Catch Up
キャッチアップ

このコーナーは官能小説家の長月タケオ氏が一般の中高年読者から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味頂ければ幸いです。編集長
【叔母さんから受けた甘美な手ほどき】
T・M 58歳 群馬県在住
いまから40年ほど前、わたしが17のとき、叔母の夕子さんが我が家に転がり込んできた。
夕子さんはそのとき、たしか37歳で独身。住み込みで働いていたパチンコ店を辞めたとかで、次に住む場所が見つかるまで居候することになったのだ。
夕子さんは母さんの妹だし、2年前に嫁いでいった姉さんの部屋も空いていたので、父さんに断る理由はない。それどころか、父さんは大歓迎の様子だった。
というのも、夕子さんはとてもきれいな人で、大人の女の魅力を十二分に備えていた。わたしはまだ高校生だったが、夕子さんの美しさは十分理解できた。
透き通るような白い肌にいつも寝ぼけ眼のようなひとみ。胸こそ母さんの方が大きかったけれど、その代わり腰は夕子さんの方が何倍も細かった。
夕子さんの住む部屋は、2階にあるわたしの部屋のとなりにあり、いつも甘い香りが漂ってきた。太陽の光よりも月光の方が似合う夕子さんの容姿に、わたしはたまらないほどのあこがれをいだいた。
わたしは童貞だった。そして、女友だちの一人もいないさびしい高校生だった。
その日、父さんが夕子さんと一緒に帰ってきた。
「いや~、偶然一緒になっちゃってさ」という父さんに、母さんは「そう」と短く答えるだけだった。
その日の夕食は、とても冷たい雰囲気の中で食べた。だれもがうつむき加減で、だれ一人として会話を試みることはなかった。
わたしは早々に部屋に引きあげた。それは夕子さんも同じようだった。けれど用を足すために階段をおりると、母さんと父さんの言い争う声が耳に飛び込んできた。
「あなた、夕子が来てから態度がおかしいわよ」
「なにバカなこと言ってんだ」
「ケーキのお土産なんか買ってきたりして」
「いままででも買ってきてただろ」
「数が違うし値段も違うわ」
「家族が一人増えたから、当たり前じゃないか」
「夕子は家族じゃない」
「実の妹にそれはないんじゃないか?」
「あの子はわたしと違ってきれいだから、むかしからちやほやされて。あなたに初めて紹介したときも言ったわよね。きれいな妹さんだねって」
「社交辞令だよ」
「そうかしら。まだ高校生だったあの子の誕生日にプレゼント買ってきたり、3人で出かけようって誘ってみたり」
「だから、それは……」
「ひょっとしたら、わたしの知らないところで、二人で会ってたとか。そう、きょうだって」
「いい加減にしろ!」
父さんの怒鳴り声がひびき、母さんは黙ったようだった。
「姉さんの焼き餅やき、まだ治っていないのね」
そのとき、わたしの後を通り過ぎた夕子さんが言った。わたしは、そんな夕子さんの背中を見送った。とてもさびしそうな背中だった。
その夜、わたしは夢を見た。夢の中で裸の夕子さんはわたしにおおいかぶさり、全身を舐めていた。
首筋、胸、みぞおちからへそのまわり。そして、わたしの股間に頭を移すと、そそり立ったペニスに舌をはわしはじめた。
わたしは金縛りにあったように身体が動かず、声も出せなかった。ただ、ねっとりとした感触に身をまかせるしかなかった。
「ううう……、ううう……、あ!」
必死になって声を出そうと試みると、その衝撃で目がさめた。すると、現実世界でも、だれかがわたしの股間にしゃぶりついているのが見えた。
夕子さんだった。
夕子さんは薄いスリップこそ身につけているものの、うっとりとした表情でわたしのペニスに舌をはわせていた。
「あら、起こしちゃった?」
「お、叔母さん……」
「なにも言わないで。したいようにさせて」
夕子さんは小さく薄い唇を開き、勃起したペニスのカリ首をなぞり、茎に舌を絡ませる。それからずず~と舐りおろし、陰嚢までさぐりはじめる。
「ああ、そんな……」
「まだよ、まだイッちゃダメ」
夕子さんはそのままわたしを呑み込んだ。
わたしの全身に電流が走る。いままで知ることのなかった快感が、わたしの脳味噌を強く刺激する。
夕子さんはわたしをほお張り、くちゅくちゅと音を立てながら首を上下させた。
ねっとりとうごめく舌の感触。上あごの裏が茎をはさみ、吸いつく力が亀頭に圧力をあたえる。根もとまで吸い込みながら上下運動を繰り返し、わたしの包皮はズリュズリュと往復する。先端に夕子さんの喉の粘膜が当たり、唇がきつい締めつけを加えてくる。
わたしは我慢の限界をおぼえ、ペニスも激しく痙攣をはじめた。それを感じ取った夕子さんは動きを素早くし、抜き差しの幅を大きくする。
「ああ、出る……」
「ふううふん、う、いいわよ、出して。うんうん。の、飲んであげるから。はんん、ふあ。全部出して」
わたしは夕子さんが咥えなおした途端、精液を吐き出した。夕子さんはそれを1滴残らず受け止め、残り汁も搾り出すと、すべてをコクリと飲み干した。
「姉さんもバカね。あなたのお父さんを、わたしが誘惑するわけないじゃない」
