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※はじめに
この連載は中高年の皆様に素晴らしき日本の性文化への憧憬をさらに深めていただくために、東京・吉原に書店を構える「カストリ書房」の店主・渡辺豪氏に毎回、お勧めの本や雑誌を紹介いただくものです。
カストリ書房は遊郭専門書店として2015年に誕生し、店主の渡辺氏は自らも遊郭、赤線、青線があった地域を巡って聴き取り調査や取材を行なっており、これまでに訪れた場所は約500箇所。現在も書店を運営する傍ら様々な日本の性文化に関する文献の考察やイベントを行なっております。
夕やけ大衆では、そんな渡辺氏が未来永劫残したい「性書」を厳選してご紹介いたします。さあ皆様、知識と誘惑の扉を開いてみましょう。
〈夕やけ大衆編集長より〉
第13回『青線 売春の記憶を刻む旅』八木澤高明著(スコラマガジン)
戦後、公然と営む売春が黙認されていた街を「赤線」と呼んだ。所轄の警察がこのエリアを地図上に赤い線で囲って警戒したことからこの名が付いたとの説が広まっているが、実際のところ俗説に過ぎず、傍証はない。
そうした赤線まがいの売春街を当時、青線と呼んだ。赤線、青線いずれにしてもマスメディアが読者の歓心を買うために命名した俗称であるため、厳格な定義はない。
敢えて定義づけするならば、赤線は戦前の公娼(いわゆる遊廓)と私娼の流れを汲み、青線は戦後になり漸次的に女性を置き、性サービスを提供した売春街である。
本書は、そうした青線のあった街、エリアを取材したもの。
青線は、赤線以上に定義が難しく、何をもって青線とするのか、おそらくこれまで広く通用する定義を提唱した人物はいない。
例えば、ある時期、ある店に務めるA子さんが、成り行きで売春したら、そのエリアは青線なのか? 1度で足りなければ何回売春すれば、青線と呼ぶに足りるのか?
何をもってして青線と呼ぶのか難しいが、当時は赤線という、いわば正規な性風俗業があってもなお、何かしらの理由があって青線の女たちはそこで働いていた。働かざるをえない理由があった。売春史の影の中に、更に濃い影が落とされていた。それが青線だった。
また正規的な性風俗である赤線は、遊客にそれと分かるように、ネオン塔やアールデコ調など華美な外観で飾った。しかし、青線にはそれがない。「売春営業している」と分かれば当然に検挙されてしまうので、外観はあくまでしもた屋(素人家)に過ぎない。
したがって青線を取り上げようと思えば、街や建築といったカタチあるものではなく、そこで生きた人々の心が浮き彫りになる。
本書が、意図してか「街」を使わず、「記憶」をタイトルに冠したのは、そうした意味もあってのことか。
私は著者と本書について色々伺う機会を得たことがあるが、当時は農家が日銭欲しさに娼婦に部屋を提供していたこともあったそうだ。
売春街とは、とかく娼婦と遊客の物語と解されるが、この例が示すように周辺住民を巻き込んで、多くの思惑と欲が入り交じった空間だった。
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第13回『青線 売春の記憶を刻む旅』八木澤高明著(スコラマガジン)
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