【山之上彼方プロフィール】

陰謀説・オカルトライター。木曜スペシャルやUFO、1999年終末予言などに心震わせ青春を過ごしたオカルト世代。あの世とこの世は本当に地続きかもしれないと思っている。ましてや宇宙人がいないわけがないと断言する情熱家でもある。

「黒猫は縁起がいい！？」

　私の家の近所に、黒猫が住み着いているようで、よくトフトフと歩いているのを見かけます。特に気にしてもいなかったのですが、仕事で大きく落ち込んでいたある日。その黒猫が目の前をバシッと横切ったのです。踏切の前に電車が通るかの如く！

　私は瞬時に思いました。

「くっ、黒猫が目の前を横切るとは縁起わりぃー！！」

　しかし、すぐに思い直したのです。本当に縁起が悪いのか？　と。

　いつからでしょう。黒猫を偏見の目で見るようになったのは。物心ついた時にはもう刷り込まれていました。なのに「なぜ縁起が悪いのか」、理由を全く知らないのです。

　これはいけない、ということで調べてみると、驚きの情報が…！　近代以前の日本では、逆に黒猫は縁起の良い「福猫」として大切にされていたそうなのです。江戸時代には、なんと黒猫ブームまであったのだとか。黒猫には病気（結核）を治す力があるとまで言われており、新選組の沖田総司も飼っていたそう。肺の病気を治す言い伝えがあるなんて、コロナが流行している今こそ、黒猫が再評価されるべきではないでしょうか！

　しかしなぜ、いつから黒猫は縁起が悪い動物に成り下がってしまったのでしょう。 どうやら、明治時代から急激に普及した西洋文化が原因のようです。

　中世ヨーロッパでは「魔女狩り」が行われた時代から、黒猫は魔女の化身で悪い魔力を持っている、と伝わっていたようです。それが西洋文化とともに日本にも伝わり、黒猫もとばっちりを受けてしまったというわけです。

　なんたることでしょう。私は心の中で黒猫に謝りました。そして、私の前を黒猫が横切ったときの気分を「ラッキー！」と上書きしました。

　しばらく私は健康な気がします。もちろんコロナ対策と予防はきちんと守りますが、根拠のない自信とパワーが湧いてきています。ありがとう、福猫！

　ポジティブな言い伝えを信じる者は救われる、ですね。