ぼう然と横たわるわたしの耳もとで、夕子さんはつぶやいた。
「わたしが好きなのは、あなたみたいな若い男の子。ねえ、もっと気持ちよくなりたい?」
わたしに異存があるはずはなかった。
「その前にひとつ教えて。女は初めて?」
「はい」
「裸を見るのも?」
「はい」
「ふふふ」
夕子さんは妖艶にほほ笑んで立ちあがり、窓を背にスリップを脱ぎはじめた。
その日は十五夜で、すりガラスいっぱいに青い光がひろがっていた。夕子さんは冷たい月光の中で裸になっていく。ブラジャーとパンティー姿になり、それもゆっくりとはずしていく。
「わたし、きれい」
「は、はい」
わたしは夢の続きを見ているんじゃないかと思った。夕子さんの白い肌は、それほどに妖しく現実離れした美しさをたたえていた。
夕子さんはすべてを脱ぎ去ると、わたしにゆっくり近づいてきた。そして、わたしの頭をかかえキスをする。
「好きにしていいのよ。教えてあげる」
夕子さんは、赤ん坊にあたえるように、わたしの顔を乳房に当てる。
「吸って、そう、乳首を舌に含んで転がすの。うん、そう、気持ちいい」
少し色づいた乳頭を吸い、乳肉に手のひらを当てる。指が食い込んでしまいそうな柔軟さに、わたしは驚きすらおぼえてしまう。
「うん、そう、今度は」
夕子さんはわたしから離れ、ベッドの上に腰をおろし、両脚をゆっくりとひろげた。
「ココにあなたが入るの」
「はい」
「その前にわたしを濡らして」
「え?」
「舌でなぞって指でかき混ぜるの」
「い、いいんですか」
夕子さんはうなずく。わたしは恐る恐る近づき、ヴァギナを見た。そして、顔を近づけ舐めてみる。
「キャン……」
愛らしいとも受け取れる声をあげ、夕子さんはのけぞった。わたしは顔を押し当て、肉ビラを舐る。すると、ねっとりとした愛液がにじみ出し、わたしはそれを執拗にすすった。
「ああん、そうよ、そう、じょうず。あんん、そこ、そこ、気持ちいい」
わたしは次から次へとあふれ出る愛液を飲み込む。夕子さんも身体を入れ替え、わたしのペニスをふたたびしゃぶりはじめる。
「やん、もうこんなに大きくなってる。すごく固い。挿れたい。ねえ、挿れていい」
返事を待たず、わたしをあお向けにすると、夕子さんはまたがり、導いてくれる。
「いい、挿れるわよ」
腰をゆっくり沈め、わたしの全部が挿入される。途端に伝わる、温かでやわらかい感触。口でされる以上の快感が、わたしを包む。
「ああ、入ってるの、わかる? うん、イイ、気持ちいい。わたしの身体、気持ちいい?」
夕子さんはわたしを見おろし、何度も聞いてくる。わたしは黙ってうなずくだけだ。
次第に夕子さんの動きは早くなり、腰の動きも上下だけではなく、左右前後の回転も加わる。
わたしは夕子さんの内部をかきまわす。わたしにも夕子さんのうねうねとした圧力とスライドが伝わってくる。
「イイ、イッちゃいそう。すごい、気持ちいい。ああん、いい。うん、もう、出してほしい」
夕子さんはそういって、わたしの身体を起きあがらせた。わたしのひざの上に夕子さんの身体が乗る。わたしは下から突きあげながら乳房を吸う。
「ああん、もう、イク、イクイク! ねえ、出して、わたしの中に出して!」
わたしはそのまま吐き出した。ドクリとしたザーメンが夕子さんの身体にそそがれる。
夕子さんは眉間にしわを寄せ、かすかに身震いしながら受け止めてくれた.
それからわたしは夕子さんにおぼれ、両親の目を盗んではとなりの部屋に行き、夕子さんもわたしの部屋を訪ねてくれた。
けれど、3カ月がたったある日、夕子さんは突然姿を消した。
書き置きひとつ残すでもなく、荷物を全部片づけ、家から出ていった。
それから我が家には以前の平穏さが戻ってきた。母さんは以前の母さんに戻り、わたしもさびしい高校生に戻ったのだった。
- 【選者紹介】
- 長月タケオ(ながつきたけお)
- 1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
- 1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
- おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
- 『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
- 『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
- 『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
- 『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)ほか
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- 誘惑する女 熟女たちの悦楽 長月タケオ短編集
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