口腔を探る。康代はそれを受け止め、舌を絡めてきた。

わたしは康代を抱いたまま、ベッドに転がる。康代はわたしに両腕を回す。それを外して広げ、わたしは康代の服を脱がせた。

康代は下着をつけたままだった。純白の肌に染みとおるような水色のブラジャーとパンティ。康代は不安げな視線を、わたしに向ける。

わたしは康代の背中に手を回し、ブラジャーのホックを外す。康代はすぐに、両腕を組んで胸を隠す。

「見せてご覧」

わたしは可能な限りの優しい声でそういい、康代の腕を除けた。

現われたのは、見事としか言いようのない両の乳房だった。自然に盛り上がる乳肉の頂点には、桜色の乳首が品よく収まっている。重力に逆らえ切れない輪郭は腋からはみ出し、それでも深い谷間を形作っている。

乳首の色合いと透けて見える静脈の青が、男の情欲を駆り立てる。

わたしは思わず、乳房にむしゃぶりついた。

「あん……」

康代は小さな声を漏らす。

乳房を揉み、乳首を吸い、舌で転がす。康代の体温は上がり、肌が桃色染まり始める。

乳房を責めながら、わたしは最後の一枚に手をかけた。スルスルと下ろし、踵から抜き取る。上体を起こしたわたしは、康代の全身を眺める。なだらかな曲線を描く腰つき。鳩尾から下腹にかけて、微かなくぼみが走る。股間の陰毛は薄く、女陰の割れ目が透けて見える。骨ぼったい部分は見当たらず、適度な脂肪が彼女の全てを柔らかに覆い尽くす。

わたしは自分も裸になる。そして康代に挑みかかったのだった。

右手の指を割れ目に沿って上下させ、興奮を昂ぶらせる。部分からはぢゅんわりとした汁が滲み出し、全体を湿らせる。人差し指の関節を曲げ、内部に潜り込ませる。

「やん……」

康代は仰け反って甲高い声を上げた。

指の数を二本に増やし、中を掻き混ぜる。康代は身を捩って歓喜を示す。

「気持ちいいの?」

わたしの問いかけに、康代は無言で頷いた。

部分が十分に潤うと、わたしは顔を押し付けて舐る。蜜が止め処もなく溢れ、わたしは啜る。康代は何度も背中を反らし、わたしの頭を押さえる。

「やああん、だめ、そこ……!」

康代の声が大きくなる。その反応に、わたしの一物も大きく膨らむ。

顔を離して身体を起こし、康代の状態を確認した。身体を捻って脚を交差させ、康代は荒い息を吐いていた。髪は乱れ、目は固く閉じ、唇が緩やかに開いている。その姿には今までの今までの愛らしさが影を潜め、妖しいほどに淫靡な姿へと変わっている。

わたしは康代の両脚を広げ、その間に身体を割り入れた。コンドームはすでに装着済み。後は怒張した肉棒を、神々しいほどに豊かで美麗な肉体に突き入れるだけだ。

指先で部分を探り、先端を宛がう。そのまま根元まで、ずぶりと埋没させる。

「いやあああん!」

康代はわたしをきつく抱きしめる。わたしは康代の感触を味わいながら抜き差しを繰り返す。部分の締め付けは窮屈で、それでも豊富な蜜が律動をスムーズにする。腰を振るたびにクチュクチュといういやらしい音が響き、それが康代の羞恥を駆り立てる。

「やだやだ、恥ずかしい」

康代は今にも泣き出しそうな声でわたしを見る。わたしはそんな康代にキスをし、腰の動きを早める。康代は大きく口を開け、顎を突き出し、首を左右に振る。

コンドーム越しでも、康代の肉襞の動きが分かる。蠕動しながら覆い尽くし、奥へ奥へと誘っていく。深く突き刺せば子宮の入り口が感じられ、出来ることなら生で放出したいとも考えてしまう。

「それはまだ、ダメだな」

自制しつつ、わたしは体位を変える。康代を上に乗せ、下から突き上げた。

「やだああ、恥ずかしい、恥ずかしい」

そういいながらも、康代は腰を前後左右に振った。わたしは康代の乳房を揉みながら、躍る様子を眺める。指を噛み、高まる興奮を感じつつ、康代は大きく身を揺らす。

わたしは限度を覚えつつあった。最後は康代の表情を見つめつつ、抱きしめて出したいと思った。

康代を下ろし、仰向けにする。股間に当てればするりと難なく一物は埋まってしまう。覆い被さり、抱きしめ、康代の顔を間近に見つめて抽送する。

「あんあんあんあん、やあああん、そこ、ああん、ダメェ」

「イッテもいい?」

わたしは康代の耳元で囁いた。康代は唇を突き出し、頷く。抜き差しの幅を大きくして、速度を上げる。康代は固く目を閉じ、両腕で強く抱きつきながら腰を密着させてくる。そのまま、わたしは射精する。ドクドクした勢いを受け止めながら、康代の身体から力は抜けた。

