• twitter
  • RSSリーダーで購読する

icon
Popular Keywords
現在人気のキーワードタグ

icon

カストリ書房

  • TOP
  • 桃色コラム
  • カストリ書房の「知識と誘惑の本棚」第11回『黄金町マリア』八木澤高明著(ミリオン出版)

カストリ書房の「知識と誘惑の本棚」第11回『黄金町マリア』八木澤高明著(ミリオン出版)

icon
Catch Up
キャッチアップ

カストリ書房の「知識と誘惑の本棚」第11回『黄金町マリア』八木澤高明著(ミリオン出版)

※はじめに

この連載は中高年の皆様に素晴らしき日本の性文化への憧憬をさらに深めていただくために、東京・吉原に書店を構える「カストリ書房」の店主・渡辺豪氏に毎回、お勧めの本や雑誌を紹介いただくものです。

カストリ書房は遊郭専門書店として2015年に誕生し、店主の渡辺氏は自らも遊郭、赤線、青線があった地域を巡って聴き取り調査や取材を行なっており、これまでに訪れた場所は約500箇所。現在も書店を運営する傍ら様々な日本の性文化に関する文献の考察やイベントを行なっております。

夕やけ大衆では、そんな渡辺氏が未来永劫残したい「性書」を厳選してご紹介いたします。さあ皆様、知識と誘惑の扉を開いてみましょう。

〈夕やけ大衆編集長より〉

第11回『黄金町マリア』八木澤高明著(ミリオン出版)

「黄金町」と聞いて、ピンと来る人はおそらく40代以降の男性ではないだろうか。人によってはある種のノスタルジーを伴っているかも知れない──

戦中、横浜を襲った大規模な空襲で多くの人が焼け出されたことや、市街地が連合軍に接収されたことなどにより、戦後の京急・黄金町駅高架下は行く当てをなくした人々が寄り集まり、スラム街化した。そして、いつしか麻薬街・売春街へと変容していった

黒澤明映画『天国と地獄』(昭和38年、東宝)でも、セット組みだが舞台として登場し、陰惨なムードを漂わす一画として描かれている象徴的なシーンがある。

地方出身40代である筆者にとって、1990年代に警察24時といったドキュメント番組で、売春を取り締まる黄金町の様子が頻繁に登場していた記憶がある。

2000年以降、地元住民らによって環境改善を求める気運が高まり、2005年には官民一体となった違法風俗浄化作戦によって、売春街としての歴史は消滅した。

現在は横浜市が税金を投入して、かつて売春が行われていた店舗を借り上げ、NPO法人「黄金町エリアマネジメントセンター」が不動産管理を行っている。

違法風俗浄化後は、「アートによる再生」として多くの注目を集めており、各地の街興しのモデルケースとして多くの行政が勉強に来訪しているという。

売春街時代の黄金町は、その歴史の末期は外国人娼婦らによるエリアとなっていたが、本書はそうした黄金町の末期と捉えたもの。

不特定多数の日本人男性とのセックスを生業とする多くの外国人娼婦にインタビューを敢行しているが、興味深いのは掲載する写真に登場する娼婦の目線だ。こうした違法地帯のルポルタージュの少なくないもの、特に個人が特定できる撮影といったセンシティブな取材は、隠し撮りや、本人の許可があっても顔にモザイクといった手法・処理が行われるが、本書の娼婦は目線をカメラに向けてリラックスしたムードで撮影に臨んでいる。取材者である著者がよほど街と人の懐に入りこまなければ、こうした撮影は可能にならなかっただろう。

避妊具を使わない代わりに客からチップを弾ませる手練手管を用いる娼婦もいたようだ。エイズに感染・発症した娼婦に著者は取材し、間もなく娼婦は息を引き取る。

娼婦の生い立ちを追うため、著者は娼婦の故郷であるタイの実家を訪ねているが、娼婦が身を削って送金した仕送りの使い道を訪ねると、母親が「宝くじを買って使い果たした」と応えたのだった。

【今回ご紹介した書籍をお求めの方はコチラから】

『黄金町マリア』八木澤高明著(ミリオン出版)

  • カストリ書房の「知識と誘惑の本棚」第11回『黄金町マリア』八木澤高明著(ミリオン出版)

icon
Linkage
関連記事

icon
FANZA新着動画
特選素人娘マル秘動画

FANZA新着動画一覧 >>
icon

このサイトにはアダルトコンテンツが含まれます。18歳未満の閲覧を禁止します。当サイトに掲載されている画像、文章等の無断転用・無断掲載はお断りします。
ご使用のブラウザによってはご閲覧いただけないサイト内のコンテンツがある場合もございますのであらかじめご了承の上ご閲覧ください。

Copyright(C) 夕やけ大衆 All rights Reserved. 風営法届出番号 第8110800026号

当サイトにはアダルトコンテンツが含まれます。
18歳未満および高校生の閲覧を禁止致します。

ENTER
LEAVE