『ハコヅメ〜たたかう！交番女子〜』（日テレ）が好調だ。同作品は、ある交番に配属された新人女性警官とベテラン女性警官がペアを組んで頑張る姿を描いたもので、泰三子氏原作の漫画が原作となっている。

　この泰三子氏、「某県警に10年勤務」していたというバリバリの経歴を持っているが故に、出てくるエピソードが妙にリアルで、交番勤務の女性の実態が赤裸々に表現されているのだ。

　キャスティングがまた絶妙。ベテラン警察官を演じるのが戸田恵梨香。新人警察官を演じるのが永野芽郁。二人の演技がドラマにリアリティを与えている。

　ちなみに、戸田恵梨香と永野芽郁といえば、『スカーレット』（2019）、『半分、青い。』（2018）というNHK朝ドラの主演女優。朝ドラ好きの筆者としては、どうしてもチェックしたくなる作品がこれ、というわけだ。

　永野芽郁が演じる川合麻依は、「警察官はキツい」という理由から辞表を出そうとするところからドラマは始まる。辞表を出すタイミングを図っているところで、「問題を起こして交番に飛ばされてきた」というウワサの藤聖子（戸田恵梨香）とペアを組むように命じられ、辞表を出し損ねてしまう。

　まあ、結局のところ辞表は藤の手で破り捨てられ、川合は藤とペアを組んでやっていくことになるのだが、この川合の設定が視聴者に近いので、交番を中心とした警察の日常に違和感のないリアリティを感じることができるのだ。

　第三話で川合には似顔絵を描く才能があることが分かって、今後の展開が楽しみになってくる。何にしてもこのドラマ、出てくるエピソードが、通常の刑事ドラマのような「大事件」ではないところがミソ。せいぜい、窃盗犯や詐欺師、痴漢などだが、それぞれに関わる女性警察官の具体的な動きが手に取るように分かるのが面白い。

　この今のクオリティを保ったまま、最終話まで進んでいってほしいものだが、ここにきて、気になる情報が飛び込んできている。なんと、永野芽郁が新型コロナウイルスに感染したというのだ。現在は自宅療養中ということだが、『ハコヅメ』の撮影はまだ終了してはいない。

　今後の撮影や放送に関しては現在検討中とのこと。もしかしたら、放送中断やら最終話の放映日延期などという事態が起きるかもしれない。

　何が起きるか分からないが、永野芽郁の回復を待って撮影を再開、無事に最後まで放送してほしいものだと思う。

• （文）久慈修人『週刊大衆』専属記者。【Twitter】@SayEach
• （編集）スナイパー神津『週刊大衆』編集部員。【Blog】https://sniperkozu.com/