終わった後、わたしは康代に、「愛人にならないか」と打ち明けた。けれど、康代の答えはノー。

「お金で結ばれた関係はいや。でも、お付き合いは続けたい」

つまり、不倫関係はOKだという。そもそも康代はおじさん好みで、同年代の男とは馬があわないらしい。

「それに、今日はすごく気持ちよかったし」

それから康代との関係は始まった。金と体力に余裕のあったわたしは、毎晩のように康代の店を訪ね、飯を奢り、セックスをした。康代の美肉を貪り、一晩に二度、三度。休みの日には、それこそ寝食を忘れ、朝から晩まで楽しむこともあった。康代はわたしの望みを全て受け入れ、生理の時などは、口だけで延々、愛撫してくれることもあった。

経験の浅かった康代の身体を、わたしは開拓しつくした。康代も、わたしなしでは生きられないとまでいうようになる。自宅に戻らない日も続き、それでも女房は何も言わない。たまに戻ると、あからさまに面倒そうな態度を示す。

学生時代や親父の会社に入った頃のような、夢の季節の再来だった。わたしは康代にのめりこみ、心地いい射精を堪能していた。

そんな時代も終わりが訪れる。バブルの崩壊である。

株価は急落し、物は売れなくなり、会社の業績は見る見るうちにどん底にまで落ち込む。経費削減、人員整理、設備投資の縮小。オイルショックの記憶が蘇る。いや、それどころではない最悪の時代が、その後、二十年間続くことになる。

売り上げの減少にともない、賞与は雀の涙ほどになり、昇給もなくなる。自由気ままに使っていた会社の経費も、チェックが厳しくなる。それでも女房の浪費は収まらず、子供にかかる金は増える一方だ。

康代のところに通う回数は減った。金のない四十男と付き合ってくれるわけはない。

「そろそろ潮時かな」

二十歳以上も年下の、ピチピチした身体を堪能できた。そんな贅沢を味わうことは、もう二度とないだろう。

わたしは別れを伝えるために、康代の店に行く。康代は久しぶりのわたしに、愛嬌を振りまく。しかし、わたしが別れを切り出すと、康代は真剣な顔つきでいった。

「じゃあ、わたしお店を辞める。お店を辞めて、お昼の仕事をする。そうすれば、お店に来てくれなくても、会社が終わってから会えるでしょ。余計なお金を使うこともないでしょ」

わたしは耳を疑う。それほどまでに康代はわたしのことを好きでいてくれた。感動を覚えたわたしは、康代との関係を継続させる。康代はわたしと会うために、水商売から足を洗う。わたしは乏しい小遣いの中から、康代に援助をし、それまでと変わらず会い続けることになった。

現在、わたしは六十八歳。三年前に会社を定年退職した。

重役や次期社長を目されたこともあったが、業績の悪化を受けて会社は外部から役員を招聘し、義父を含めた創業家は排除された。わたしもその一人だ。役職は総務部長どまりだった。

子供は独立して孫も生まれた。今は腐れ縁の女房と二人で暮らしている。ただ、康代との関係は今も続いている。

ホステスだった康代と知り合って約二十年。その間、彼女も結婚をしている。それでも旦那の目を盗んではわたしと会い、ホテルに入っていた。今は離婚して独身の身だが。

女房とは全く関係を持たない。女房もわたしを求めない。それは康代と知り合った頃からずっとだ。だが康代とは、わたしが五十になっても、還暦を越えても互いを求めあった。

「あなたとのセックスが一番いい。肌が合うって言うのかなぁ、身体の相性がいいっていうのかなぁ、そんな気がする」

二十年間の間に、康代は元旦那を含め、わたし以外の男と関係を持ったこともあるだろう。わたしも女房や康代以外と楽しんだことはある。それでも最後は康代を求める。それは康代も同じだったようで、彼女のいう「身体の相性」ということかもしれない。二十年もたつとそれが分かる。

