Catch Up
キャッチアップ

このコーナーは官能小説作家の長月タケオ氏が一般の中高年読者から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する時代背景があり、実際の体験談ならではの生々しい性の現実があります。懐かしくも妖しい古き良き官能の世界をご賞味頂ければ幸いです。編集長
【還暦を過ぎて悟ったオッパイの魅力】
T・K(62)大阪府在住
昔は顔立ちのいい女ばかりを相手にしてきた。顔が悪いと、どんなに乳がでかくても、どんなにアソコの具合がいいと評判でも見向きもしなかった。逆に美人だとどんなに性格が悪くても、どんなに身持ちが悪くても、入れ上げ、言い寄っていったものだ。
理由はある。
美人を連れているとみんなが羨ましがる。貧乏育ちで学がなく、苦労のし通しで今の商売を盛り上げてきた俺には、人から羨みの目で見られることがすこぶる快感だった。
そして、総じて美人はプライドが高いから、逆にへりくだれば簡単に落とせるというのにも気づいたからだ。
そのとき、俺はまだ丁稚奉公の真っ最中で、女と付き合うことはもちろん、カネで買うこともままならなかった。そんなとき、仕事先の近所にあるスナックに、腰が抜けてしまうほどのべっぴんがいた。
俺は無理を承知で言い寄った。少ない給料を工面して、何かにつけてプレゼントを贈ったりもした。もちろん、最初は相手にされなかった。けれど、俺が奴隷のように尽くし始めると、女は仕方なさそうな顔で一晩付き合ってくれた。それから独り寝が寂しいときなんかは、俺のことを誘ってくれた。
女は確かに美人だった。けれど、それが災いして、どうせ男かパトロンいる、と早合点した奴らは、彼女をちやほやするだけで誰も手出ししようとはしなかった。
当時の男連中は今の若い奴らと違い、女に対してへりくだったりしない。女は3歩下がってついてくるものだと信じている。だから、どんなに美人でも、プライドをかなぐり捨ててまで熱を上げない。
女も女で、あまりに美人だべっぴんだと言われるものだから調子に乗って、よほどの男でないとなびかない。一晩限りの遊びだなんてもってのほかだ。だから、美人には男が近寄らない。
俺はその逆を取った。誠心誠意、女に尽くし、他の奴らから、情けない、だらしない、と言われても、それこそ奴隷のように従った。そうすると、誰もが高嶺の花だと諦めていた女が、いとも簡単に股を開いてくれる。一度身を交わせば情も移る。
「醜女の上ボボ」というが、その女は顔も良くてアソコの具合もいい、乳の張りも抜群という、俺には勿体ない女だった。初めての夜。俺は裸で寝そべる女を前にして思わず拝んでしまったのを覚えている。
女は俺を邪険に扱おうとしたが、いざモノを突っ込み、腰を振ると、その美麗な顔を歪めて喘ぎ悶える。
興奮したね。たまんなかったよ。
乳を鷲掴みにし、オ○コのじゅめじゅめ、グネグネした感触を楽しみ、俺は体中の汁が搾り出るほど女の中に吐き出してやった。
俺はそうして、スナックの女を手に入れた。時々連れて歩くときなんかの、周りの男たちの羨ましそうな顔。
俺はそのときから、みんなが避けるような、とびきりの美人ばかりを狙うようになった。
けれど、最近になってその考えも改まってきた。まずひとつは、世間の男にも女にもプライドがなくなったと言うことだ。
男連中は、たとえ人前でも女にこびへつらい、女は女で、相手の見た目さえ良ければ簡単にパカパカ股を開く。
夢を売る芸能人でも中に出されて妊娠し、臆面もなく婚約発表をするといったご時世だ、顔が綺麗だからといって、高嶺の花だとは言えなくなった。
もう一つの理由は、女は簡単に化けてくれるが、簡単に化けの皮も剥がれるということだ。
夜目に綺麗だと思った女を、太陽の下で見ればよく分かる。また、朝まで一緒に過ごして、化粧のとれた女の顔を見ればよく分かる。
若い女はさすがに素顔も寝顔も可愛いが、年を取ると見られなくなる。俺も年を取るからいつまでも、ミーちゃん、ハーちゃんばかりを相手にできない。
心境の変化というやつか。
そうなってくると、今度は違う魅力で女を選んでしまうことになる。顔からではなく、脚から女を見るようになればオヤジの域に入った証拠だといわれるが、俺は最近、胸ばかりに目がいってしまう。とくに春も終わって、5月、6月の声を聞く頃になると、女はみんな薄着になり、まだ日に焼けていない白い肌を剥き出しにしている。
俺たちが若い頃は、乳のでかさを隠すためにサラシを巻いた女もいたが、最近は逆に胸のでかいのが自慢になるらしい。奥ゆかしさがなくなったといえばそれまでだが、嗜好の変わった俺にとっては大歓迎だ。
でかい乳、小振りな乳、パンパンに張りつめた乳、少し垂れ下がった乳、乳頭のでかいの小さいの、それこそ形は千差万別。しかし、揉めばどれもが柔らかく滑らかで、俺の興奮を高ぶらせてくれる。見た目は醜悪でも舐めれば甘いし、仰向けにすればそんなに気にならない。
それでもやっぱり、こんもりと盛り上がった丸い乳肉に、腋からはみ出る輪郭、含んで転がすのにちょうどいい大きさの乳首に、揉めば指が食い込むほどの柔軟さを湛えた乳房が好ましい。
