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このコーナーは関西在住の女性ライター・法善寺灯子さんに関西のシニアの皆様の魅力を語っていただくものです。関西流の笑いと人情味溢れるシニアの生き様はきっとこの世知辛い浮世に一筋の光を与えてくれるでしょう。関西のオジ様とオバ様とお爺さまとお婆さまと、おとんとおかんのパワーが皆様の健康とご長寿の活力になることを切に願います。
編集長
【大検証「関西人はせっかちなのか」】
さて、今回はきっと多くの人が関西人にイメージしているであろう「せっかち」について掘り下げてみようと思う。
というのも、ある方から以下のようなご質問をいただいたのだ。
「関西人は『ちょっとすみません』と言ってから、3秒以内に要件を言わないと怒り狂うと聞きました。あながち信じられませんが本当のことでしょうか」。
私は天を仰いだ。きっとそれは関西人ではなく大阪人一択だと思うが、あり得なくはない。そう。大阪人の多くは「いらち」と呼ばれるせっかちな性格。エスカレーターをルームランナーの如く走って乗るお土地柄なのだ。70になる私の叔母のエピソードを例に出すと、彼女は帰り道、自宅マンションが小さく見えてきた時点でカギを持ち、鍵穴にツッコむ角度に手と腕を整えるという。そのままの体勢でマンションまでかなり歩くので、いつか腱鞘炎になるのではと心配している。ならばなぜそんなに早くカギを差す準備をするのか聞くと
「そうせんと落ち着かへんねん」。
なるほど。大阪の「いらち」は先天性なのかもしれない。
しかし、それでもさすがに、誰かに「ちょっとすみません」と聞かれてから3秒以内に要件を言われないだけで怒り狂う、というのは極端なケースではなかろうか。
自分ならどうだろう。そう思いアイフォンのストップウォッチを使って一人シミュレーションをしてみた。
「ちょっとすみません」1・2・3……。
うむぅ3秒って思ったより長い。怒り狂いはしないが、確かに人をひき留めておいて、これだけ間を取られたら
「なにが言いたいねん!」
とツッコみ、裏手パンチくらいはしそうだ。
速さを求めるのは、大阪人が会話のテンポを大事にするからではないだろうか。ノリツッコミは基本中の基本。そしてノリツッコミはスピードが命なのだ。
大阪人は「ちょっとすみません」と聞かれて即座に、「道を聞きたいのですが」もしくは「チャック開いてますよ」もしくは「アンケートお願いします」など続けて言われそうな数パターンを想定し、それに対しての「返し(ギャグ)」を、0.5秒ほどの間にチャチャッと脳内で準備しているのである。ここまで素早くナイスコミュニケーションの体勢を整えているのに、3秒も間を空けられちゃテンポが乱れるのだ。
逆に言えば、もし「ちょっとすみません」と声をかけてから3秒間を空けただけで、「早よぅ言えや! なにトロトロしとんねん!」などと怒り狂う人がいれば、その人はよっぽど素晴らしい返しを思いついたのだろう。一刻も速く言いたくてたまらないのだ。
ということで、大阪に来たら「とりあえず話しかけてから質問の仕方を考える」のではなく、「相手が面白い返しをしやすいような質問の仕方を先に考えておいてから、声をかける」という順番にしてみよう。それがトラブルを避けるコツである。しらんけど。
【法善寺灯子さんのプロフィール】
関西在住ライター。性別:女性。好物は串カツとお好み焼きのブタ玉。兵庫、大阪、京都、奈良、三重、滋賀などフットワーク軽く駆け回り、愛すべき関西の面白ネタをAa探す。
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