Catch Up
キャッチアップ

このコーナーは官能小説家の長月タケオ氏が一般の中高年読者から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味頂ければ幸いです。編集長
【古希になって初めて体験したSM】
O・Y 70歳 神奈川県在住
50代半ばから次第に元気がなくなり、60にもなると勃ったとしてもやわらかく、70になってとうとうお陀仏状態。ほかでもないわしの愚息のことだ。
元気があったところで使う必要もないのに、とご同輩の方々は思われるかもしれないが、わしはこう見えても、かつては愛人を3人囲ったこともあり、40から50にかけては毎日毎晩、日によっては女を代えて2発、3発は平気だった。そんなことをしていたから打ち止めが早まったともいえなくはないが、あのすべすべした柔肌とぬるぬるべちょべちょのマ×コをもう楽しめないのかと思うと、生きていても仕方がないくらい気落ちしてしまうものだ。
「歳も歳なんだからあきらめなよ」
古い悪友に話すと、口をそろえて皆がいう。
「さんざん女を泣かした罰だ。けど、この歳になっても女を抱きたいという気持ちは天晴れだ」
そんなことをいって冷やかすヤツもいる。
中には「オレはまだまだ現役だ。この前も風俗の女をヒィヒィ言わせてやった」という剛の者もいる。
「風俗って、お前、まだそんな店に行ってるのか?」
「バカいえ、狭くて精液臭い店になんか、わざわざ行くかよ」
「じゃあ、どうしてるんだ」
「ホテヘルだよ、ホテヘル」
「なんだ、そりゃ」
「知らねぇのか、ホテルから電話すりゃ、女の子が来てくれるっていう」
「そりゃ、ホテトルっていうんじゃねぇのか?」
「トルってトルコ風呂のトルだろ。そんな言葉、いまどき使えねぇよ。いまはホテヘル。つまり、ホテルヘルスだ」
「ヘルスっていうんなら、マ×コはできねぇだろうが」
「お、よく知ってるじゃねぇか。けどな、表向きは本番禁止でも、カネをわたしゃあOKの女なんて、いくらでもいるんだよ」
「ほう、けど、若い女は疲れねぇか?」
「そこはそれ、30代から40代の女をそろえた熟女ヘルスっていうのがあるんだ」
「なるほど、けど、40でも若いだろ」
「バカだなお前は。玄人の40は50代。サバを読むのは当たり前だろ。だからさ、電話したときに、一番年食った女って注文するんだよ。するとだな50半ばの女が、わたし42ですぅ、なんていって部屋にくるんだよ」
「へぇ」
「こっちはさ、最初っから老けた女を指名してるからいいようなものの、前はどう見ても還暦過ぎの女が厚化粧できてさ。さすがのオレも閉口したね」
「ま、わしは、どちらかというと若いのが好きだけどな。そうだな、40手前の脂の乗り切った女がいいな」
「じゃあ、そういって指名しな。まあ、モノが勃たねえんじゃ意味ないけどな」
そこまでいわれるとさすがに悔しいので、早速、ホテヘルとやらを利用してみることにした。
新しいもの好きのわしはパソコンもスマホも使える。もちろんインターネットで情報を得ることくらい、お茶の子さいさいだ。まずは風俗情報サイトへ。そこからホテヘル、そして熟女を検索。そして目当ての店のホームページへ。
「なるほど」
わしは女の子一覧を見て納得していた。掲載されている画像は、確かに全員きれいに撮られているが、中にはどう見ても50過ぎのおばさんもいる。
とりあえず、連絡先をメモしてホテルへ向かう。ラブホテルに一人はなんなので、ビジネスホテルに入って電話した。
わしは30前半の子を指名した。タイプを聞かれたので「大人しい子」「年寄りでもバカにしない子」と付け足した。しばらく待って現れたのは、和装が似合いそうな日本的な顔立ちの、髪の長い、細身の女の子だった。
「わたしでよろしいでしょうか」
その子はいう。わしはもっとぽっちゃりとしたのが好きなのだが、面倒なので招き入れた。
名前は瑠璃という。33だといったがウソではないだろう。
「先に電話をします」
瑠璃はブランド物のカバーをつけたスマホで事務所に連絡する。
「わしみたいなジジイでも大丈夫なのか?」
「はい、逆にお年を召した方の方が安心します」
言葉遣いもていねいだし、物腰もやわらかだ。そんな女が、どんな理由でこんな仕事をしているのか。聞いてみたくなったが、それは無粋というものだ。
時間ももったいないので、交代でシャワーを浴び、ベッドの上へ。瑠璃は自分で服を脱ぎはじめ、わしも枯れた体躯をさらす。
「では、失礼します」
