【山之上彼方プロフィール】

陰謀説・オカルトライター。木曜スペシャルやUFO、1999年終末予言などに心震わせ青春を過ごしたオカルト世代。あの世とこの世は本当に地続きかもしれないと思っている。ましてや宇宙人がいないわけがないと断言する情熱家でもある。

【暗い世の中とスピリチュアル番組①】

世の中が不安に陥った時は、人は形のないものに頼るようになるといいます。特に、これまで価値があると思っていたものが何の意味もなさなくなっている今の時代。愛と魂のパワーを高めるための「スピリチュアル」が注目されるのは、当然のことでしょう。

今、「突然ですが占っていいですか」という番組が人気です。占い師に「こんなことがあったでしょう」「○○区の星が入っている」と言われ、「えっなんでわかるの？」「えっ、そこ住んでます…」と驚くタレント。流れる「ロックオン~♪」というBGM。タレントの素の反応が興味深いのですが、たまに占い師の方を崇めるような表情になる方もいて、少し心配になります。

同じような現象が過去にもありました。2003年の細木数子さんブーム、2006年の「オーラの泉」ブームです。今回は「オーラの泉」を振り返ってみましょう。

国分太一が司会を務め、美輪明宏＆江原啓之が、ゲストの前世と守護霊を見るという番組でした。江原啓之さんの「全てお見通し」的笑顔、天草四郎の生まれ変わりという、美輪さんの人類を超越した存在感。この2人が、ゲストの背後にユラユラと視線を揺るがせ「あ、あなた守られてるわね」「今ね、ご先祖さんがいますよ」などと教えてくれる内容でした。ゲストに背後霊がいっぱい憑いていて、江原さんが具合が悪くなるというとんでもない回もありました。

私も最初は面白く観ていたのですが、途中から観るのをやめました。ある日ふと、こんなことを思ってしまったのがきっかけです。「霊感もなにもなさそうなのに、江原さんと美輪さんの中に混じってシレッと司会をしている国分太一ってすごくない？」と。「よほど素晴らしい前世があるか、この2人に混ざっても遜色のないオーラを放っているのだろう。国分太一、最強」……と！

しかしここで「いかん、私は自分の目で見えもしないオーラや前世で、人を判断しようとしている！」と我に返りゾッとしました。私のように感化されやすいタイプは、真剣に見過ぎると危険だと気づいたのです。

その霊視や占いが当たっていようが当たるまいが、見ている方は色眼鏡がガッチリついてしまう。ということで、今回の「突然ですが占っていいですか」も、裏で放送されているドラマ「ハコヅメ」を優先するようにし、距離を置いています。

人の心は弱い……。「スピリチュアル」というジャンルは、諸刃の剣ですね。

そんなことを言いつつ、先ほど調べていたらネットで「無料オーラ診断」というのがあったので、さっそくやってみました。好奇心には抗えません。

結果は「赤」。プラス思考でパーティ好き、トラブルも自分で解決してしまう強い心の持ち主なのだそうです。1ミリも当たっていない……。逆にホッとしました。