このコーナーは関西在住の女性ライター・法善寺灯子さんに関西のシニアの皆様の魅力を語っていただくものです。関西流の笑いと人情味溢れるシニアの生き様はきっとこの世知辛い浮世に一筋の光を与えてくれるでしょう。関西のオジ様とオバ様とお爺さまとお婆さまと、おとんとおかんのパワーが皆様の健康とご長寿の活力になることを切に願います。

編集長

【最強の関西シニア「チャーリー浜さん追悼」の巻】

　書くのが遅れてしまった。大反省である。4月19日、最強の関西シニアである一人、チャーリー浜さんがお亡くなりになった。78才だったそうです。

　これまでの人生、チャーリー浜に全く思い入れがなかったはずのオカンが、ニュースを見てこうポツリと呟いた。

「もう、『ごめんくさい』が聞けなくなるんやなあ。なんや寂しいなあ」

　私は驚いた。が、大阪人にとって、吉本新喜劇の芸人さん、そして彼らの持ちギャグはもはや「日常」。吉本新喜劇に出なくなっても「必ずどこかに存在して大阪を見守っている」感がある（池乃めだかさんなど、もう妖精扱いである）。チャーリー浜さんも然り。好き嫌いは別で、いなくなると猛烈に寂しく思えるのである。

　改めて彼の偉業を調べてみよう、とウィキペディアを開いてみた。

・「チャーリーズ・エンジェル」映画版の公開時には、「チャーリー浜ズ・エンジェル」として宣伝に参加した。

・毎年の確定申告は大抵初日に一番乗りで行っており、「あなたどなた？ 僕チャーリー」のギャグで職員がコケるシーンや、「確定申告は早めに済ませようじゃあ～りませんか」と締め括るシーンが、関西圏のニュースで例年取り上げられている。

私は上記２つの彼の活動について、記憶にないことが猛烈に悔しい。素晴らしい活動ではないか。

　大阪で「チャーリー浜」とお題を一言振れば、ほとんどの中高年が、少しお尻をつき出した歩き方をし、「ごめんくさい。これまたくさい」と反応するキャラの浸透力。世代によっては「いずこへ・・・・・・」というギャグの方をイキイキと返してくるかもしれない。

近年では、千鳥がＭＣを務める番組「相席食堂」にて、昆虫メニューを食べるという企画にウンザリしたチャーリー浜が「もうええもうええピーポーピーポー♪」と救急車のサイレンのメロディーを巧みに活用したギャグをアドリブで披露。まだまだ現役と世間に知らしめていた。動画も残っているが、コメント欄は、その才能を惜しむ声で埋まっている。

　ありがとう、チャーリー浜さん。ギャグは時代を超えて人を楽しませるもの。若い世代にも伝えていこうじゃあ～りませんか！

【法善寺灯子さんのプロフィール】

関西在住ライター。性別：女性。好物は串カツとお好み焼きのブタ玉。兵庫、大阪、京都、奈良、三重、滋賀などフットワーク軽く駆け回り、愛すべき関西の面白ネタを探す。