瑠璃はわしにあお向けになるよううながし、そして身体中を舐めはじめた。
「おう……」
わしは年甲斐もなく、瑠璃の舌の動きに声を出してしまった。瑠璃は首筋から胸板、へそから脚までたんねんに舐めまわし、そして股間をさぐりはじめる。
「わ、わしも舐めていいかな」
「はい、もちろん」
瑠璃はわしの顔をまたぐ。目の前に、ぱっくりと口開けたマ×コがさらけ出される。色は少し黒ずんでいるが、形は悪くない。わしは手を伸ばし、指でこじ開け、顔を押し当て、しゃぶってみた。
「やん、あああん」
三十路女とは思えないかわいい声を出し、瑠璃は喘ぐ。もちろん、わしのセガレをしゃぶることも忘れない。わしは舌を伸ばして穴を舐め、にじみ出てくる汁をすすった。
「やだ、ああんん、感じちゃう」
サネをいじくると、瑠璃は大きく身をよじってよがる。
「うんうん、やん、お客さん、じょうず……」
初めてのホテヘルということも手伝って、わしは興奮し、長くそそり立つことのなかったセガレが大きくふくれあがる。
「な、な、なあ」
「はい?」
「口じゃなくて、その……」
「なんですか?」
「挿れてもいいか」
その言葉を聞いて、瑠璃は愛撫をやめ、身を起こした。
「本番は禁止されています」
「そこをなんとか」
「そう、そうですね」
もったいぶった様子をしめす瑠璃。
「絶対、黙っててくれるっていうのなら」
「もちろん」
「それと……」
「割り増しだろ、いくらいるんだ」
瑠璃は指を2本立てた。わしは慌てて1万円札を2枚用意し、瑠璃にわたす。
「じゃあ。本当はダメなんですよ」
「わかってる、わかってる」
わしは瑠璃を押し倒し、覆いかぶさって形のいい乳を舐る。
「やん、ああああん」
手を伸ばしてマ×コをさぐると、十分濡れている。わしは、しぼまないうちにとあせりながら脚をひろげさせ、そのまま中へ突入した。
ずんずん腰を振って抜き差しし、最後は瑠璃の腹の上に出した。
「ありがとうございました。また、指名してくださいね」
最後に見せた笑顔が気に入って、わしは懲りもせず、数日後、指名して瑠璃を呼んだ。
「ご指名、ありがとうございます」
瑠璃は満面の笑顔であらわれた。わしは最初に割り増し分を払い、逢瀬を楽しむ。瑠璃の中は、窮屈というほどでもないが締りがあって、汁の量も多い。乳も決して大きくはないが、形がよく、やわらかい。肌も、ハリはないものの、吸いついてくる感触とキメ細やかな艶を放っている。
わしは、会うたびに瑠璃のことが気に入った。しかし回を重ねると、さすがに慣れと飽きがくるのか、最初のときのように大きく固くはならない。
「どうしたの? 元気ないですね」
わしをしごき、しゃぶりながら瑠璃は言う。
「もうダメかな、今日で終わりかも知れんな」
わしは寂しそうにいう。
「そんなのイヤ。せっかく本指名をいただけるまで仲よくなったのに。そうだ、ちょっと変わったことしません」
瑠璃は提案する。そしてカバンの中をごそごそさぐり、なにやら取り出してくる。
「さ、これでわたしを縛ってください」
手にしたのは麻縄だった。わしは手わたされ、あ然となる。
「実はわたし、縛られるの、好きなんです」
そういうと、興奮で早くも瑠璃の目は潤みはじめている。
わしは仕方なく、慣れない手つきで瑠璃を縛った。すると、手足の自由が奪われ、肌に荒縄を食い込ませ、とくに乳房が大きく張り出すさまが、なんともスケベに見えてくる。
「こ、このままわたしを蹴って、叩いて!」
いわれるままに瑠璃を足蹴にし、尻を叩くと、なるほどわしも興奮してくる。けれど、一物はしなびたまま。だが、しなびたモノを口に咥えさせ髪の毛を引っ張ると、瑠璃は涙を流して歓んでいる。
「なるほどな」
その次からは、ムチや張り型などを使って瑠璃を責めた。瑠璃はいままで以上に喘ぎ、悶え、わしはその姿を見るだけで満足した。
それからはいじめることで何よりも興奮するようになり、瑠璃とはもちろん、本格的なSMクラブにまで通うようになった。新しい刺激で血の巡りもよくなったのか、セガレも元気を取り戻してきた。
カネはかかるが、楽しく生きるためには仕方がない。そう思って、いまもはげんでいる。
【選者紹介】
長月タケオ(ながつきたけお)
1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)
ほか
長月タケオ『誘惑する女 熟女たちの悦楽』
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