俺はそんなことを考えながら、ある日、友人たちと連れ立ってヘルスへ出かけた。
じゃんけんで負けて順番が最後になった俺は、残り物には福がある、と心で呟きながら待っていた。けれど、表れたのは、まぁ、びっくりするほど不細工じゃないが、犬のチンを一回踏みつけたような顔。鼻は低く、目も小さい。口元だけがかわいらしいのが救いか、といった風の女だった。
仕方ないから、俺は女と一緒に狭い部屋に入った。女も自分が美人でないことを知っているのか、まあまあ、人なつっこく相手してくれた。
けれど、女の乳は絶品だった。
浮き出た鎖骨から自然な盛り上がりを見せ、真円に近い輪郭を保っている。ピンと勃起しツンと上を向いた乳首は、子供のように小さくもなくブドウのように大きくもなく、桜色して微かに盛り上がった乳輪の中に納まっている。部屋の淡い光を受けて肌は艶やかな光沢を放ち、あばら骨は浮き出ていない。
「いやん、お客さん、じろじろ見んといて」
ミカと名乗った女は恥ずかしげに、それでも人の良さそうな笑みを浮かべている。俺はいきり立ったチ○ポをぶち込みたくなる衝動に駆られたが、ヘルスではご法度だ。我慢我慢。
「それじゃあ始めまぁす。何かリクエストあります?」
「リクエスト?」
「お口に出すのはええけど、顔に掛けるのと飲み込むところを見るのはオプションになりまぁす。指入れは禁止。もちろん、本番も」
「乳を……」
「え?」
「乳をしゃぶらせてくれ」
「オッパイですか? いいですよ」
俺はミカの許しを得て、早速むしゃぶりついた。想像以上に柔らかさとハリ、そして滑らかさ。乳首はコロコロと舌の上で転がり、じっとりとろけて微かな甘みを与えてくれる。
「ああん、お客さん、感じちゃう」
ミカは切なそうな声を上げる。俺は両手で形が歪むほど指を食い込ませ、揉み上げる。ミカはウンウンと短く声を上げ、伝わる感慨に耐えているようだ。
「お、お客さん、も、もう、いい…」
「まだや、まだまだ」
「ああん、わたし、ダメ、ダメなんです。オッパイ、弱いん……」
片方を存分に楽しむと、もう片方を舐り倒す。それこそ、乳首が唾で溶け、乳肉が剥がれ落ちてしまいそうになるほど、しゃぶり続ける。ミカの俺の頭を抱えていた手に力が加わる。
「ああんん、お客さん、わたし、ミカ……」
「はう、はうはう、ほう…」
「ああん、ミカ、だめ、こんなん初めて」
胸を揉まれるだけで女はイクことができるのか、俺は知らない。けれど、俺はミカの乳に埋もれて至福の時を過ごしている。
モノは固く大きく尖り、先がぬるぬると濡れている。このまま、ミカを舐り続けているだけで達することができるかもしれない。ミカの乳は、それだけの魅力を湛えている。
「お客さん、お客さん」
「は、な、何や?」
「時間が……」
「俺はこのままでええで」
「そ、そやけど……」
ミカはいつの間にか、俺のチ○ポを握り扱き始めていた。
「な、舐めんで、いいんですか?」
「かめへん、俺はお前の乳をしゃぶってるだけで」
「ほ、ほな……」
ミカの手の動きが早くなる。興奮が高まり俺は果てそうになる。
「おおお、おおお!」
「ああん、お客さん、あん」
「おお、出る、出る!」
俺はそのまま、ミカの手の中に吐き出した。ミカはべっとりとこびりつくザーメンを見て不思議そうな表情を浮かべている。
俺は久々の満足を味わった。ミカの乳。それは口でされるより、オ○コに突っ込む以上の快感を与えてくれた。
それから妙な性癖が起こるようになった。ミカほど絶品ではなくとも、そこそこの乳があれば俺はしゃぶるだけで満足できるようになっていた。
しかし、中には変な顔で俺を見る女の子もいる。せめて、口に吐き出すべきなのか。けれど、しゃぶってもらってる間は乳が吸えない。本番なら大丈夫だがソープは割高だ。
どうしたものか。これも年を取ったせいなのか、などと思う今日このごろである。
【選者紹介】
長月タケオ(ながつきたけお)
1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。
1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。
おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)
『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)
『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)
『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)
『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)
ほか
長月タケオ『誘惑する女 熟女たちの悦楽』
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