【山之上彼方プロフィール】

陰謀説・オカルトライター。木曜スペシャルやUFO、1999年終末予言などに心震わせ青春を過ごしたオカルト世代。あの世とこの世は本当に地続きかもしれないと思っている。ましてや宇宙人がいないわけがないと断言する情熱家でもある。

「それ、本当に縁起が悪いの？」

11月18日、ネットニュースを見ていると、こんなタイトルが流れてきました。

「永山瑛太、ツイッターで怒り『うちの嫁を馬鹿にした奴、許さないぞ』」。

なにやら穏やかではありません。思わずクリックしました。俳優の永山瑛太の嫁は木村カエラ。どうやら瑛太さん、木村カエラの大ヒット曲で結婚式の定番ソング「Butterfly」を“縁起が悪い歌”と紹介しているニュース記事に激怒したようです。

　縁起が悪いとは恐ろしい書かれよう。そもそも木村カエラの「Butterfly」が縁起が悪いというウワサを聞いたことがなかったので驚きました。コメント欄を読むと

・蝶は短命なので、結婚の歌に使うには縁起が悪い。

・結婚式の歌なのに夜の蝶を思わせるのかも。

という深読みもありましたが、いやいや、その程度で縁起が悪いって納得できません。

しかしそれでも一度「縁起が悪い」というイメージが出ると危険は危険。楽曲に罪なし、と分かっていても、全方位縁起を担いでナンボの儀式である結婚式では避けられてしまいそうです。

あの結婚式の超定番だったコブクロの「永遠にともに」も陣内孝則と藤原紀香の結婚式で歌われたことで、すっかり結婚式で歌われなくなってしまいました。ただ、こちらの場合は「陣内と紀香が離婚した」という理由があるので、まだコブクロも納得できるでしょう。

しかし今回は「縁起が悪い」という言葉を使われているのみ。「縁起が悪い」「運気が下がる」という言葉はかなり恐ろしい。不気味パワーが強いくせに、根拠がないのですから。木村カエラ、気の毒過ぎる！

　ということで、昔から伝わる「縁起が悪いもの」も、案外こじつけが多かったりします。例えばお賽銭は、10円は「遠縁」、500円は「これ以上大きな硬貨（効果）がない」という語呂で、入れない方がいいという説があるようです。

しかし私の知る限り、10円をチョイスする人がほとんどではないでしょうか。1円は釣銭処理みたいで罪悪感があるし、10円が妥当ではないですか。そもそも10円を入れたから「あ、コイツ遠縁」と縁を遠のかせる神様なんて意地悪過ぎてガックリです。500円玉に関しては「入れない方がいい」と言われずとも、そもそもチョイスしません。お賽銭には高すぎます。結局調べてみると「いくらでも「感謝の気持ちがあればいい」そうです。

一般認知度が高いものはマナーにも関わってくるので、縁起の良し悪しはある程度覚えておいた方がいいものもありますが、「ん？ これがなぜ縁起が悪いの？」と首をかしげるようなものがあれば、自分でいろいろ由来を調べてみるのもいいでしょう。

話が逸れましたが、「縁起が悪い」などというボンヤリ恐ろしい言葉を簡単に人の作品に対して使わない方がいいぞ、と思ったのでした。負の言葉は恐ろしいパワーを持って、ブーメランの如く返ってきますから。

そしてこれに『うちの嫁を馬鹿にした奴、許さないぞ』と反応した永山瑛太さん、気持ちは分かりますが、反応しないで放っておきましょう……って瑛太さん、この記事読んでますか。読んでないか……。