【山之上彼方プロフィール】

陰謀説・オカルトライター。木曜スペシャルやUFO、1999年終末予言などに心震わせ青春を過ごしたオカルト世代。あの世とこの世は本当に地続きかもしれないと思っている。ましてや宇宙人がいないわけがないと断言する情熱家でもある。

「クリスマスの恐ろしい伝説」

早いものでもう12月も半ば。クリスマスが近づいてきています。

クリスマスといえばイエス・キリストの誕生日とされていますが、実は違うようです。そもそもキリストの誕生日は聖書には記されておらず「いつかわからない」のだとか。12月25日に定められたのは、なんとキリストの死後何百年も後の話なのです。

では、なぜ12月25日なのか。諸説ありますが、根強いのが「布教に都合がいいから」。ちょうどクリスマス前後は冬至の時期で、異教​の​祭りもたくさん祝われています。そこで、当時の教会が「ワシらも祭りに参戦しようぜ！ 知名度も上げやすいし」と、この日をイエス誕生を祝う日に設定した……というものです。実際、その通りになったのですから、教会のプランニング、さすがというしかないでしょう。

しかし今となっては、クリスマスの主役はサンタクロースに乗っ取られています。プレゼントを運んできてくれる人が優先。ある意味仕方のない流れです。

サンタクロースのモデルは、3世紀、ローマ帝国で司教を務めていたとされる「聖ニコラウス」。彼にまつわるエピソードはなかなか興味深いです。

　一つは、聖ニコラウスの近所に住む貧乏な家に金塊を投げ入れたという話。なんとこの家は3人の娘に売春をさせ、生計を立てようとしていたそうでなのです。それを止めるため、夜な夜な金塊を投げ入れる聖ニコラウス……。

　これが子どもたちにプレゼントを配る習慣のもとになった、という説もありますが、正直ノリと深刻さが全然違う！　貧困を救うどころか、親が金銭的に困るシステムになって現代に伝わっているのが恐ろしいところです。

　二つめのエピソードはものすごくダークです。ある肉屋が、迷子になり助けを求めてきた3人の小さな子どもを殺して細かく切り、塩漬けにしました。その7年後、聖ニコラウスは、この肉屋に泊まることになり、なんと肉屋の悪事を見抜いたのです。肉屋は自分の殺人を見抜いた聖ニコラウスに恐れおののき逃げました。聖ニコラウスは塩漬けされた子どもたちを生き返らせたのでした……。

　子どもを切り刻み塩漬けにする肉屋が怖すぎて、聖ニコラウスの奇跡より、肉屋の過去や精神状態が気になります。

　クリスマスの伝説は調べるほどに深く、そして大人の事情が出てきますね。