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【山之上彼方プロフィール】
陰謀説・オカルトライター。木曜スペシャルやUFO、1999年終末予言などに心震わせ青春を過ごしたオカルト世代。あの世とこの世は本当に地続きかもしれないと思っている。ましてや宇宙人がいないわけがないと断言する情熱家でもある。
【暗い世の中とスピリチュアル番組②】
世の中が不穏な動きをする時期、ブームになるのが「スピリチュアル」。前回は2006年の「オーラの泉」ブームを振り返りました。今回は2003年の細木数子さんブームについて、ものすごく大雑把に検証していきたいと思います。
細木さんは2003年頃から特別番組に出演。占いと歯に衣着せぬ人生相談が注目されていきます。2003年の世相は少し今と似ています。残酷な少年事件が多発し、新型肺炎SARSが大流行。米英軍がイラクを攻撃し、世界各地で爆弾テロも起こり、日本は自衛隊をイラクに派遣し……と、とにかく暗くて不安な状況でした。そんなときこそ、求められるのが毒舌。2ちゃんねるが大盛り上がりしたのもこの頃でした。
かくして細木数子さんも人気が出て、どんどん地上波に顔を出していきます。2004年からは、伝説の番組「ズバリ言うわよ!」が開始。MCはくりいむしちゅーと滝沢秀明。くりいむしちゅーの二人もかなり罵倒されていましたが、ここで細木さんは「馬鹿野郎」や「アンタ死ぬわよ」「地獄に落ちる」など、恫喝スタイルを確立。BPO(放送倫理・番組向上機構)にはクレームが殺到していたそうです。それでも、ウィル・スミスやオーランド・ブルームなどの世界的スターまで出演し、鑑定されていたこの番組。多くの人が彼女の毒舌を楽しんだのは間違いないでしょう。
細木数子さんの助言で「ハッピーハッピー」と芸名を変えたコアラさんがいましたが、細木さんは「人に言われてホイホイ改名するのは馬鹿のすることです」と語っていたのだとか。エエッ!
さて、細木さんは「本業の仕事に専念する」として、2008年3月を以ってテレビでのレギュラー出演を終了します。
終わってみれば「あれはなんだったのだろう」。というより、彼女はなぜあんなに攻撃的だったのだろう、少し考えれば禁句だとわかる「死ぬ」を連呼したんだろう、と不思議でなりません。番組側から「もっと派手に言っちゃってくださいよ!」とか言われたのか……?
私ごときがどれだけ考えてもわかるわけがないのですが、私はある番組で、小刻みに首が揺れて止まらない細木さんを見ました。それからしばらくしてテレビから姿を消したので、コントロールできなくなってきた部分があったのかな、と勝手に思っています。
占い師も神様ではなく同じ人間。細木さんに限らず、彼らは毎回、占われる側の緊張や反応を受け、ナメられないための演技をし、ときには憎まれ、とんでもないダメージを食らっているのかもしれません。
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