コロナ禍でひそかに人気が再燃している“禁断の遊び”。非日常を求め、男と女の「裸の宴」が幕を開ける

　6月12日の深夜3時、小雨が降る中、静岡県警の捜査員150人が、浜名湖畔の貸別荘に突入する“大捕り物”があった。

「ここで130人規模の乱交パーティがあるとのタレコミが事前に入りました。　浜名湖は県民にとって郷土の誇り。ましてや、現場周辺はマリンレジャーや学生の課外活動にも使われる健全な場所です。乱交パーティなど、とんでもない話ですよ」（静岡県警関係者）

　大勢の捜査員が建物に踏み込むと、リビングで裸で抱き合っていた自称・会社経営の男（52）と自称・専門学校生の女（34）を、公然わいせつ容疑で逮捕。また、田渕照明容疑者（54）と加藤砂恵子容疑者（51）を、公然わいせつほう助容疑で現行犯逮捕した。

「踏み込んだ時間が遅かったため、“宴のあと”で寝ている者も多かった。現場にいたのは男女計60人ほどで、全員、事情聴取しました。 ただ、裸で抱き合っていた2人以外の参加者は、客観的な証拠はない。身分確認を行い、逃亡の恐れもなかったので、逮捕はしていません」（前同）

“乱れた夜”を堪能し、ひと足先に帰った者もいたが、

「車のナンバーを控えているので、事情を聞くことはできる。今後どうするか、検討中です」（同）というから、参加者たちの眠れぬ夜はしばらく続くことだろう。

　6月20日、本誌記者は事件の舞台となった貸別荘に向かった。幹線道路から湖沿いに走る細い一本道を進む。別荘の周囲は学校関係の宿泊施設があるだけで、人けはほとんどない。

「あそこは奥まった所に建物が2棟あって、20人で両方貸し切りにすると15万円くらい。いつも多くて10人くらいだけど、事件の日は駐車場に車があふれていた。　カップルばかりで、年齢層もバラバラだったから、なんか怪しいなあと思ったね」（事件当日に近くを通った住民）

　あの夜、この貸別荘に集まったのは、どのような人々だったのか。

　公然わいせつで逮捕された、自称・専門学校生の女の都内西部にある自宅を訪ねたが、人けはない。小雨が降る中、ベランダでは干しっぱなしのワンピースが、風に揺れていた。

「住んでいるのは、普通の奥さんですよ。小学生のお子さんもいます。専門学校生?　それは初めて聞きましたね」（近所の住民）

　駐車場には国産高級SUVと電動アシスト自転車、子ども用自転車が置かれ、生活に余裕が感じられた。

　近くにある容疑者の実家を訪ね、インターホンを鳴らすと、母とおぼしき女性の声が。来訪の目的を伝えたところ、10秒ほど絶句し、「よく分からないので……」と言って切れた。

　公然わいせつで逮捕された、もう一人の容疑者、自称・会社経営者の自宅も都内西部にあった。JRの最寄り駅から徒歩数分の瀟洒なマンションは築26年ほど。家賃は「2DKで14万円くらい」（住人）と、そこまで高くはないが、駐車場には高級外車が並んでいた。「今回のパーティは、金持ちが多かった。特に男性は医者や、経営者が多く、駐車場には東西各地のナンバーの高級車がズラリ。客筋がいいのは、シュンさんとリンコさんの“腕のよさ”でしょう」（パーティに参加した男性X氏）

　この「シュン＆リンコ」こそが、今回の130人乱交パーティの主催者で、前述の公然わいせつほう助容疑で逮捕された田渕容疑者と加藤容疑者の2人。

　シュン＆リンコは、「熟カップル」の名でも知られた“スワッピング界のレジェンド”だという。

「“熟カップル”は多くの愛好家と交流を持つ一方、ビジネスとして都内を中心に、大小さまざまな乱交パーティを開催していました。『浜名湖フェス』は、その“全国大会”に位置づけられた恒例行事です。

　シュン＆リンコさんの知り合いやアダルト掲示板経由で、日本中から愛好家が集まりました」（前同）

　参加費としてカップル1万円、単独男性は1万5000円が徴収されたという。

「貸別荘の1棟がヤリ部屋用でした。まずリビングに集まって半裸状態で酒を飲み、カップル同士で合意すると部屋に向かう感じです。　2つある6畳の洋室がスワッピング用、8畳の和室が乱交用に分けられていた。夜に2回、“乱交タイム”があって、そのときは、すさまじい光景になりました（笑）」（同）

“乱交慣れ”したシュン＆リンコは、準備にも抜かりはなかったようだ。

「大量のコンドームと吸水シートが用意されていました。吸水シートは、潮吹き対策用です。乱交だと、男性陣の波状攻撃で大量の潮を吹く女性も多い。ベッドや布団を汚さないため、シートを下に敷くわけです。　乱交タイムの後は、汗と体液が混ざった、異様な匂いに満ちていました」（同）