【AV男優 田淵正浩 が見抜く演技と本気「本当に感じている！」『花と蛇』の 杉本彩 は別格】

　迫真の濡れ場も見巧者が見れば、本気か否かは一目瞭然。ＡＶ男優の田淵正浩が、女優の“演技と本気”を仕分けしてくれた。

　今や令和のセックスシンボル的存在になった深田恭子（38）だが、田淵によれば「良くなったのは連ドラ『セカンド・ラブ』（テレビ朝日系・15年）ぐらいからだね」という。

　同作は深キョン演じる高校教師と亀梨和也ふんする年下のダンサーが、運命的な恋に落ちる物語。２人の濃厚なキスシーンは「本気過ぎる」と評判になった。

　上半身裸の２人がチュッ、チュッと音を立てて唇を重ね、ベロチューへ。本物の恋人同士のような官能シーンだったが、実際、２人は共演後、私生活でも熱愛関係になっている。

「それまでは、おぼこくて何もできない処女って感じだったけど、亀梨和也との共演で一気に色気が出た。セックスに感情が芽生えている。彼女はポテンシャルは高いんだけど、セックスの感情表現に物足りない面があった。それが亀梨との濡れ場で開花しましたね」

　田淵は映画『ベロニカは死ぬことにした』（06年）で迫真のオナニーシーンを披露した真木よう子（38）にも、注目する。

　真木演じるヒロインが、月光の差し込む部屋で全裸になり、Ｇ乳を揉みしだきながら股間をスリスリ。汗をたらし、体をガクガク震わせながら昇りつめるシーンは鬼気迫るものだった。

「顔を見ると男っぽくて、でも体は女そのもので。今は女の子女の子したＡＶ女優が多いけど、20年前は顔と体にギャップのある彼女のようなＡＶ女優が多かったので懐かしい気持ちになります。彼女はセックスにも積極的で感度もいい。私生活でもいいセックスをしている女の顔をしてます」

　そんな田淵が絶賛するのは、杉本彩（52）が究極のＳＭの世界に挑んだ映画『花と蛇』（04年）。

　団鬼六のＳＭ小説の映画化で、杉本ふんする令夫人が男たちの奸計にはまり、緊縛、鞭打ち、蝋燭責め、木馬責め、磔、浣腸、レイプと、ありとあらゆる辱めを受けるという物語だ。

「僕は濡れ場を演じる女優さんを見て、本当に感じているか否か分かるんですが、『花と蛇』の杉本彩は別格。完全に本気モードですね。過激なＳＭプレイが売りの映画だけど、ふだんから近しいことをやっている片鱗が見えた。本気でやって本気で感じているのが滲み出ていて、ビックリしました。　彼女のしゃべりを見ても吹っ切れているというか、世間の常識にとらわれないアーティストのような生き方をしている人。それがセックスにも表れています」

　ベテラン女優の濡れ場も、味わい深いものがある。田淵が挙げたのは、十朱幸代（78）が全裸の濡れ場を演じた映画『魚影の群れ』（83年）と、吉永小百合（76）がオナニーシーンを披露した映画『天国の駅』（84年）だ。

　十朱が元亭主の漁師（緒形拳）と漁船の中でイタす濡れ場では美巨乳をモロ出しに、ピンコ勃ちした乳首まであらわにする過激さ。

　他方、吉永が機を織る手を休めて和服の裾から指をこじ入れる手淫シーンも、イキ顔と足袋の爪先を反らせてアクメを迎える風情が淫猥だったという。「昭和の女優さんはビデオではなく、フィルムで撮影していたので真剣さが違う。貴重なフィルムを無駄にできないから、濡れ場も本気。十朱さんも本当に感じていたと思いますよ。

　吉永さんは良くも悪くも真面目だけど、濡れ場の場合、その真面目さがエロスに働いている。役を作り込んで、しっかり濡れ場をやるから、ちゃんと乱れる。感じている役なら、吉永も感じている。プロ中のプロだからこそ、役に入っているってことは、つまり、濡れていると思います」