ただ、最近困ったことが起き始めた。それは一物が、なかなかいうことを利いてくれないのだ。

兆候はあった。五十になった頃から、なかなか勃たない、もしくは途中で折れてしまうという事態が頻繁になり始めた。

興奮はしている。康代と肌を合わせ、唇を重ね、少しは垂れてしまったが、豊満で柔らかな乳房を揉むと、気分は昂ぶってくる。一物も頭をもたげるが、いざ挿入となると萎んでしまう。それでも扱いたり、擦りつけたりすると力は篭もり、無理やりねじ込めば血液は充満する。

だが、アルコールが入ると、ほぼ百パーセントの確率でダメになる。だから、康代と会うときは酒を抜く。食事をしても飲まない。たとえ一滴でも酒が入ると、完全な不能状態になる。昔のように、寿司を食べて酒を飲んで、気分が盛り上がったときに康代を抱くということが、不可能となった。

そんなときでも康代は全く不平を漏らさず、わたしを口で抜いてくれる。わたしはそんな康代の思いに報いるために、口や指で彼女を愛でる。

だが、それでいいのか。康代は不満を抱きはしないのか。女の四十代といえば、もっとも欲情する年齢だと聞いた事がある。

わたしは恐る恐る、康代に確かめたことがある。それに対して、康代はこう答えた。

「女はね、入れてもらうだけが気持ちいいんじゃないの。わたしは、どちらかといえば中より外派かな。いろんなとこを弄くってもらったり、舐めてもらったほうが気持ちいい」

「じゃあ、俺がきちんと入れていた頃は?」

「今だから言うけど、本当は愛撫だけでも良かった。でもそれじゃあ、悟さんは満足しないでしょ。それにね、女は男の人の歓ぶ顔でも満足できるのよ。わたしね」

「なに?」

「あなたの気持ちよさそうな顔が大好き」

目からウロコとはこのことだった。射精だけを目的とする男のセックスと、女のセックスは違う。男は出して終わりだが、女は長く何度でも、エクスタシーを感じていたいらしい。

「そうなのか」

それからわたしの考えは変わった。

還暦を過ぎて、一年も過ぎた頃、わたしは完全な不能となる。射精はするが、一物は萎びたままだ。それでも康代とは肌を合わせる。挿入が出来ない代わりに、わたしは彼女を舐り、弄くり、撫ぜ回す。それは乳房や陰部に限らず、手の指、足の指の一本一本や、内腿、背中、脇腹、尻の穴すら舌を這わせることがある。

そんなわたしの舐め技に、康代は素直に反応してくれる。

「そこ、そこお……! やあああん、いい、気持ちいい、また、またイッちゃうう、もう変になる、バカになっちゃうう!」

何度も何度も達し、最後はぐったりと四肢を伸ばして横たわる。わたしはそんな康代を眺めて、満足する。そこには、自分勝手な射精だけでは得られない、達成感がある。それと同時に、康代のことがますます愛しくなる。

怒張した一物を挿入して快感を得るのであれば、それは見た目や具合のいい女なら誰でもいい。事実、わたしはそんなセックスもしてきた。女房のような不細工な女でも、入れてしまえば気持ちいい。しかし、射精をともなわないセックスとなれば話は別だ。

女体の全てを舐る。自分自身に快感はなくても、相手の歓ぶ姿を見て満足出来る。その相手は誰でもいいというわけではない。奉仕で喜びを得ることが出来るのは、最大限の好意を持つ相手でなければならない。

康代はわたしの気持ちいい表情が好きだといった。その気持ちがこの歳になって、ようやく分かってきた。分かってきたと同時に、自分にとって康代は掛け替えのない女性だと認識する。

「気持ちよかった。今度は悟さんをイカせてあげる」

康代はよろよろと身体を起こし、わたしをしゃぶろうとする。それをわたしは留め、康代の肩に手を置き、じっと目を見つめていう。

「康代、俺と一緒になってくれないか」

「え?」

「女房とは別れる。だから、一緒に暮らしてくれないか」

康代はわたしを見つめ。そして言った。

「やだ」

「え?」

「あなたとは今までどおりがいい。会いたいときに会って、したいときにセックスする関係がいい。男の人との生活はもう懲り懲りなの」

康代はそういって微笑み、前屈みになってわたしを頬張った。

わたしは複雑な心境だった。後二年で古希になる。康代はまだまだ若い。それでも今までどおりの関係が続けられるのか。

そんなことを考えながらも、康代の舌技で恍惚となり、わたしは彼女の口の中に萎びた一物から精液を放ったのだった。

  • 【選者紹介】
  • 長月タケオ(ながつきたけお)
  • 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
  • 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
  • おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
  • 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
  • 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
  • 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
  • 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
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